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ひきこもり19歳長男、重い「強迫性障害」でも障害年金は対象外? 母の絶望を救った社労士の“意外な一言”

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ひきこもりの人の中には強迫性障害、パニック障害、不安障害などの精神疾患を抱えている人も(画像はイメージ)
ひきこもりの人の中には強迫性障害、パニック障害、不安障害などの精神疾患を抱えている人も(画像はイメージ)

ひきこもりの人の中には強迫性障害、パニック障害、不安障害などの精神疾患を抱えている人も(画像はイメージ)ひきこもりの人の中には強迫性障害、パニック障害、不安障害などの精神疾患を抱えている人も(画像はイメージ)

 筆者のファイナンシャルプランナー・浜田裕也さんは、社会保険労務士の資格を持ち、病気などで就労が困難なひきこもりの人を対象に、障害年金の請求を支援する活動も行っています。

 浜田さんによると、精神疾患の中には障害年金の支給対象外になりやすい疾患があるということです。つまり、仮に症状が重かったとしても、障害年金が認められる可能性が低いのが現状です。ひきこもりの人の中には、こうした精神疾患を抱える人もいるため、家族にとっては深刻な問題と言えます。

 障害年金の受給の可能性を少しでも高めるために、何か手立てはないものなのでしょうか。浜田さんがある家族をモデルに解説します。

障害年金の対象外となってしまう理由とは

 19歳の小林颯太さん(仮名)は、小学5年生だった10歳ごろから家にひきこもるようになり、13歳ごろに精神科を初めて受診。その後も通院を続けてきましたが、いまだ社会復帰の見通しが立っていないということです。颯太さんは13歳ごろに初診があるので、20歳になったときに障害基礎年金を請求することができます。

 母親は20歳の請求に向けて準備をしていたところ、思わぬ事態が発生してしまいました。

「長男は障害基礎年金を受給することが難しいかもしれない」

 そう思った母親は、専門家である私に相談しました。

 私との面談の席で母親は言いました。

「長男は強迫性障害の診断を受けています。インターネットで調べてみたのですが、強迫性障害では障害基礎年金の受給が難しいとありました。それは本当でしょうか」

「はい。残念ながらその通りです。なぜなら厚生労働省の見解によると『神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない』となっているからです。ここでいう神経症とは例えば、強迫性障害、パニック障害、不安障害などです。仮にこれらの神経症で障害基礎年金を請求しても、受給が認められる可能性はかなり低いと言わざるを得ません」

「そうなのですか…。長男の強迫性障害はかなり重いと思われるのですが、それでも駄目なのでしょうか」

 母親が言うには、颯太さんの症状は次のようなものでした。

 1日に何度も手洗いを繰り返し、そのたびに新しいタオルを使用。1日に20枚以上のタオルを使い切るため、母親はその洗濯に追われる日々なのだそうです。

 また、ダイニングテーブルを除菌シートで何度も拭き上げ、食器の使い回しを嫌がります。紙皿の上にラップシートを敷く徹底ぶり。ラップシートのおかげで紙皿が汚れることはありませんが、それでも「一度使ったもの」として紙皿は毎回新しいものを使用しています。

 風呂やトイレは終わってからのこだわりが強く、風呂では蛇口の向きやタオルの掛け方、排水口の汚れなどを気にしてしまいます。トイレではトイレットペーパーの切り口、スリッパの位置などが気になるようで、自分の納得がいくまで何度も同じ行動を繰り返してしまうそうです。

 このような行動が強く現れるようになったのは、新型コロナウイルスが日本でもまん延した2020年ごろからとのこと。颯太さんがとてもつらそうだったので、母親は颯太さんが13歳の頃に精神科を受診させました。そこで強迫性障害と診断されました。

 母親の話を聞く限り、颯太さんの強迫性障害は重いように感じられました。この状態だと、就労は困難と言えます。

 しかし、それでも障害基礎年金が認められる可能性は低いことでしょう。私がそのことを伝えると、母親は肩をがっくりと落としました。

「そんな…。長男はもう障害基礎年金を受給することはできないのでしょうか。何かよい方法はないのでしょうか」

 母親はすがるような目を向けてきました。

強迫性障害と関係性のある別の障害で請求を検討

 そもそも颯太さんはなぜ小学5年生の頃にひきこもるようになったのか。この当時、颯太さんは強迫性障害を発症していません。

「ひょっとしたら他に何か理由があるのではないか」

 そう思った私は、解決の糸口を探るため、颯太さんの幼少期から小学校時代について、母親からさらに詳しく話を聞きました。

 すると、次のようなことが分かりました。

 颯太さんは小さい頃から人と関わることが苦手で、相手の目を見て話すことがほとんどなかったそうです。幼稚園に通う際、いつも同じ道を通ることに強いこだわりを持っていました。母親が「今日は違う道から行こう」というと、颯太さんは大声で泣きだし、強い拒否を示していたそうです。幼稚園では、他の子と一緒に遊ぶよりも、一人遊びを好んでいました。

