【一夜漬け】or【毎日コツコツ勉強】科学的に証明された効果が高い勉強法はどっち？

テスト前にやりがちな一夜漬け。でも集中的に勉強するより、分散して学習した方が効果は高いかもしれません。

＼「記憶力」× 「超効率化」× 「時短」の勉強法／
400万回以上再生されているYouTubeの大人気動画「科学的根拠に基づく最高の勉強法」の安川 康介さんが、自らの勉強法を更に詳しく解説して書籍化。覚えたことを思い出す、人に教えられる=アウトプットこそが成長につながる、研究によって検証された効率的な勉強法です。

勉強は限られた時間で効率よく進めたいもの。では、効果が高いのはどんな勉強法なのでしょうか？今回は時間をあけて勉強する分散学習について、書籍『科学的根拠に基づく最高の勉強法』（KADOKAWA）から一部抜粋してお届けします。

分散学習とは

※画像はイメージです

一夜漬けのように、あるまとまった学習範囲を、間隔をあけずに一度に続けて勉強することは「集中学習(Massed learning/practice)」と呼ばれています。一方で、時間をあけて勉強することは、「分散学習(Distributed learning/practice)」や「間隔反復(Spaced repetition)」と呼ばれています。

そして、一度にまとめて勉強するよりも、時間を分散して勉強するほうが長期的な記憶の定着が良く、この効果は分散効果(Spacing effect)と呼ばれています。

これは同じ内容を、同じ時間をかけて勉強するにしても、分散したほうが学習効果が高いということを意味します。つまり、2時間続けてある範囲の英単語を勉強するよりも、今日は1時間、別の日に1時間と分散したほうが、時間が経ってテストした時に、覚えている単語の数は多いということです。

分散させて勉強するほうが、まとめて一度に勉強するよりも効果が高いことを実験的に示したことで有名なのが、ドイツの心理学者エビングハウスです。

エビングハウスは「忘却曲線」の提唱者として有名です。彼は、意味のない音節をたくさん作って、自らそれらを覚え、どれくらい忘れていくのか、そして、繰り返し復習したら、どれくらい覚えていられるのかについて調べました。

記憶の研究の分野に重要な貢献をした人物ですので、記憶に関連する書籍には頻繁に登場します。
『記憶について─実験心理学への貢献』という1885年に書かれた本の中で、エビングハウスは以下のように語っています。

「多くの繰り返しを行う際には、それらを一度にまとめて行うよりも、時間を分散させて行うほうが、明らかに有利である」

分散学習の効果を検証した研究は、100年以上前から行われ、論文も数百以上あります。それらの研究によって、分散効果は、大人から子どもまで、数学、外国語、歴史、生物学などを含めた幅広い分野の勉強において確かめられてきました。

研究

例えば、1979年にバーリックが行った研究が有名です。この研究では、スペイン語を勉強したことのないアメリカの大学生を3つのグループに分けて、50個のスペイン語の単語を覚えてもらいました。

▪Ａグループ：1日にまとめて学習
▪Ｂグループ：1日間隔で復習
▪Cグループ：30日間隔で復習

最初の学習セッションでスペイン語の単語の意味をできるだけ覚えてもらい、5回の復習を行った30日後に、どれくらい単語を覚えているかをテストしたところ30日後の試験の正答率はそれぞれ68％(Ａグループ)、86％(Ｂグループ)、95％(Ｃグループ)と、間隔をあけて勉強した生徒のほうが遥(はる)かに良いというものでした。

ほかにも、5年生の子どもを対象にしたある研究では、GREというアメリカやカナダの大学院へ進学するために必要な共通試験に出てくる英単語(Accolade, Coerce, Edict, Gregarious, Latent, Salient, Tacit, Vex)を覚えてもらいました。同じ単語をまとめて勉強した場合と、1週間の間隔をあけて2回に分けて勉強した場合では、トータルの勉強時間に違いはなかったにもかかわらず、5週間後のテストでは、間隔をあけて勉強した場合のほうが約1・8倍、英単語の意味を正しく答えられたという結果があります。

このほかにも分散学習については多くの論文があり、数多くの研究結果を統合して分析したメタアナリシスも複数あります。2006年の分散学習の効果に関する184本の論文を分析した論文でも、分散学習の効果が示されています。

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この続きは、是非書籍でご覧ください。

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※本記事は、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』著：安川 康介／KADOKAWA　より抜粋・再編集して作成しました。

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