DIC川村記念美術館「シーグラム壁画」を国際文化会館に移設 常設展示室「ロスコ・ルーム」を共同運営
- J-CAST ニュース |

DIC(東京都中央区)は2025年3月12日の会見で、国際文化会館とアート・建築分野を起点に協業することを発表した。
「DIC川村記念美術館」が有するアートコレクションの中核を、国際文化会館に移す。
「ロスコ・ルーム」は建築家ユニット「SANAA」が設計
会見にはDIC社長・池田尚志氏と、国際文化会館理事長・近藤正晃ジェームス氏が出席。まず、池田社長が説明した。
千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館は、戦後のアメリカ美術を中心とする20世紀美術品を所蔵。その中にある、ロシア系ユダヤ人の米画家マーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点全てを、国際文化会館が建設する新西館へ移設することを明らかにした。
移設にあたり国際文化会館内に、妹島和世さん、西沢立衛さんによる建築家ユニット「SANAA」が設計する常設展示室「ロスコ・ルーム」を開設。DICと国際文化会館が共同で運営する。
DIC川村記念美術館は、1990年に開館。 池田氏によると、20世紀美術に主眼を置いたコレクション作品にふさわしい空間づくりを目指し、四季折々の変化が楽しめるように、作品、建築、自然の山で表現した美術館として運営してきた。建物は、建築家・海老原一郎氏がデザインした。
2008年、マーク・ロスコの作品「シーグラム壁画」の専用展示室を増築。この壁画は1950年代末、米ニューヨークの高級レストランを飾るために制作された。レストランを自分の作品だけで一面を満たすという思いで制作されたものの計画は実現できず、半世紀後に日本で、学芸員による熱い思いから実現したのが、専用展示室だと池田氏は話した。
日本にあること自体、意味がある
国際文化会館は1952年に設立。理事長の近藤氏は、同館が建つ六本木という場所について「東京の中で最も国際的で、アートの集積地のひとつ」と説明した。開設される「ロスコ・ルーム」を中核として、さまざまな美術品が日本の大きな魅力になっていって欲しいと望む。
「シーグラム壁画」について池田氏は、「アメリカ、ヨーロッパ、そして国際文化会館。世界に3か所しかない」と語ったうえで、こう強調した。
「日本にあること自体がすごく意味がある。(壁画がある)3つの場所の1つがアジアに存続することは、極めて大きなことだと思っております」
近藤氏は「ロスコ・ルーム」の共同運営について、「アートや建築の力によって民間外交、国際文化交流を推進していきたい」 と述べた。<J-CASTトレンド>
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