90年代の秋葉原ファンは全員思い出す? 不毛地帯なのは「食」だけじゃなかった!
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不毛地帯っぷりは「食」だけなかった
1990年代前半――。上京したばかりの筆者は当時、「生活に必要な家電は秋葉原で買うものだ」と思い、早速出掛けました。
現在秋葉原を歩くと、メイドのコスプレをした女性たちが路上でビラをよく配っていますが、当時はメイドカフェのような店はなく、その代わりにビラを配っていたのはバッタ屋(正規ルートを通さずに仕入れた物を安く売る商人)でした。
Windows95が1995(平成7)年に発売されて、パソコンがブームになり始めた頃、パソコンを買おうと訪れたのも秋葉原でした。そんな時代の秋葉原に欠けていたのは、「食」と「トイレ」です。食の不毛地帯っぷりは、漫画『孤独のグルメ』の17話「東京都千代田区秋葉原のカツサンド」でも描かれていて、わりと有名なため、今回はトイレについて書きます。

秋葉原は、とにかくトイレにたどり着くのが困難な街でした。1991年に家電量販店「シントク」が、当時の国内最大級となるオーディオビジュアル(AV)ソフト専門店をオープンさせて注目されました。なお、シントクは現在の「セガ秋葉原1号館」(千代田区外神田1)に本店がありました。
そんな時代の最先端を走っていた同店のフロア構成でも、
「各階にトイレを設置するなど、女性、ファミリーという秋葉原市場の新しいターゲットを顧客化できる設計としたのが特徴」(『流通サービス新聞』1991年8月30日付)
と書かれていることからも、他の店舗のトイレがいかに少なかったかがわかります。
過去の雑誌からたどる秋葉原の実情
過去の記事を調べたところ、秋葉原のトイレ事情をわざわざ調査している記事を発見しました。
『SPA!』1992年1月29日号では、芳林公園(千代田区外神田3)にトイレがあると触れていますが、「電気街から遠い」と読者に注意を呼びかけています。現在の感覚では電気街のなかにある公園というイメージですが、当時の電気街では「外れ」として扱われていたことがわかります。

この記事が薦めるのが石丸電気(現・エディオン)のトイレで、「店員がお客より先に声を掛けないので気がラク」としています。確かに、石丸電気は気を遣わずに使いやすいと混雑していたのを筆者も覚えています。
1992年1月29日号では簡単に触れられているだけだったトイレ事情ですが、1995年2月16日号ではさらに情報が強化されています。
これによると、秋葉原の公衆トイレは駅前のスケートボード広場と芳林公園のふたつとしていますが、「芳林公園のほうは、緊急の場合以外、とても入る気にはなれない」とのことで、お店のトイレを推しています。
ちなみに『SPA!』のお薦めは、石丸電気とラオックスのコンピューター館。後者は2階から6階まで各階に設置しており、便利である一方、面積が狭いことが弱点と指摘しています。対して石丸電気本店と1号店は広く、蛇口からお湯が出ると書いています。
ただラオックスも劣っているわけではなく、本館の地下には女性用の「ナショナル・ビューティートワレ」が設置されており、気に入れば同じフロアで買えるとしています。
さらに、オノデンの2階とT-ZONEミナミ3階のトイレも洗浄機能と暖房の付いた便座になっているとあります。秋葉原でまともに使えそうなのはこのくらいで、ほかの店はビルの中に1か所、男女共用など散々だったようです。
とにかく「買い物を楽しみながらもトイレは要注意」が、秋葉原の歩き方の基本だったのです。
動き出した東京都
そんな秋葉原の事情が大きく変わったのは、2006(平成18)年10月に千代田区が1億円をかけて設置した、有料公衆トイレ「オアシス@akiba」が開設されてからです。
このトイレはスタッフが常駐し、100円で利用できるという便利なものでした。当時は有料トイレがまだ少なかったことから、先行きは不安視されていましたが、常にきれいで快適なことから瞬く間に人気となりました。

時を同じくして、都内では公衆トイレの整備が飛躍的に進んでいました。同年7月に東京都は「トイレ整備指針」を策定。400~500mおきにトイレを配置し、空白地帯の解消を提言しています。これをきっかけに、トイレ問題を解消する機運が盛り上がったのです。
かつて銀行は防犯上の観点からトイレを貸さないのが当たり前でしたが、この頃から新設店舗にトイレが設置されるようになりました(『東京新聞』2006年10月17日付朝刊)。また、コンビニエンスストアでもトイレは必須の設備となっていきました。
海外と比較して公衆トイレが充実している東京。そんな街づくりがなされたのは、意外にも最近のことだったのです。
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