「台風」近づくと頭痛に襲われる…専門医が教える痛み軽減に役立つ“ツボ”
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10月も台風が発生しやすい時期といわれています。台風が日本列島に接近すると、頭痛の症状が出る人がいますが、どのような原因が考えられるのでしょうか。頭痛の症状を軽減させる方法や頭痛の予防法などについて、「SOグレイスクリニック」(東京都品川区)院長で脳神経外科専門医、医学博士の近藤惣一郎さんに聞きました。
片頭痛が生じている可能性
Q.そもそも、頭痛にはどのような種類があるのでしょうか。
近藤さん「頭痛には大きく分けて3種類あります。それぞれ簡単に説明すると、次の通りです」
(1)緊張型頭痛
機能性頭痛の中で最も頻度が高い頭痛で、頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが特徴です。鉢巻きで締め付けられているような、重苦しい感じがします。
(2)片頭痛
ズキズキと脈打つような強い痛みが、こめかみや目の奥に発作的に起きるのが特徴です。頭の片側だけが痛むことが多いですが、両側に痛むこともあります。痛みの発作は、数時間から数日間続きます。
光や音、においに敏感になり、吐き気や嘔吐(おうと)を伴うことがあります。また、体を動かすと痛みが悪化するため、静かな暗い場所で横になっていたいと感じることが多いです。
(3)群発頭痛
最も痛みが激しいとされる頭痛です。片方の目の奥をえぐられるような、耐えがたい激痛が特徴です。痛みは数週間から数カ月の一定の期間に集中して起こり、毎日同じ時間帯に発作が起こることが多いです。夜間、特に睡眠中に発作が起こりやすい傾向にあります。激痛とともに、痛む側の目に充血や涙、鼻水、まぶたのむくみなどの自律神経症状を伴います。片頭痛とは異なり、じっとしていられないほどの痛みに襲われ、落ち着きなく動き回ってしまうこともあります。
Q.台風や気圧の影響で頭痛になる人がいますが、どのような原因が考えられますか。
近藤さん「低気圧により血管が拡張するというメカニズムから考えると、片頭痛が最も関連性が高いと言えます。また、群発頭痛も気圧の変化が引き金になると考えられています。
片頭痛は、脳の血管が拡張し、その周囲にある三叉(さんさ)神経が圧迫されることで起こる、ズキズキとした痛みが特徴です。低気圧が接近すると、外部からの圧力が下がるため、体内の血管、特に脳の血管が拡張しやすくなります。この現象が片頭痛の発作を誘発する直接的な原因と考えられています。
人間の耳の奥にある『内耳』は、平衡感覚をつかさどる器官であると同時に、気圧の変化を感知するセンサーとしての役割も持っています。台風などによって気圧が急激に下がると、内耳の気圧センサーがこの変化を敏感に察知し、この刺激が脳に伝わります。すると、体温や血圧などを自動的に調整する『自律神経』のバランスが乱れてしまいます。この自律神経の乱れも、血管の収縮と拡張をコントロールする機能に影響を与え、片頭痛の発症を促進します。
群発頭痛も、内頸(ないけい)動脈などの目の奥の血管が拡張して神経を刺激することが原因の一つとされています。そのため、急激な気圧の低下は群発頭痛の発作を誘発する引き金になることが知られています。
また、群発頭痛は、体内時計をつかさどる視床下部の機能異常が関係していると考えられています。気圧の変化は体内時計に影響を及ぼし、発作の周期的な発生を助長する可能性があるのです。
一方で、緊張型頭痛も低気圧の影響を受けることがあります。しかし、そのメカニズムは片頭痛とは少し異なります。
先述のように低気圧による気圧の変化は、自律神経のバランスを乱します。これにより、交感神経が過剰に興奮し、首や肩の筋肉が緊張して血行が悪くなることで、緊張型頭痛が引き起こされると考えられています。
結論として、低気圧による頭痛は、血管拡張が主な原因となることから、ズキズキとした強い痛みを伴う片頭痛が最も典型的です。群発頭痛も関連性が指摘されています。しかし、自律神経の乱れを通じて、首や肩の筋肉の緊張による緊張型頭痛も引き起こされる可能性があるため、一概にどちらかとは言えません」
Q.台風の接近時や気圧の変化時、自律神経の乱れ以外の原因で頭痛が生じるケースはありますか。
近藤さん「体内水分のバランスの乱れが原因で頭痛を引き起こすこともあります。台風や梅雨など湿度が高い状況では、汗が蒸発しにくくなり、体内に余分な水分がたまりやすくなります。漢方医学では、この体内に余分な水分がたまった状態を『水毒(すいどく)』と呼び、これが体調不良の原因になると考えられています。たまった水分が血管やリンパ液の流れを悪くし、血管を拡張させることで、頭痛を引き起こすことがあります。
頭痛は1つの原因で起きるだけでなく、複合的に作用することが多いです。特に、日頃から不規則な生活やストレスによって自律神経が乱れている人は、気圧の変化に体がうまく適応できず、症状が出やすい傾向にあります」
症状を軽減するには?
