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なぜ車の屋根に「サメのヒレ」? 正体は単なる飾りじゃなかった! なら棒アンテナはどこへ?

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ただの飾りじゃない!? 屋根のヒレの“中身”

 最近のクルマの屋根後方を見ると、サメの背びれのような小さな突起が付いていることに気づきます。これが「シャークアンテナ」、メーカーによっては「シャークフィンアンテナ」「ドルフィンアンテナ」とも呼ばれる装備です。

Large figure1 gallery4パトカーのシャークアンテナ(乗りものニュース編集部撮影)

 ひと昔前のクルマには、運転席のAピラーから細長く伸びる金属の棒「ロッドアンテナ」が定番でした。あれをスルスルと手で引き出す光景は、世代によっては記憶に残っているはずです。

 ところが時代は変わり、いまやシャークアンテナは多くの車種で見られる装備になりました。2000年代以降、高級車や輸入車などから採用が広がり、現在では軽自動車にも見られるようになっています。

 ただの飾りやスタイリッシュなデザインのワンポイントと思いきや、じつはあの小さなヒレには、現代のクルマに欠かせないさまざまな機能が詰め込まれているのです。

 では、いったい何を受信しているのでしょうか。

“オールインワン”のヒミツと流線形のワケ

 現代のシャークアンテナには、AM/FMラジオに加え、GNSS(GPSなどの衛星測位)や車両のコネクテッド機能用通信など、複数のアンテナ素子を1つのケースにまとめたものがあります。車種や仕様によっては、テレビや衛星ラジオなど、さらに別の機能と組み合わせられることもあります。

Large figure2 gallery5シャークアンテナのアップ(画像:写真AC)

 日産の「アリア」のように、シャークフィンアンテナを2つ備える車種もあります。「プロパイロット2.0」搭載車では、準天頂衛星システム「みちびき」のセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)の信号を利用し、自車位置をより高精度に把握する仕組みを採り入れています。こうしたアンテナは、ハンズオフ走行を支える高精度な位置把握にも関わっているのです。

 では、なぜ“サメのヒレ”のような形なのでしょうか。その理由は大きく2つあります。

 1つ目は「空気の流れを妨げにくいこと」。流線形のヒレ形状は、長い棒状アンテナに比べて走行中の風の影響を受けにくく、風切り音の抑制にもつながるとされています。

 2つ目は「壊れにくさと取り回しの良さ」。固定式で短いため、立体駐車場や洗車機を通すときに折りたたんだり外したりする必要がありません。ロッドアンテナのように高架下や駐車場で引っ掛けてしまう心配もないのです。

 小さなフィンの中で必要な受信性能を確保するため、内部には複数のアンテナ素子や信号を補うための回路などが組み込まれています。短く、すっきりした形でもさまざまな電波を扱えるのは、こうした技術の積み重ねがあってこそです。

 ふだん何気なく見ているクルマの屋根のヒレ。その小さな突起には、現代のドライブを陰で支える“機能のかたまり”がギュッと詰まっていたのです。

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