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国道の超重要トンネル、実はもと“鉄道用”だった! しかも「峠の名前が違う」!? 3種のトンネルが通る交通の要衝

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  • 乗りものニュース
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新潟と京都を結ぶ国道8号には、富山・石川県境に「くりから(倶利伽羅)トンネル」があります。実はこのトンネル、鉄道用トンネルを転用したもの。しかしそもそも、この場所は「倶利伽羅峠」ではありません。

「源平合戦」の舞台を避けた国道8号

 石川・富山県境には近い位置で、あいの風とやま鉄道の「俱利伽羅トンネル」、国道8号の「くりからトンネル」、北陸新幹線の「新俱利伽羅トンネル」が並行し、石川県側には倶利伽羅駅(津端町)もあります。「俱利伽羅」は非常に古い歴史のある峠の名前です。

Large figure1 gallery9国道8号の「くりからトンネル」。かつては北陸本線の鉄道トンネルだった(植村祐介撮影)

 しかし、これらはいずれも、“倶利伽羅峠ではない”場所に所在しています。どういった経緯からなのでしょうか。

 日本の主要国道には、江戸時代の街道、さらには歴史をさかのぼって律令制で定められた「七道」にルーツを持つものも少なくありません。新潟市から京都市まで日本海側を結ぶ「国道8号」も、そうした国道のひとつで、律令制下における「北陸道」のルートをほぼ継承しています。

 ただ徒歩での往来を主眼に整備されたかつての北陸道は、自動車交通にはけっして適してはいないことから、国道8号では異なるルートをとっているところもあります。富山・石川県境にある「俱利伽羅峠」も、そうしたルートが異なる箇所のひとつです。

 現在の国道8号は、富山県西部の砺波平野の北を東西に抜け、小矢部市の北からその標高を上げ、上り坂の頂上にある延長957mの「くりからトンネル」を抜けて石川県へと入ります。しかし古来の北陸道は、小矢部市街の南西部に位置する「埴生地区」から山に分け入り、くりからトンネルよりも約1.5km南で峠を越え、津幡町の「竹橋地区」へ至っていました。

 この北陸道の峠は、平安時代末期の「源平合戦(治承・寿永の乱)」では、以仁王を奉じて信濃国で挙兵した木曽義仲(源義仲)が、10万の兵を率いる平維盛の軍を打ち破った「俱利伽羅峠の戦い」でも知られる古来からの要衝。江戸時代も加賀藩の参勤交代に使われるなど、主要道として機能していました。

 しかし律令制における道路開発は「できるだけ最短距離」を通ることが重視されたため、俱利伽羅峠は狭く、急峻な道でした。そのため明治天皇の北陸巡幸にあたり、天皇の輿が通れないことから、別ルートを切り開くこととなったのです。

 それが、俱利伽羅峠より約1.2km北の「天田峠」です。1878年、俱利伽羅峠に代わる街道として整備されました。これがのちに国道8号(現・石川・富山県道286号)に指定されることとなるのです。

道路→鉄道、そして鉄道→道路

 この天田峠が拡幅整備された明治時代は、全国に鉄道網が張り巡らされていく時代でもありました。現在は北陸新幹線の開通で三セク化が進んだ旧北陸本線も、1880年代に建設がはじまり、1899年には天田峠の北側をトンネルで抜け、富山駅までの開業を達成しました。

Large figure2 gallery10くりからトンネルの石川県側坑口から左に分岐するのはかつての北陸本線の廃線跡。かなりの急傾斜で俱利伽羅駅方面に下りていく(植村祐介撮影)

 ただこのとき作られたトンネルへは、富山県側からも石川県側からも勾配がきつく、補助機関車による牽引が必要で、輸送の障害となっていました。そのため、新たなトンネルが1941年に着工、太平洋戦争前後の中断を経て1955年に開通し、北陸本線(当時)の付け替えが行われ、輸送力の増強が実現したのです。

 こうして旧鉄道トンネルは廃線となりましたが、このトンネルについて地元から「天田峠越えに代わるバイパスとしての活用」を求める声が上がりました。天田峠越えの国道8号は峠の両側に急カーブが存在し、また冬季には積雪でたびたび交通困難になるなど、自動車交通の時代には“難所”となっていたのでした。

こうした声を受け、国は1966年に「くりからバイパス」を着工し、トンネルについては拡幅工事を行ったのち、翌1967年に開通させました。これが現在の国道8号が通る、くりからトンネルです。

今も昔も交通の要衝

 このくりからトンネルの効果は絶大で、時間のかかっていた天田峠越えはわずか2分に短縮されました。さらに大型車の通行も容易になったほか、冬季の積雪による交通障害からも解放されました。そしてくりからトンネルを通る国道8号は、現在も北陸自動車道と並び、富山県、石川県を行き来する自動車交通の大動脈となっています。その交通量は、北陸地方の県境部で最も多い1日2万台とされています。

 しかし、開通から60年近くが経過したくりからトンネルは、幅員が狭く、歩道が未整備であること、大雨等による事前通行規制区間がトンネル前後に存在することなどから、新トンネルをつくる「俱利伽羅防災」の事業が進められています。これはくりからトンネルの北側、北陸新幹線の新俱利伽羅トンネルとのあいだに並行して、2車線のトンネルを含む延長3kmのバイパスを通す計画です。

 一方、天田峠を通っていた旧国道8号は石川県道・富山県道286号に“格下げ”になりましたが、この県道、そして天田峠から“そもそもの俱利伽羅峠”に至る道は、かつての源平合戦の古戦場を訪ねる道、さらにはその俱利伽羅峠から砺波平野を一望する観光スポットとして、いまも人気を集めています。

 また、くりからトンネルから富山県側の石動(いするぎ)駅、石川県側の俱利伽羅駅に至る廃線跡も、富山県道16号および石川県道286号をたどることで、往時をしのぶことができます。

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