なぜ空母の甲板は2種類ある? 空母化した「かが」が米原子力空母と違う形の理由
- 乗りものニュース |

艦上機のジェット化が変えた空母の形
昨年(2025年)は、年初にフランスの原子力空母「シャルル・ド・ゴール」が日本近海まで来航し、空母化改装となった海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦「かが」やアメリカ海軍の原子力空母「カール・ビンソン」と3か国共同訓練を行ったのを皮切りに、夏にはイギリス空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が来日、東京港に寄港しました。
護衛艦「かが」の甲板上に並んだアメリカ海兵隊のF-35B戦闘機。これらは山口県の岩国基地に所在する海兵隊第242海兵戦闘攻撃飛行隊の所属機である(画像:アメリカ海兵隊)
一方、中国の最新空母「福建」が就役したり、既存の空母「山東」「遼寧」が小笠原諸島沖合まで進出したりするなど、日本の周辺で各国空母が話題になる年でもありました。
ただ、空母とひと口に言っても、アメリカや中国、フランスの空母を上から見ると、飛行甲板が左舷側へと斜めに大きく張り出しています。その一方で、イギリスの「プリンス・オブ・ウェールズ」や日本の「かが」はそういった張り出しがありません。
米中仏などのような斜めに張り出した形状のものは「Angled(角度のある)」という単語を付けて「アングルドデッキ」と呼ばれます。一方、そうした張り出しのない飛行甲板は「ストレートデッキ」といいます。なぜ、2種類あるのでしょうか。もっというと、なぜ「かが」は米空母のような形状にしなかったのでしょうか。
80年前、日・米・英の空母保有3大国が戦った第2次世界大戦では、アングルドデッキを備えた艦はなく、各国の空母ともストレートデッキでした。そして、飛行甲板のほぼ中央から艦尾寄りにかけて設けられた起倒式のバリアーを起こすことで、飛行甲板を前後に分けられるようになっており、これを使って前半は発艦甲板、後半は着艦甲板にするといった使い分けが可能でした。イメージするなら、テニスコートのネットのような感じです。
アングルドデッキの生みの親はイギリス人!?
当時の艦上機はレシプロエンジンが1発で、かつ機体も比較的小型だったため、たとえ着艦フックで制動索を捉え損ねても、軽量なのでバリアーに突っ込ませれば止めることができました。また、発艦作業に専念する際には、バリアーを倒して飛行甲板の後半に発艦準備が整った機体を並べて順番に発艦させ、逆に着艦作業に専念する際には、飛行甲板の後半に着艦した機体を、前半に移してから格納庫甲板に収納するといった運用も可能でした。
初めてアングルドデッキを装着した米空母「アンティータム」(画像:アメリカ海軍)。
しかし戦後、艦上機のジェット化が進むと、従来のストレートデッキでの運用には問題が出てきました。当時のジェットエンジンは、それまでのレシプロエンジンに比べてスロットルの応答が遅かったので、ウェーブ・オフ(着艦復航)となった場合に上昇が間にあわず、バリアーに突っ込む可能性がレシプロ機よりも高かったのです。
加えて、着艦速度が速いうえに機体重量も重いので、着艦に失敗した機体だけでなく飛行甲板上に並んだ他機や兵装類、支援車両や兵員なども巻き込み、事故を大きくする心配がありました。
こうした問題を解決しようと1952年、イギリス海軍のデニス・キャンベル大佐と王立航空研究所のルイス・ボディントン海軍航空部長は、空母「トライアンフ」の飛行甲板の艦尾側から左舷側の艦首のやや手前にかけて、斜めの着艦ラインをペイント。艦上機を飛行甲板に対して後方から斜めに着艦させる実験を行い、好結果を得ました。
これを受けて、アメリカ海軍が「エセックス」級空母の1隻である「アンティータム」を改造して実際にアングルドデッキを装着。実艦と実機による実験を実施し、その効果を証明したのです。
こうして、以後の空母では、アングルドデッキはなくてはならない装備となり、新造空母では標準となりました。
空母化しても「かが」の飛行甲板が斜めにならない納得の理由
では、なぜ昨今のイギリス空母、具体的には「クイーン・エリザベス」や「プリンス・オブ・ウェールズ」はアングルドデッキではなく、ストレートデッキなのでしょうか。それは両空母だけでなく、その前に建造されたインヴィンシブル級軽空母、さらにはイタリア空母の「カヴール」など含め、垂直・短距離離着陸を行うSTOVL機を運用するからです。
イギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス」。張り出しはあるものの、ストレートデッキだ(画像:イギリス海軍)
STOVL機の代表的なモデルには「ハリアー」やF-35B「ライトニングII」がありますが、これらは着艦時は排気ノズルを下方に向け、垂直で降りてきます。よって、制動索やネットバリアー、さらには一定の距離の滑走スペースも必要ありません。
そのため、わざわざ離陸用の甲板スペースとは別に、着艦用の甲板スペースを設ける必要がないことから、アングルドデッキとはなっていないのです。同様の理由でアメリカ海軍の強襲揚陸艦なども飛行甲板はストレートデッキです。
海上自衛隊の「かが」も艦上機の主力はF-35Bです。ゆえに現在、改装中の「いずも」もストレートデッキ構造が踏襲されます。
空母のアングルドデッキとストレートデッキの違い、それは搭載する艦上機が、着陸時に一定の滑走距離が必要な機体なのか否かで形状が異なる、そういうことになります。
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