Googleマップの「最速ルート」信じたら… 雪道の“ヤバい県道” なぜ案内? 「30分早い」の落とし穴
- 乗りものニュース |

なぜGoogleマップは“ヤバい道”を案内するのか
スマホの地図アプリは「基本的に無料で使える」「サーバー側で地図が更新され新規開通道路も網羅する」「リアルタイムの渋滞情報と過去データを参照しもっとも早いルートを案内する」など、ドライブのパートナーとしてなくてはならない存在です。なかでもGoogleMapは、膨大なデータに基づいたアルゴリズムによる最速ルート案内で定評があります。
ただ冬季、降雪地域でのGoogleMapの利用には、ふだんとは異なる注意すべきポイントや、リスクへの想定も必要です。
GoogleMapは「最速ルート」の判定に、実際にその道を通ったクルマの所要時間を参考データとして用います。じつはこうした最速ルートのなかには、地元の“雪道の達人”が通る抜け道的な道路も含まれているのです。
そのためノーマルタイヤを履いたクルマでGoogleMapの案内に従って進むと、標高が高くなったところで「この先、冬用タイヤやチェーンが必要です」といった看板が現れ、やむなく引き返すしかないことがあります。
スタッドレスでも危険な「根利道」とは
「自分のクルマはスタッドレスタイヤを装着しているから大丈夫」と考える人もいるでしょう。しかしときには、スタッドレスタイヤを装着していても、雪道に慣れた人でないと厳しい道路や、2WD+スタッドレスタイヤでは通行が困難な道路を案内される場合もあります。
群馬県道62号、通称「根利道」。赤城山東側で桐生市街地と片品方面をつなぐ唯一の道。峠が近づくと路面は完全に雪に覆われる(植村祐介撮影)
その好例が、群馬県道62号沼田大間々線、通称「根利道(ねりみち・ねりどう)」です。
この県道は沼田市上之町を起点とし、赤城山の東側を回り、みどり市大間々町に至る道路です。このうち沼田市白沢町から桐生市黒保根町までの区間は、国道120号沿いの片品村と国道122号沿いの桐生市や太田市とを短絡するルートとなっています。そのためGoogleMapも、国道122号方面から片品村のスキー場を目指す場合、またその逆方向で、推奨ルートとして第一に挙げることが多くなります。
とくにスキー場への行き帰りのクルマで関越道の赤城IC〜沼田IC間が混雑している場合は、「県道62号を使うルートのほうが30分近く早い」と示される場合もあります。「北関東道」からも国道122号でつながるため、時間だけ見れば、多くの人がこちらを選択することになるでしょう。
しかし冬季、気象や路面状況によっては、雪道を走り慣れていない人にはこの県道62号はかなりリスキーな選択となります。
甘く見てはいけない“凍結ヘアピン”連続の峠道
その状況を、みどり市側から見てみましょう。
県道62号へは、みどり市の国道120号から下田沢交差点を左折、すぐに大きく左に回り、渡良瀬川が削った谷を上がっていく。この時点では雪もない(植村祐介撮影)
桐生市方面から西進してきた国道122号は大間々町市街の「大間々町6丁目」交差点で進路を変え、県道62号との重複区間となり、わたらせ渓谷鐵道も走る渡良瀬川の刻んだ峡谷に沿って北上します。そして「道の駅 くろほね・やまびこ」を過ぎた先の「下田沢」交差点を左折して県道70号との重複区間となり、急坂を上がった3kmほど先で県道70号は左に分岐し、県道62号の単独区間となります。
道路は赤城山の東麓で一本調子に標高を上げていき、さらに4kmほど進んだところからが本格的な山道となります。ヘアピンカーブも多く、ところどころの切り通しでは日陰となるため、乾燥路だと思って走っていたら、いきなり凍結路が現れることもしばしばです。
桐生市と沼田市との市境は下田沢交差点から14kmほどですが、実際の峠はそのやや先となります。そしてここからの下り坂は、赤城山の北東斜面になることから、日陰が多く、急な下り坂、急カーブでの凍結路という難所も現れます。ようやくひと息つけるのは、峠から12kmほど下った南郷の集落に入ってからです。
道を知っている地元のクルマは、路面状況のいい場所ではペースを上げ、危険な部分では十分に速度を落とすというメリハリのある運転で、短時間で駆け抜けます。その結果が、GoogleMapが判断する「最速ルート」の根拠となってしまうのです。
雪道になれていない、かつこの道路をはじめて走るドライバーにとっては、そうした“手練れ”と同じペースで走ることは困難です。降雪時には除雪が入りますが、それでもアイスバーンの上に新雪が重なるようなコンディションでは、2WD+スタッドレスではスタックして上れない可能性がありますし、凍結路の下り急カーブではスリップ事故のリスクが少なくありません。
つまり「早い道」だと思って案内に従っても、結局は時間がかかったり、最悪は事故にもつながりかねないのです。
この県道62号はあくまで一例ですが、「降雪エリアでのGoogleMapでの検索」が県道で山を越えるようなルートを示す場合は、「その道路名+冬」といったキーワードで走行の難易度を測るくらいの慎重さが必要と言えるでしょう。
なおスマホの地図アプリでGoogleMapとシェアを分ける「Yahoo!カーナビ」は、GoogleMapに比べ「走りやすい道を優先する」「狭い道を通るルートを案内しない」という傾向があることで知られますが、それでもこの県道62号を通るルートを示す場合があります。利用にあたって留意しましょう。
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