「この飛行機、6畳の“お茶の間”で自作しました」→驚愕の制作現場とは? 型破り機が日本の空を駆けるまでの経緯
- 乗りものニュース |

見た目も立派な飛行機 じつは自作です!!
飛行機といえば多くの人は、轟音を立て物凄いスピードで飛ぶ戦闘機、もしくは乗客を運ぶ大きな旅客機を連想するでしょう。しかし、飛行機には用途や使われ方によって無数の種類があり、その大きさもさまざま。そして、小さいものでは個人が自分の自宅で作ることも可能なのです。その制作現場を見ると、驚きの光景が広がっていました。
飛行中の「ウルトラクルーザー」(布留川 司撮影)。
海外では購入者が組み立てることを前提にした「キット・プレーン」というものが販売されており、それを購入すれば個人が自宅やガレージで飛行機を組み立てて飛ばすことができます。東京都武蔵村山市の藤田恒治さんもそんなひとりで、最初に作った全金属機キット・プレーンは、自宅の6畳のお茶の間で作り上げたそうです。
藤田さんが作った自作機の名前は「ウルトラクルーザー」。アメリカのオハイオ州にあるハンメル・アビエーション(現ハンメル・エアクラフト)が販売しているキット・プレーンです。全長4.9m、全幅7.53m、重量は燃料と乗員を含めても260kgしかなく、地上で機体を移動させる時には、機体後部を持ち上げて人力で押して運ぶことができます。
機体全体は鏡のように磨き上げられており、コックピットは戦闘機のようなキャノピー式となっています。エンジンは航空機用のものではなく、フォルクスワーゲンの自動車用4気筒エンジンを、半分にして加工したカスタムエンジン。出力は約37馬力しかありませんが、それでも飛行中は時速130kmくらいまで加速することができます。
紙飛行機から始まって自作機に行き着く
藤田さんは子供の頃から工作と乗りものが好きで、空の世界に興味をもったときも最初に手にしたのは自分で作れる紙飛行機だったそうです。そして、興味の対象は紙飛行機、ゴムでプロペラを回して飛ぶ模型飛行機、ラジコンへと進化していき、最後は自分が乗って操縦できる飛行機にたどり着きます。
自宅でキット・プレーンを組み立てた藤田恒治さん(布留川 司撮影)。
もっとも、飛行機を飛ばすには操縦ライセンスや手続きが必要となり、費用や手間はこれまでのラジコンのように簡単にはいきません。しかし、マイクロライトプレーン(超軽量動力機)という飛行機であれば、パイロット免許は不要(安全講習受講や自主トレーニングは必須)で、なによりも自作した飛行機を飛ばすこともできると分かり、藤田さんはマイクロライトプレーンの世界に飛び込んでいきます。
最初に購入して作った機体はハンググライダーにエンジンと車輪を付けたような機体でしたが、自身で機体を組み上げて、それを試行錯誤しながら飛ばすという工程が楽しく、藤田さんはマイクロライトプレーンのどんどん世界にのめり込んで行ったそうです。作り上げた機体に慣れてくると、次の別の自作機をキットで購入して組み上げる――。こんな感じで様々な種類のマイクロライトプレーンを自身で製作・操縦したそうです。
ウルトラクルーザー最初に手に入れたのは図面だけ?
そんな藤田さんが今の「ウルトラクルーザー」に出会ったのは2000年頃だといいます。アメリカの自作航空機の雑誌に、開発中のこの機体が紹介されていたのです。
コクピット部分はキャノピーに覆われたクローズ式でカッコよく、なによりも機体全体が金属製で作られていることに惹かれたそうです。「これまでに、羽布張りやプラスチックなどさまざまな材質のキット・プレーンを作ってきましたが、金属が一番丈夫で長持ちすると思っていました。金属製の機体であれば10年どころか50年持つ機体だと思い、ずっと飛び続けるならこんな機体を作りたいなと思ったんです」。
その後、藤田さんは、英語が出来る友人に協力してもらい、Eメールでハンメル氏に連絡を取ります。最初に購入したのは解説ビデオ付きの図面と材料のキットでした。しかし、この時点で図面はすべて完成しておらず、なんと数回に分けて送られてきたそうです。さらに届いた図面とビデオを比べると、いろいろと内容に違いがあり、それだけで飛行機を作るのは困難でした。
最終的に藤田さんはハンメル氏に会いに渡米し、実機を前にハンメル氏から直接説明を受け、必要なパーツ類を購入して日本に送ってもらえることになりました。ちなみに機体一式の値段は当時で150万円(送料込み)程度だったそうです。
6畳の茶の間で製作開始
パーツ一式を入手した藤田さんは、それを自宅の6畳の茶の間にブルーシートを敷いてそこで組み上げていきます。木製素材の場合、木くずや加工で匂いがすることもあるそうですが、金属ならばそれほどゴミが出ないのがその理由だそうです。
機体側面には「ウルトラクルーザー」の名前と、製作者として藤田さんの名前が入れられている(布留川 司撮影)。
パーツは専用の工具が必要な部分以外はバラバラの状態で届き、それを約2年の歳月を掛けて飛行機の形に組み上げたそうです。 「2年間も部屋が飛行機に占拠されて、家族は何も言わなかったんですか?」と藤田さんに聞くと、「2人の子供も独立して子供の部屋も利用できるので問題なかったです」と目を反らしながら答えてくれました。
最初に購入した「ウルトラクルーザー」は2003年に完成します。その後の調整飛行を6年ほど続けて自分の思い通りの飛行機になった頃に、改良されたキット・プレーンを購入して「ウルトラクルーザー」の2号機の製作を開始。今度は茶の間ではなくガレージを作業場にして組み立てたそうです。 2号機は2010年に完成し、いまも藤田さんの愛機として定期的にフライトを楽しんでいるそうです。
マイクロライトプレーンは場外離着陸場などの登録された場所の周辺空域しか飛ぶことができず、機体は移動の手段ではなく、純粋に操縦と飛行を楽しむだけのものです。それゆえに一般航空機よりも手続きは簡易的で、自作機を飛ばすこともできます。
世間では飛行機を操縦する人々をパイロットと一括りで呼んでいますが、実際には仕事や趣味とその飛行機に対する接し方はさまざまです。藤田さんのように飛行機を作ることから始まり、それを操縦するというのは特殊な部類にも思えますが、それらを楽しめることが自作航空機の醍醐味なのかもしれません。
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