知ってるつもりを回避しよう! 「偏差値」にも種類がある、中学受験用語「志望校」と「受験校」のちがいとは?
- マイナビウーマン |
中学受験界隈で、「知っていて当然」とばかりに使われるキーワード、あなたは正確に理解できていますか…?
中学受験で使う用語にご注意
中学受験について調べると、さまざまな受験用語が目に入ります。
中には中学受験特有の用語も多く、イメージがわかないものもあるかもしれません。
今回は、中学受験で聞くことの多い用語を解説します。
一般的な意味はもちろん、注意したいポイントなどもお話ししますので、受験情報を探す際の参考にしてくださいね。
志望校と受験校
志望校、受験校、出願校……。学校選びをしていると似たような表現が並ぶことに気づきます。
文脈や状況によって意味は変わりますが、大まかには次のニュアンスで使われることが多いでしょう。
志望校
志望校とは、進学したいと思っている学校のことです。
志望順に第一志望、第二志望と呼びわけることもありますね。
また、実際に受験するかどうかは別として、目標にする学校という意味で使われることも。
本格的に志望校選びを始めるのは、5年生の終わり頃からという人が多く、塾でもこの時期から志望校についてのアンケートが増えてくるでしょう。
受験校・出願校
受験校や出願校というのは、志望校を含めた、実際に受験する学校のことです。
受験する学校で「受験校」、願書を出す(出した)学校で「出願校」という意味ですが、そこまで細かく使い分けているのはまれですね。
受験校と出願校、さらには志望校を合わせて「志望校」と呼んでいることもあります。
受験校(出願校)は、最終的に5校前後というケースが多く見られます。
しかし絶対に行きたい1校のみということもあれば、校数は少なくとも同じ学校を複数回受験するということもあるので、ご家庭の方針によってさまざまです。
チャレンジ校
チャレンジ校というのは、志望校や受験校の中でも、今の自分より大幅に偏差値が高い学校のことです。
大幅にというのは、偏差値5以上と考えてください。
第一志望がチャレンジ校であることも多いですが、第一志望とは別にチャレンジ校を設定して勉強のモチベーションにするケースもあります。
第一志望校とチャレンジ校を別に設定する場合は、両方に合格したときの進学先をあらかじめ考えておきましょう。
併願校・滑り止め校・抑え校・安全校
併願校、滑り止め校、抑え校、安全校……これらはすべて、今の偏差値なら合格圏内と考えられる学校を指します。
言葉は違いますが、どれもほぼ同じ意味です。この記事では併願校に統一してお話ししますね。
偏差値でいうと、自分より5ほど低い学校に対して使うケースが多いでしょう。
首都圏の場合は、1月に入試が始まる千葉や埼玉の学校を併願校とするケースもよく見られます。
併願校で合格を得て、自信を持って2月の第一志望校に臨むという作戦です。
第一志望へ向けた自信をつけることが目的の場合、併願校は合格しても進学を検討せず、テストの予行練習というだけの位置づけにすることも少なくないでしょう。
併願校選びで気をつけてほしいのが、学校の偏差値は一つではないということです。
複数回受験ができる学校では、回によって偏差値が大きく変わります。
一般に、後の日程になるほど偏差値は高くなっていくため、併願校を考える際は日程もよく考えたいですね。
偏差値(四谷偏差値、SAPIX偏差値など)
偏差値とは50を基準として、平均からどの位置にいるかを示したものです。
全国的な偏差値は、大手塾の模擬試験などで測ることができます。
中学受験においては、日能研や四谷大塚で出る偏差値と、SAPIXで出る偏差値は5ほど違うと言われます。
最難関校を志望する生徒が数多く受けるSAPIXのほうが、偏差値は低く出るからです。
ちなみに難関校という言葉は、日能研や四谷大塚だと偏差値65、SAPIXだと偏差値60ほどからをイメージしていることが多いと思います。
中学受験の偏差値を語るうえで気を付けたいのは、高校受験や大学受験と比べると、中学受験は受験率が低いということです。
母集団の学力が高いので、中学受験の偏差値は高校受験や大学受験より低く出ます。
中学受験での偏差値50は、小学生全体で見ると上位層と考えてよいでしょう。
入試解禁日
入試解禁日とは、中学受験が開始される日です。
埼玉県は1月10日、千葉県は1月20日、そして東京と神奈川は2月1日です。
御三家と呼ばれる超難関校をはじめ、多くの学校が解禁日に入試を行います。
とくに2月は解禁日である1日から3日に入試が集中しています。
午後入試もあるため、入試結果を見ながら受験校を変えるなど、前日までしっかり受験スケジュールを組み立てながら挑みたいですね。
傾斜配点
中学受験では、複数科目の合計点数で合否が決まります。
複数科目の配点をすべて同じにするのではなく、配点に差をつけることを傾斜配点といいます。
たとえば開成中学校では算数と国語は85点、理科と社会は70点です。
桜蔭中学校では算数と国語は100点、理科と社会は60点となっています。
傾斜配点では、算数と国語を高くする場合が多いんですよね。
塾で算数と国語を重点的に勉強するのは、他の科目の基礎となるという理由のほかに、この傾斜配点で点数を取るためというのもあります。
過去問
過去問とは志望校の過去の入試問題のことで、書店にて購入できます。
6年生の秋から取り組みはじめ、第一志望校は5年分、第二志望校以降も数年分取り組めると安心です。
問題傾向をつかめるのが理想ですが、まずは問題形式に慣れておきたいですね。
問題量はどのくらいか、じっくり考える時間はあるのか、解答用紙はどんな形式か……知っていると知らないとでは大きな差がつくことでしょう。
ただし、過去問は学力自体を上げるものではありません。
過去問ばかり解き続けるのではなく、普段の勉強も継続することが大切です。
特別講習(夏期講習など)
特別講習とは平常授業のほかに行われる、期間が決まった講習のことです。
期間や授業数の違いはあるものの、春期講習・夏期講習・冬期講習は多くの塾で行われます。
ゴールデンウィークや正月にも講習を行う塾もあれば、塾ではなく別の場所で合宿を行う塾もあります。
多くは任意参加となっていますが、実際はほぼ全員参加ということも多いようです。
特別講習の内容は平常授業の続きであるものと、復習や志望校対策などで平常授業とは独立しているものとがあります。
授業の内容や周りの様子を見て、参加するかどうかを検討しましょう。
わからない言葉は塾にも聞いてみよう
中学受験には特有の用語が多く、わかりにくいですよね。
わからない言葉はぜひ調べてほしいですが、ややこしければ塾も頼ってください。
私はこういった用語も含めて、塾生や保護者さんにわかりやすく伝え、スムーズに受験を進めるのが塾の役目だと思っています。
用語を知っておくと、志望校を検討するうえで役に立ちますし、塾への相談もしやすくなるかもしれません。
この記事が、志望校選びの参考になれば幸いです。
※中学受験ナビの連載『塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
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