護衛艦の船内生活は過酷!? スマホ封印・超絶収納・世代ギャップ… 乗員が語るリアル
- 乗りものニュース |

ゲーム機は機種によっては許可が必要
海上自衛隊の艦艇乗組員は年間の半分以上を海の上で過ごします。艦も生活の場なので、プライベートスペースには私物を持ち込むことが許可されています。ただ隊舎と比べ格段に狭いため、持ち込める量はおのずと限られます。
海上自衛隊の護衛艦「いせ」(手前)と「ひゅうが」。画像はイメージ(画像:海上自衛隊)。
艦の収納スペースは最低限。そこで、出港前には必ず荷物の前で唸っている海上自衛官で夫のやこさんに話を聞くことにしました。
基本的には艦に持ち込む私物は衣類や身だしなみを整える生活用品がほとんど。下着は数組をローテーションし、兼用できるものは削ります。ハーフパンツは寝巻きや運動着にもなり、なにかと便利なので荷物には必ず入れています。
お風呂グッズも当然必須です。少し前に、密閉できる二重ケースタイプの自衛隊お風呂セットがSNSでバズりましたが、これはどちらかというと陸自の人気アイテム。海自は「洗面器にシャンプーとボディソープとタオルが入ってるだけ」ともっとザックリしている人が多いそう。
余計なものは持たず、とにかく厳選が基本です(とはいえ、ロッカーを溢れさせている片付け下手な隊員もちらほら…?)。
ここまで厳選するとなると、気になるのは余暇を楽しむアイテムの持ち込みについて。スマホはOKですが、その他の電子機器の持ち込みは種類によるそう。ゲーム機など可搬式の記憶媒体を持ち込むには許可が必要で、種類によっては持ち込めないものもあります。
「収納を極めしもの」それが艦乗り
ほかにもアナログ媒体、つまり漫画や小説も余暇を楽しむアイテムのひとつ。隊員同士で貸し借りする光景も日常だとか。さらに最近では隊員同士で『ポケットモンスター(ポケモン)』や『遊戯王』などのカードゲームで盛り上がることもあるそうです。
出港中は3時間勤務・6時間休憩のサイクルが一般的な水上艦。勤務体系の例(画像:海上自衛隊)。
ちょっと変わったハナシになると、長期航海をしている艦に、洋上で物資を輸送する洋上移送が行われるときに、読み終わった雑誌などを差し入れることも。雑誌は漫画や小説と違って、洋上では得られない陸地の「いま」が詰め込まれているので、雑誌は隊員からも喜ばれる差し入れだそうです。
ちなみに、意外にも艦艇の持ち込みアイテムで重宝されがちなのが、キャンプ用品です。艦は航海を終えてドックに入ると空調が使えなくなるので、冬場は寝袋などのアウトドア用品が大活躍。ここぞとばかりにこだわりのキャンプギアを持ち込む隊員も多いそう。普段はハイテクな艦艇生活ですが、ひとたび修理に入ると意外にもサバイバルな一面もありました。
洋上は厳しい環境も多いけど、だからこそ工夫して生活を整えることが大切になってきます。
私物を厳選し、収納を極めしもの。それが艦乗りの人たちです。帰港したときにお土産を持って帰ってきてくれたら、限られたスペースにお土産の隙間を開けておいてくれた証左です。素直に感謝しましょう。
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