子どもに家事&育児を任せて外出…実は違法? 「ヤングケアラー」化を防ぐために大切なこと【弁護士解説】
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子どもに家事や育児などを任せて外出した場合、親は法的責任を問われる?(画像はイメージ)
50年以上前であれば、親が仕事で外出している間、子どもが幼い弟や妹の子守をしたり、家事を担当したりするケースは珍しくなかったようです。ただ、現在では子どもに子守や家事を任せる行為について、ネット上では「ヤングケアラーではないか」「事故があったらどうする」などと批判の声が上がることがあります。
もし2人以上の子どもがいる保護者が上の子どもに対し、幼い弟や妹の子守や家事などを任せて外出した場合、法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。
保護責任者遺棄罪に問われる可能性も
Q.もし2人以上の子どもがいる保護者が上の子どもに対し、幼い弟や妹の子守を任せて留守番させた場合、法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。
佐藤さん「子どもだけで留守番させることについて、日本では法律による規制がなく、基本的に保護者の判断に委ねられています。兄弟姉妹だけで留守番をさせても、子ども1人だけで留守番をさせても、子どもの生命や身体の危険が発生しない場合には、法的責任を問われることはありません。
一方、例えば、真夏の暑い部屋に、クーラーもつけずに長時間、幼い子どもだけで留守番させたようなケースでは、子どもの生命、身体に危険が生じるため、刑法218条に基づき、保護責任者遺棄罪に問われる可能性があります。保護責任者遺棄罪の法定刑は3カ月以上5年以下の拘禁刑です。法的責任が生じるかどうかは、留守番させる状況、子どもたちだけで過ごす時間の長さ、子どもたちの年齢や発達の状況などにより異なります。
兄や姉が、年下の子どもの面倒を十分見ることができる発達状況で、生命、身体に危険が生じる可能性が極めて低いのであれば、買い物などをするために短時間、子どもだけで留守番させたとしても、法的に問題になることは考えにくいでしょう」
Q.親が子どもに料理や洗濯などの家事を任せたまま外出することについてはいかがでしょうか。子どもが何歳以上であれば任せても問題はないのでしょうか。
佐藤さん「子どもに家事を任せることについても、禁じる法律はなく、一律『何歳以上』であれば法的に許されるといった基準はありません。子どもの発達は個人差も大きく、年齢だけで決まるものでもないため、親が子どもの発達状況を踏まえて判断することになります。
ただし、2024年6月に施行された、改正子ども・若者育成支援推進法は、『家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者』を、国や地方公共団体などが各種支援に努めるべき対象としています(同法2条7号)。
具体的には、家事の負担が重く、子どもの遊びや勉強時間が奪われていたり、子どもが家事をしなければ家庭が回らないため、子どもに家事をやらない選択肢がなかったりすると、支援対象になると考えられます。
家庭ごとに状況はさまざまであり、現代社会においても、子ども、特に兄や姉に、弟や妹の世話や留守番、お手伝いをお願いしている家庭は少なくないように思います。一方、それにより、過度に子どもの負担になっているのであれば、子どもの健全な成長を阻害することにもなりかねません。親は、兄や姉も含むすべての子どもの利益のために、子どもを監護する義務を負っています(民法820条)。そうした親を支える社会的仕組みをもっと充実させていくことも重要だと思います」
Q.もし保護者が子どもに幼い弟や妹の子守や家事を任せて外出後、事故が発生したとします。この場合、保護者が責任を問われる可能性はあるのでしょうか。
佐藤さん「保護責任者遺棄罪などに問われる可能性があります。保護責任者遺棄罪は、親など、幼年者を保護する責任のある者が、幼年者を遺棄したり、生存に必要な保護をしなかったりした場合に成立します(刑法218条)。事故が実際に発生していなかったとしても、子どもの生命、身体に危険を生じさせる状況で放置すれば、罪に問われる可能性があります。実際、子どもだけで家にいさせた事案で、子どもにけがはなく、虐待の痕跡も見つかっていないケースでも、逮捕に至ったことがあります。
先述したように、罪に問われるかどうかは、留守番させる状況、子どもたちだけで過ごす時間の長さ、子どもたちの年齢や発達の状況などにより異なります。例えば、『子どもにスマホを持たせている』『見守りアプリで家の様子を確認していた』『近所に親戚がいる』など、子どもを一定の範囲で見守りながら、留守番させていたとしても、直ちに罪に問われなくなるわけではありません。
これらの事情があったとしても、家の中で何かあったとき、親が遠くにいたり、親戚が家の中の異変に気付けなかったりすれば、事実上対応できないので、子どもの生命、身体に危険を生じさせる状況であったとして、罪に問われる可能性があります。
実際に、親が家を空けている間に事故が発生し、子どもが死傷すれば、さらに重い保護責任者遺棄致死傷罪に問われる可能性があります(刑法219条)」
Q.本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども・若者を指す「ヤングケアラー」が社会問題化しています。ヤングケアラーに関してはどのように感じていますか。弁護士の観点で教えてください。
佐藤さん「法律では、『ヤングケアラー』という言葉は使われていませんが、先述のように、子ども・若者育成支援推進法は、いわゆるヤングケアラーに当たる『家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者』について、支援対象として定めています。
家事や子守りなどに追われ、忙しくしている子どもたちは、その生活が当たり前になってしまい、遊びに行けないこと、勉強に充てる時間がないことを『仕方がないこと』だと受け入れて、自身が支援の必要なヤングケアラーであるという自覚がないことも少なくありません。『疲れたら、困ったら、大人に相談してよいのだ』ということを子どもたちに伝え、相談窓口を周知することや、周囲の大人が、子どもの疲れや困り感を察知したら、自治体の相談窓口などに相談することが大切です。
ヤングケアラーの問題に関して、親を責める風潮がありますが、さまざまな家庭の状況がある中、社会が親を責めても問題は解決しません。子どもを守るためには、家庭全体を支援する視点が重要になると思います」
オトナンサー編集部
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