「爪」表面に縦線、横線…ひょっとして病気のサイン? 気になる疑問を医師に聞く
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爪の表面に縦線や横線のようなものが生じたり、表面がデコボコしたりするようになり、不安に感じたことはありませんか。ネット上では「爪を見ると健康状態が分かる」という内容の情報がありますが、爪の表面に何らかの異常が出た場合、病気の可能性はあるのでしょうか。形成外科医の高田女里さんに聞きました。
鉄分不足で「二枚爪」になることも
Q.そもそも、ネット上では「爪を見ると健康状態が分かる」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。
高田さん「爪の状態で、体の健康状態のすべてが分かるわけではありませんが、特定の病気の特徴として爪に変化が出ることがあります。例えば、栄養不足や体調不良に陥ると、爪の色や形に変化が生じることがあります」
Q.爪の表面に縦線や横線のようなものが入っていることがあります。このような場合、体にどのような異変が生じている可能性があるのでしょうか。病気の可能性も含めて、教えてください。
■爪の表面に現れる縦線について
「爪甲」(爪全体)に縦線(縦筋)のようなものが現れる現象は、「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」といわれています。一般的には正常な現象で、年齢とともに目立つようになります。50歳以上の人は爪甲縦条が目立つことが多いです。
このほか、乾燥が原因で爪甲縦条が生じることもありますが、保湿を心掛けることで改善する場合があります。また、自分だけでなく家族の爪にも爪甲縦条が見られる場合、遺伝の可能性も考えられます。
このように、爪甲縦条は基本的に病気のサインではないため、心配することはありません。
■爪の表面に現れる横線について
爪の根元の「爪母」に何らかの障害が起こって爪甲の成長が一時的に抑制されると、爪甲に横線(横筋)のようなものが生じることがあります。
体の全ての爪に1本の横筋が出る現象を「ボー線条」といい、発熱性の疾患や感染症、糖尿病、薬剤の影響、出産、亜鉛欠乏症などが原因で起こるとされています。「爪をかむ」「外部から衝撃が加わる」などの外傷によって、爪に横線や横溝が生じることもありますが、その場合は外傷を受けた爪のみに生じます。
Q.爪の薄皮が剥がれる“二枚爪”になったり、爪の表面がでこぼこしたりすることがあります。このような場合、体にどのような異変が生じている可能性があるのでしょうか。
高田さん「爪甲の先端が薄く剥がれる症状のことを『爪甲層状分裂症』(俗称は二枚爪)といいます。爪の水分含有量の低下や爪先に力が加わったことなどが原因と考えられています。季節でいうと、空気が乾燥する冬に生じる傾向にあります。また、鉄欠乏性貧血で爪甲層状分裂症が生じることもあるので注意が必要です。この場合、鉄剤による治療を行うことがあります。
マニキュアを落とすために除光液を使い過ぎると、爪甲内の保湿成分が少なくなり、爪甲の表面が剥がれやすくなります。そのため、除光液の頻繁な使用を避ける必要があります。水仕事が多い人も爪甲層状分裂症を発症しやすいので、作業時は手袋を着用するのがお勧めです。気になる場合は1日数回、爪甲に保湿剤を塗って予防に努めるのがよいでしょう。
また、爪の表面にでこぼこができる現象を『波板状爪(洗濯板状爪)』といいます。波板状爪が生じる原因として、爪の根元の皮膚部分の『後爪郭部』が関係している可能性が考えられます。例えば、他の指で親指の後爪郭部を後ろに押すように触る癖があると、生じることが多いです。波板状爪になると、後爪郭部の皮膚が少し厚くなり、爪の根元にある白い半月状の『爪半月』が大きく見えるようになります。
波板状爪の治療法ですが、ステロイド含有外用剤を後爪郭部から指先の方向に向かって塗ります。こうすることで、爪甲は根元の部分から次第に正常な状態に戻ります」
Q.爪の色が黄色や茶色など、通常とは異なる色に変わることがありますが、どのような原因が考えられるのでしょうか。
高田さん「体のすべての爪が黄色っぽくなり、伸びなくなった場合は『黄色爪症候群』の可能性があります。黄色爪症候群の原因はよく分かっていません。
黄色爪症候群の初期症状は爪の色の変化ですが、足がむくんだり、肺の周囲の空間の胸腔(きょうくう)に液体がたまったりすることもあります。ちなみに、白癬菌の感染によって生じる『爪白癬』(俗称は爪水虫)の場合、体の全ての爪が黄色くなることは基本的にありません。
爪が部分的に茶色くなった場合ですが、子どもと大人とで判断が異なります。幼少期に爪に色素が生じることがまれにあり、その多くはがんではなく、いわゆるホクロに近い状態と考えられています。成長とともにだんだん色が薄くなり、思春期を過ぎた頃には色が目立たなくなることが多いとされています。
一方、青年期以降で爪に茶色い色素が生じた場合、『生理的に爪に色が付きやすい』『爪のがん(ボーエン病、悪性黒色腫)』などの可能性があります。
複数の爪に茶色い色素が生じる場合は、生理的に爪に色が付きやすいケースが多いですが、1つの爪に茶色い色素が出てきて、その幅がだんだん広がってきた場合はがんの可能性も考えられます。皮膚科を受診するのをお勧めします。
皮膚科医は、患者から爪の色素が生じた時期や経過を詳しく聞いた上で、色素の状態を把握した後、『ダーモスコピー』という特殊な拡大鏡を使って色素の濃淡や幅などを精査します。
その結果、『放置しても問題ない』『慎重な経過観察が必要』『さらなる検査が必要』『爪の悪性腫瘍と考え、手術などの治療が必要』などを判断します。
爪の悪性腫瘍が進行してしまうと、症状が出た爪の指を切断しなければならなくなる場合があります。早期の症状であれば指の切断を回避できるため、爪の色がおかしいと感じたら、早めに皮膚科を受診するのをお勧めします」
【参考文献】
・日本皮膚科学会の公式サイト
・埼玉県皮膚科医会の公式サイト
オトナンサー編集部
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