どうせ読むならポイント貯めない?

「戦いは数」どう支える? M4「シャーマン」戦車、「偉大なる大量生産」の実現

12,722 YOU
  • 乗りものニュース
  • |

M4「シャーマン」戦車は、アメリカ製戦車として歴代最多の約5万両が生産されました。しかも第2次世界大戦のさなか、ごく限られた期間でのことです。そのバリエーションの多さは、当時のひっ迫した情勢を物語るものでもありました。

自衛隊の草創期を担ったアメリカ製中古戦車

 日本は世界で10指に入る戦車開発国です。第2次世界大戦前から独自に戦車を作り続け、2019年現在もオリジナルの10式戦車を生産し配備しています。しかし、日本が使用した戦車全てが国産だったわけではありません。旧日本陸軍も陸上自衛隊も、国産戦車を採用する前は外国製戦車を導入していました。

Large 191030 m4tank 01自衛隊富士駐屯地で保存展示されているM4「シャーマン」。奥に並ぶのがM24「チャフィー」軽戦車(2012年1月、柘植優介撮影)。

 第2次世界大戦後、陸上自衛隊の前身である保安隊へ最初に配備された戦車は、アメリカ製のM24「チャフィー」軽戦車でした。のち自衛隊が発足し、より本格的な戦車としてM4「シャーマン」がアメリカから供与されます。同車は、国産開発した61式戦車の配備が進むまで、自衛隊戦車戦力の主力を担いました。

偉大な戦車の生産期間はわずか3年3か月

 自衛隊も使用したM4「シャーマン」は、アメリカを象徴するような戦車です。もともとは、第2次世界大戦のヨーロッパ戦線で、ドイツ軍戦車に対抗できる性能を持つ近代戦車の必要性に直面したアメリカが、既存のM3戦車のシャシーを流用し、上モノだけ作り変えて誕生させた中戦車でした。

Large 191030 m4tank 02短砲身75mm砲で、鋳造車体、M3中戦車と同じシャシーを持つM4A1。「シャーマン」シリーズの初期型である(2018年6月、柘植優介撮影)。

 M4「シャーマン」の木製モックアップ(実物大模型)が1941(昭和16)年5月に製作されると、同年9月には試作車が早くも完成します。この試作車で各種試験を行うと、なんと翌10月には軍にM4として制式採用され、4か月で生産ラインが作られて、1942(昭和17)年2月から大量生産がスタートしました。モックアップから量産開始まで、わずか9か月です。しかも当初から月産2000両が目標でした。

 量産準備中の1941(昭和16)年12月に、日本が真珠湾攻撃を行い、アメリカも本格的に第2次世界大戦へ参戦します。この参戦で、様々な民間企業が兵器生産に駆り出されたことで、M4「シャーマン」も従来の戦車工場だけでなく、自動車工場をはじめ、工作機械や蒸気機関車の工場など10か所で生産されることになりました。

 M4「シャーマン」の真価はここから発揮されます。当初、車体と砲塔は鋳造製で、エンジンは航空機のものを転用した星形空冷ガソリンエンジンが用いられましたが、すぐに大型トラック用のディーゼルエンジンを2基搭載したタイプの生産が始まりました。航空機用エンジンは当然、航空機製造に優先して供給されるため、戦車に回される数は航空機の需要に左右され不安定でした。そこで、大量生産するにあたりトラック用のディーゼルエンジンを用いることにしたわけです。

 その後もエンジンの供給不足を補うために、ほかの航空機用エンジンを流用したり、自動車用ガソリンエンジンを5基連結して搭載したりするなどした結果、エンジンだけで5種類もあるM4「シャーマン」の各タイプが、同時並行で各地の工場にて生産されました。この大量生産体制は、太平洋戦争終結直前の1945(昭和20)年5月に終了しましたが、M4「シャーマン」はわずか3年3か月ほどのあいだに、総計4万9234両も生産されました。1か月あたりでは約1262両になります。

最後の現役「シャーマン」退役は2018年!

 M4「シャーマン」の各タイプは、基本的に搭載するエンジンで分類されますが、ほかにも、車体構造で鋳造と溶接、両者混用の3種類あり、さらに主砲も75mm砲、76.2mm砲、105mm砲の3種類、サスペンションも初期型と後期型の2種類あります。これらを混乱なく生産し続けられたのは、アメリカが大量生産能力だけでなく、優れた生産管理能力も持ち合わせていたからでした。

Large 191030 m4tank 03長砲身砲を搭載し、車体も溶接構造で、サスペンションもM4A1と異なるM4A3E8(2018年6月、柘植優介撮影)。

 さらには、M4「シャーマン」の後継として、より優れたT20中戦車を開発していたにもかかわらず、量産開始にともなう生産ラインの混乱と、生産効率の低下を嫌って、これの制式採用を見送ったことでした。いかにアメリカが性能よりも数をそろえることに腐心していたかわかります。

 ちなみに、日本で最も多く生産された戦車は、1935(昭和10)年に制式採用された「九五式軽戦車」で、約8年のあいだに工場7か所で合計2378両が生産されました。M4「シャーマン」に比べると、生産期間は2倍以上なのに生産数は20分の1以下でしかありません。

 こうして大量に生産されたM4「シャーマン」でしたが、戦争が終結すると一転して多数が余剰となったため、相当な数が友好国へ供与されることになります。世界中の親米国に引き渡され、様々な形で世界約40か国にて使用されたM4「シャーマン」は、日本のようにほぼオリジナルのまま使い続けた国もあれば、イスラエルやチリのように独自改良を加えて性能向上を図った国もあり、戦後は大戦中以上に様々な派生型が枝分かれするように生まれていきました。

 そして2018年には、長らく使い続けていた南米パラグアイから世界最後の現役「シャーマン」が退役しました。1941年の誕生から77年間も使われ続けたことになります。

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ
PeXポイントで賞品を当てよう!

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!