ドライバーが気の毒すぎる…道路陥没に落ちても「自賠責保険の対象外」なぜ!? どこでも起こる可能性 “運が悪い”でいいのか?
- 乗りものニュース |
埼玉県で発生した道路陥没にトラックが転落。同様の事故はどこでも起こる得る可能性も指摘されますが、ここでドライバーには自賠責保険が適用されない、厳しい現実があります。政府保障事業である自賠責、このままでよいのでしょうか。
走っていたら突然“陥没” 何の落ち度もないけど「保険ムリ」
埼玉県八潮市の道路陥没事故では、トラックが交差点に進入した直前に目の前で陥没した道路を避けきれずに転落しました。2025年1月28日の発生から1週間経った2月4日現在も救出が続いています。
トラックを飲み込んだ八潮市の道路陥没は、新たな道路陥没を飲み込み、交差点一面に広がる巨大な“穴”に成長した(中島みなみ撮影)。
誰が見ても、運転者に過失がない事故に思えますが、実はこうした事故に強制加入である「自賠責保険」は適用されない、極めて厳しい現実があります。
自賠責保険の紛争処理を行う指定処理機関「自賠責保険・共済紛争処理機構」の説明員は、何の落ち度もなく道路陥没で被害に遭う交通事故についてこう説明します。
「自賠責保険の対象になるような事故ではありません」
自賠責保険は「自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度」と定められています。事故は自動車事故であること。被害者自身の自賠責保険ではなく、加害者の自賠責保険で補償する制度です。説明員はこう続けます。
「自賠責保険は基本的に加害者となる車両の自賠責保険が被害者に保険金を支払うもので、その点でも(道路陥没に落ちた事象は)対象になりません」
機構は類似の不払い事案として、落下物を原因とする事故が考えられると言います。
「同じ落下物事故でも、前を走っている車両が荷物を落としたなど、加害車両が特定できていると、その車両の加入する自賠責保険で保険金が支払われます。まったく同じケースでも、もし誰が落としたかわからない落下物による事故だったとしたら、自賠責保険の保険金は支払われない可能性が高いです」
こうした加害者不明の事故について、自賠責制度は同乗者にも厳しいです。単独事故でも同乗者がいた場合、運転者は同乗者に対して“加害者”という立場になりますが、相談員はこう話します。
「確かに運転者に運行上の過失がある場合は、(被害者と加害者が存在することになるので)自賠責保険の適用になります。ただ、運転者に過失がない事故では(運転者の責任があると言えないので)支払いの対象になりません」
政府保障事業の対象を考えなおす時ではないか
自賠責保険の保障制度を担当する国土交通省保障制度参事官室の担当者も「道路陥没による事故は自動車事故ではない」と話します。
陥没現場周辺の生活道路にも通行止めを知らせる看板が立つ(中島みなみ撮影)。
「道路陥没などの事故は、自賠責保険の加入車以外、例えば道路管理者などが相手です。損害賠償請求を行うことで補償されるのだと考えます」
自賠責保険は自動車ユーザーの保険料を財源とする被害者救済制度なので、対象は厳しく制限されるべき、という考え方は理解できます。しかし、一方で国土交通省は「政府保障事業」という名目で、加害者のわからないひき逃げ事故や、自賠責保険に加入をしていない違法な車両が事故を起こしたケースで、被害者に保険料を支払う制度を作っています。保険契約者全体で保険金を立て替え払いし、加害者に後日、全額を請求する仕組みです。
道路陥没などで被害者やその家族が損害賠償請求を行うことは、普通の自動車ユーザーにとっては重い負担です。政府保障事業が対象とする被害者は「交通事故被害で泣き寝入りをさせないため」の制度だと言います。その自賠責の適用を受けられない道路陥没の事故被害のケースはどう考えるべきなのでしょうか。
自賠責保険を規定する法律は、その目的をこう書いています。
「自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立するとともに、これを補完する措置を講ずることにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする」
八潮市の道路陥没を受けて、全国で下水道管の緊急点検が行われています。このような未曽有の道路陥没はその典型ですが、設備の更新時期が一斉に到来することで大小の道路陥没が“どこにでも起こりうる”とすれば、この政府保障事業の対象を広げて「被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資すること」が、今こそ必要なのではないでしょうか。
何より自賠責保険制度は自動車ユーザーが支える制度で、自動車賠償責任制度を担当する国土交通省が、道路行政も下水道行政も担っているのです。だから、任意保険に加入すべき、損害賠償を提起すべき、という自力救済の形は、自動車損賠賠償保障制度のアンサーにはなっていません。
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