電車内で相次ぐ「モバイルバッテリー」発火…被害出たら、持ち主が“賠償責任”負う? 弁護士に聞く
- オトナンサー |

東京都杉並区のマンションで9月25日、モバイルバッテリーから出火したとみられる火事が発生し、住人の女性を含む男女6人が軽傷を負ったと新聞やテレビなどで報じられました。
また、同月26日には、成田空港と都心を結ぶ成田エクスプレスの車内でモバイルバッテリーから発煙があったと報じられたほか、7月にはJR山手線の車内で、8月には東海道新幹線と上越新幹線の車内で、それぞれ乗客が所持していたモバイルバッテリーが発火する事故が発生しています。住宅や電車内などでモバイルバッテリーの発火事故や発煙事故が相次いでいる件について、SNS上では「本当に怖い」「モバイルバッテリーの火災が多い」「(モバイルバッテリーが)発火したらどうしよう」「今まで発火事故を起こしたモバイルバッテリーのメーカーやモデル名を公表してほしい」などの声が上がっています。
もし公共施設や商業施設などの建物内、電車内でモバイルバッテリーが発火し、建物が焼損したり、電車の運行に支障を与えたりした場合、持ち主が法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
モバイルバッテリーを不適切に扱うと所有者が賠償責任を負う可能性
Q.そもそも、家電製品の発火事故が起きた場合、基本的に製造者の責任となるのでしょうか。
牧野さん「その通りです。モバイルバッテリー製品に通常有すべき安全性の欠如(欠陥)があり、そのことが原因で事故(損害)が発生した場合には、製造物責任法(PL法)に基づきモバイルバッテリーの製造者や輸入業者(同法2条3項1号)が損害賠償責任を負うことになります(同法3条)。製造物責任者に輸入業者が含まれているのは、日本の消費者が海外の製造者を訴えることを期待できない事情から製品の輸入業者が含まれたという経緯があります。
『通常有すべき安全性の欠如=欠陥』とは、具体的に安全基準を満たさない、通常の使用下で自然に発火・爆発する欠陥、あるいは、設計段階で安全対策が不十分な状態を言います。ただ、所有者(使用者)が製品を不適切な方法で使った場合、所有者が損害賠償責任を負う可能性があります」
Q.では、もし公共施設や商業施設といった建物内や、走行中の電車内などでモバイルバッテリーが発火し、建物や電車が焼損したり、電車の運行に支障を与えたりしたとします。モバイルバッテリーの不適切な使用が原因で発火した場合、所有者が賠償責任を負うということでしょうか。
牧野さん「はい、モバイルバッテリーの誤った使い方が原因で発生した損害については、所有者が損害賠償責任を負う可能性があります。具体的には、モバイルバッテリー製品の取扱説明書に記載されている方法以外のやり方で充電したり、製品に強い衝撃を与えたり、メーカー指定以外の非純正充電器を使用したりした場合などです。
商業施設内や電車内などで手持ちのモバイルバッテリーが発火し、それが原因で商業施設や鉄道会社が、原状回復に必要な費用をかけたり、施設や電車を利用できないことによる逸失損害を被ったりした場合、モバイルバッテリーの製造者・輸入業者や所有者は、製品の安全性欠如やユーザーの不適切な使用を根拠に損害賠償責任を負う可能性があります。
先述の内容と重なりますが、モバイルバッテリー製品の安全性欠如(欠陥)により火災と損害が発生した場合、製品の製造者や輸入業者が被害者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。また、製品の安全性欠如(欠陥)と所有者の不適切な使用の両方が原因で火災と損害が発生した場合には、製造者・輸入業者と所有者の両者が連帯して損害賠償責任を負う可能性があるのです」
Q.モバイルバッテリーを誤ってぶつけたり、床に落としたりしたことが原因で発火した場合についてはいかがでしょうか。製品の所有者が賠償責任を負う可能性が高いのでしょうか。
牧野さん「モバイルバッテリーを床に落とすことも十分想定されるため、モバイルバッテリーの製造者は、『製品に強い衝撃を与えると発火の恐れがあるので強い衝撃を与えてはいけない』という警告を取扱説明書や警告書などに記載し、所有者に周知する必要があります。そうした警告が不十分であれば製造者や輸入業者は製造物責任法に基づく損害賠償責任を負うことになります。
そうした消費者への警告にかかわらず、所有者がうっかり床に落としてしまい、発火してしまった場合には、製品の安全性欠如と所有者の不適切な使用の両方が原因で火災と損害が発生したとして、製造者と所有者の両者が連帯して損害賠償責任を負う可能性があります」
オトナンサー編集部
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