Q.台風や気圧の影響で頭痛になった場合、症状を軽減するにはどうしたらよいのでしょうか。
近藤さん「台風や気圧の変化による頭痛はつらいものですが、症状を和らげるための方法はいくつかあります」
(1)耳の血行を良くする
気圧の変化を感知する内耳の血行を良くすることで、脳への信号の乱れを軽減できる可能性があります。
・耳のマッサージ
両耳を軽くつまみ、上下や横に引っ張ったり、円を描くように回したりします。耳全体を優しくもみほぐすことで、内耳の血流が改善し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
・耳を温める
ホットタオルなどで耳の周囲を温めるのも効果的です。
(2)症状に合わせたツボ押し
症状の軽減に役立つツボを刺激することも有効です。
・内関(ないかん)
乗り物酔いに効くツボとしても知られており、手首の内側、手首のしわから指3本分、肘に向かった場所にあるツボです。めまいや吐き気にも効果があります。
・百会(ひゃくえ)
頭のてっぺんにあるツボで、左右の耳を結んだ線と、顔の中心線が交差する場所にあります。自律神経を整える効果が期待できます。
・天柱(てんちゅう)
首の後ろ、髪の生え際にあるくぼみの両側にあるツボです。首や肩の凝りが原因の頭痛に効果的です。
(3)適切な対処法
・鎮痛剤の早期服用
頭痛が始まりそうだと感じた初期の段階で市販の鎮痛剤を服用することが重要です。痛みが強くなってからでは、薬の効果が十分に得られないことがあります。
・カフェインの摂取
片頭痛の場合は、適量のカフェインの摂取が血管を収縮させ、痛みを和らげる効果がある場合があります。コーヒーや紅茶などを飲むとよいでしょう。ただし、過剰な摂取はかえって症状を悪化させることもあるため注意が必要です。
・安静にする
ズキズキと脈打つような片頭痛の場合は、光や音を避けて静かな暗い部屋で横になって安静にすることが有効です。
・温めるまたは冷やす
片頭痛の場合は、拡張した血管を冷やし、炎症を抑えるために、こめかみや首筋を冷たいタオルなどで冷やすと痛みが和らぎます。緊張型頭痛の場合は、首や肩の血行を良くするために、温かいタオルなどで温めると効果的です。
(4)予防策
日頃から自律神経を整える生活を心掛けることが、気象病の予防につながります。
・規則正しい生活
毎日同じ時間に起き、食事を取るなど、生活リズムを整えることで自律神経のバランスが安定します。
・適度な運動
ウオーキングやストレッチなど、無理のない範囲での運動は血流を良くし、自律神経を整えるのに役立ちます。
・十分な睡眠
睡眠不足は自律神経の乱れにつながります。十分な睡眠時間を確保しましょう。
・気象情報のチェック
気圧予報アプリを活用し、気圧が急激に変化するタイミングを事前に把握しておくことで、早めの対処ができます。
オトナンサー編集部
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