 小学校に上がると、クラスのどのグループにも入ることができず、勉強も運動も苦手だったため、からかいの的になってしまいました。その結果、小学5年生の時に不登校となり、そのままひきこもりになってしまったそうです。

 これらのエピソードから、どうやら颯太さんには発達障害の傾向があるものと推測できます。しかし、颯太さんは発達障害の検査を受けたことはなく、その診断も受けていないとのこと。

「もし、息子さんに発達障害があった場合ですが」と前置きをした上で、私は次のような説明をしました。

「障害年金の診断書に記載される主たる病名が強迫性障害だけだと、国は障害基礎年金を認めてくれない可能性が高いです。ですが、主たる病名の欄に発達障害と強迫性障害の2つが記載されていれば話は別です。発達障害も強迫性障害もどちらも脳のご病気(精神疾患)です。どちらも『こだわり』が強く出てしまうことがあり、さらにこの2つは併存してその症状が現れることもよくあります。ここまではよろしいでしょうか」

 母親は大丈夫というようにうなずいたので、私は説明を続けました。

「そこで『幼少期から発達障害の傾向があり、現在は強迫性障害だけでなく発達障害でも苦労している』といったことを医師と国に主張することにしましょう。発達障害と強迫性障害の2つで障害基礎年金の請求ができれば、受給の可能性はゼロではありません。そのためには、次のような手順を踏む必要があります」

 私が母親に説明した手順は次の通りです。

(1)颯太さんが発達障害の検査を受ける
発達障害の可能性がある場合、(2)へ進む。

(2)発達障害により、幼少期から現在までどのような困難さを抱えてきたのかを文書にまとめる

(3)20歳前後の日常生活の困難さを文書にまとめる
日常生活の困難さは、発達障害に関するものを中心にまとめていくこと。

(4)医師に文書を見てもらう
文書を渡した後、事情を説明。診断書は、発達障害と強迫性障害の2つを併記したもので作成してもらえないか依頼してみる。

 すると母親は言いました。

「これらをクリアすれば、長男は障害基礎年金が認められるのでしょうか」

「実際に請求してみないことには、結果がどうなるのかは分かりません。いずれにせよ、こちら側でできることはすべてやり切りたいところです」

 母親はさらに質問しました。

「発達障害に関することを文書にまとめるとありますが、何をどのようにまとめればよいのでしょうか」

「息子さんの同意が取れれば、文書作成は私もご協力いたします。ご安心ください。私がお母さまにご質問をしますので、それにお答えいただくだけで大丈夫です。障害基礎年金の請求は20歳以降になるので、時間はあと1年くらいあります。それまでに少しずつ準備していくことにしましょう」

「はい。分かりました。長男にも伝えてみます」

 面談後、母親は颯太さんに事情を説明。無事に颯太さんから同意を得ることができました。

 その後、颯太さんは検査を受け、発達障害の一つである「自閉スペクトラム症」の傾向が強いことが判明しました。その結果を踏まえ、私は颯太さんの幼少期から現在までの様子および日常生活の困難さを文書にまとめる作業に入りました。

 そうこうしているうちに、颯太さんは20歳に近づいてきました。

 母親は颯太さんの受診に同席し、医師に文書を渡すとともに事情を説明。無事、発達障害と強迫性障害が主たる病名となった診断書を入手することができました。その後、その他の必要書類をそろえた私は、速やかに障害基礎年金の請求をしました。

 請求から3カ月が経過した頃。母親から「無事に障害基礎年金が認められた」との連絡を受けました。

「もし何も対策をせずに強迫性障害だけで請求をしていたら、残念な結果になっていたと思います。このたびはご協力いただき、本当にありがとうございました」

 母親の報告を受け、私は胸をなで下ろしました。

社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也

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