韓国初のオリジナル戦闘機「これ、ステルス機なんですか?」開発元を直撃! 傍らには発展型まで展示
- 乗りものニュース |

韓国初の国産戦闘機の実力は?
KF-21「ボラメ」は、韓国の国防科学研究所(ADD)と韓国航空宇宙産業(KAI)が開発している戦闘機です。韓国が初めて独自開発したオリジナル戦闘機ということから、隣国である日本でもさまざまな意味で注目されている機体です。
正面から見たKF-21の試作機。機体表面は突起部分が多いが、垂直尾翼が外側に傾いているのが分かる(布留川 司撮影)。
この戦闘機は2022年に初飛行し、これまでに6機の試作機(2機が複座型)が製作されています。韓国空軍は2025年11月現在、40機の導入を正式に決めており、最終的には120機まで増える見込みです。量産機の生産もすでに始まっており、2026年末頃に最初の機体が韓国空軍へ納入される予定です。
KF21の一番の特徴はステルス戦闘機によく似た外見でしょう。ステルス戦闘機はレーダーで捉えにくい特性も持つことから、世界の最新鋭戦闘機に共通する技術的トレンドともなっています。実際、日本の航空自衛隊が導入を進めるアメリカ製のF-35「ライトニングII」にも付与されているほか、イギリスやイタリアと共同開発している次世代戦闘機「GCAP」でも必須の能力とされています。
翻って、KF-21は機体後部の垂直尾翼は外側に傾き、機体胴体とキャノピーは正面から見ると縦長の菱形に近い形状をしています。これはレーダー電波を照射された際に、その反射波を特定方向に限定しRCS(レーダー反射面積)を低減させて探知を逃れるためのデザインであり、ステルス性を意識した機体設計だといえます。
しかし、実のところKF-21のステルス性はどの程度なのでしょうか。今年(2025年)10月に韓国で開催された防衛展示会「ソウル ADEX 2025」にて、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は開発・生産元であるKAIの関係者に直接聞いてみました。
欧州戦闘機よりは見つかりにくい
「ソウル ADEX 2025」の会場にいたKAIの関係者に「KF-21はステルス機なのですか?」とストレートに聞くと、「ステルス技術が適応されています」と答えてくれました。
「ソウル ADEX 2025」にてデモンストレーション飛行するKF-21の試作5号機(布留川 司撮影)。
KAIの説明によると、相手からの探知を逃れるための基準として、RCSや機体からの赤外線放出を低減して探知されにくい機体をRO(Reduced Observability:被探知性の軽減/低減)と呼び、ステルス機のように低視認性を設計に盛り込んだ機体をLO(Low Observability:低被探知性)やVLO(Very Low Observability:極低被探知性)と呼ぶそうです。
そして、「ラファール」やF/A-18E/F「スーパーホーネット」、「ユーロファイター」などの第4.5世代戦闘機はRO、F-35やF-22のようなステルス戦闘機はLOやVLOに分類されます。
KF-21はステルス機ではないもののROを想定した設計であり、さらにRCSで比較すると「ラファール」や「ユーロファイター」よりも低いと述べていました。つまり、高度なステルス性はないものの、非ステルスの現役戦闘機と比べたらレーダーには探知されにくい機体ということになります。
また、KF-21は現時点では完全なステルス機ではありませんが、研究中の「ブロックIII」と呼ばれるアップグレード型では、機体内部に兵器類を収納できるウェポンベイが新たに追加されるため、F-35のような完全なステルス機になる模様で、メーカーでもそれを目指しているとのことでした。
ステルス機へのアップグレードも想定
一般的に非ステルス機として開発された戦闘機を、後付け的な機能追加でステルス機に改良することはできません。しかし、KF-21は開発段階からROを考慮し、胴体下部には将来、ウェポンベイを追加することを考慮して、そのための空間的な余裕もあらかじめ設けていることから、それが技術的には容易だとKAI関係者は延べていました。
デモンストレーション飛行中のKF-21の試作機。胴体下部には空対空ミサイルが搭載できる溝が見える。ブロックIIまでは兵器は機外に搭載する(布留川 司撮影)。
「ラファールやタイフーンは改良によって第4.5世代機になりましたが、KF-21は最初から第4.5世代機として開発されたため、第5世代への改良が容易です」(KAI関係者)
現時点で韓国政府が正式に導入を決定したKF-21は、空対空戦闘能力のみのブロックIと、対地攻撃も可能なマルチロール型のブロックIIだけです。ステルス戦闘機となるブロックIII(最近ではKF-21EXとも呼ばれている)については、まだ正式な開発契約は結ばれていないため、2025年11月時点ではKAI社内での研究プロジェクトに留まっています。
韓国空軍ではすでにF-35Aを導入しており、これから多額の予算と時間をかけて自国でステルス戦闘機を開発するのは合理的とは思えない側面もあります。ただ、ステルス機は維持するために多額の予算と人員が必要です。なお、F-35の運用コストは1時間あたり4万ドル(約625万円)とも言われており、さらにアメリカによる継続した支援が不可欠です。
KAI関係者もF-35の高コストと稼働率の問題は懸念しており、仮にブロックIIIが配備された場合は、現在導入が進められているブロックIやブロックIIとの整備機材や訓練を共通化することができるため、それらは戦闘機の稼働率向上にも繋がると考えているそうです。
そうしたメリットが韓国空軍、ひいては韓国国民に理解してもらえれば、KF-21ブロックIII(KF-21EX)は実現するかもしれません。
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