SNS「理解できない」と批判 クマ駆除した自治体へ「かわいそう」と抗議する人ってどんな心理状態?【精神科医が分析】
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近年、北海道や東北地方を中心に、人が山林や市街地でクマに襲われる被害が相次いでいます。秋はクマが冬眠に備えて食欲が旺盛になる季節といわれており、注意が必要です。猟友会が人に危害を与えたクマを駆除すると、駆除を依頼した自治体に対して「クマを殺すのはかわいそう」「クマの命も大切だ」などと苦情が殺到するケースがあり、SNS上では「理解できない」「不思議」「感情論だけでしゃべるな」などの声が上がっています。
人に危害を加えたクマが駆除されたときに「かわいそう」と感じる人にはどのような心理が働いているのでしょうか。ライトメンタルクリニック(東京都新宿区)理事長で精神科専門医、精神保健指定医の清水聖童さんに聞きました。
駆除という加害性から距離を取りたいという心理も
Q.人に危害を加えたクマが駆除されると、自治体に対して「クマがかわいそう」「クマの命も大切だ」などと苦情が殺到するケースがあります。クマが駆除された際に「クマがかわいそう」と苦情を言う人にはどのような心理が働いているのでしょうか。
清水さん「『クマがかわいそう』と感じる心理には、次の側面が関係していると考えられます」
(1)擬人化などによる共感性の高まり
主にSNSやメディアにより、クマのかわいらしい姿のイメージが強化されることなどを通じて、クマを人間的な存在として捉える、いわゆる擬人化の傾向が進むと、クマが感情を持つ愛すべき動物として認識されやすくなります。この結果、本来は人間に危害を加え得る動物であるはずのクマに対しても、守られるべき存在としての共感が高まりやすくなります。
(2)加害性から距離を取りたいという心理
駆除が人間の都合による殺生と映ると、自分も加害側の一員と感じてしまうため、罪悪感を回避しようとする心理が働きます。「かわいそう」と感じることは、内面的な負担を和らげる役割を果たします。
(3)自己の価値観や社会への問題意識の投影
命の尊重や自然との共生といった価値観を重視する人は、リスクよりも倫理的な視点を優先します。また、クマを弱者と見立てて、クマ側に立つことで、社会の中での無力感や理不尽さへの不満を表現する人もいます。
Q.「クマを駆除すべき」と主張する人と「クマを駆除するのはかわいそう」と主張する人とでは、心理的にどのような違いがあるのでしょうか。
清水さん「両者の違いは、どの心理的側面を優先するかにあります。『クマを駆除すべき』と考える人は、リスク認知や問題解決的思考を優先します。つまり、人命や地域社会の安全を第一に考え、現実的な対応を重視します。このように、感情よりも合理的な判断を基準にしやすい傾向にあります。
一方、『クマを駆除するのはかわいそう』と考える人は、共感性や倫理的価値を優先します。クマへの感情移入や、命の尊重といった価値観が、リスク評価よりも強く働きます。特に、自分が直接被害に遭っていない場合は、感情が優先されやすくなります」
Q.クマの駆除について、自治体に「かわいそう」と苦情を言うような人が周囲にいたとします。この場合、その人とどのように接すればよいのでしょうか。
清水さん「まず、相手の感情を一方的に否定しないことです。感情の軽視や正論の押し付けといったような態度が伴う接し方は避けるべきです。対話の機会があるのであれば、あくまで相手の背景にある価値観や感情を尊重する姿勢を保ちつつ、建設的な会話を心掛けることが重要と考えます」
オトナンサー編集部
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