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「10年前と何が変わった?」令和8年熊本地震で自衛隊はどう動いたか 要請前の初動と八代港で生きた教訓

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  • 乗りものニュース
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要請前に福岡、熊本、佐賀、長崎へGo!

 2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする最大震度7の地震が発生しました。宇城市と氷川町で震度7を観測した「令和8年熊本地震」です。

Large figure1 gallery5北熊本駐屯地に所在する陸上自衛隊西部方面特科連隊の人命救助の様子(画像:陸上自衛隊第8師団)

 自衛隊が動き出したのは、災害派遣要請より前でした。防衛省によると、地震発生から約1時間後の17時26分に開かれた防衛大臣の会見の時点で、すでに築城基地の「F-2」戦闘機3機と各地のヘリコプターが上空から情報収集を行い、4つの県庁(福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県)に連絡官が派遣されています。

 また、その4分後の17時30分、熊本県知事から陸上自衛隊第8師団長に災害派遣要請があり、同時刻に受理し、第8師団は3600人態勢で活動を開始しました。

 じつは2016年も同じでした。4月14日21時26分ごろの地震のあと、自衛隊は情報収集を始め、熊本県知事の災害派遣要請を22時40分に受理しています。要請を待たずに動く点は、10年前も今回も変わっていません。

 では、この10年で変わった点は何なのでしょうか。大きいのは物資が通ったルートです。

 今回は道路網が大きな打撃を受けました。NEXCO西日本によると、7月29日11時時点で九州自動車道、南九州自動車道、九州中央自動車道の合計110.8kmが通行止めでした。国土交通省九州地方整備局と同社は東九州自動車道を使う遠回りのルートを案内しました。

 そこで頼りになったのが海です。防衛省の資料によると、7月30日には海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」、多用途支援艦「げんかい」と「えんしゅう」、そして「水中処分母船5号」の計4隻が八代港へ入港。積んできた生活支援物資を陸揚げし、陸上自衛隊へと引き継いでいます。

 空も動きました。31日には護衛艦「いせ」が海上の支援拠点となり、陸上自衛隊のV-22「オスプレイ」や海上自衛隊のヘリコプターが救援物資を高遊原分屯地などへ運びました。29日には熱中症対策のクーラー約300台が航空自衛隊のC-2輸送機で埼玉県の入間基地から熊本空港へ届き、うち約150台がただちに避難所へ運ばれています。

八代港で生きた“10年前の教訓” 人数には表れない変化

 とはいえ、海の玄関口となった八代港も無傷ではありませんでした。国土交通省によると、岸壁の背後には段差や液状化、陥没などが発生。耐震強化岸壁の背後には延長40mの段差ができましたが、29日未明に20m分を応急復旧して海上保安庁の巡視船を受け入れ、30日未明には別のコンテナ岸壁で海上自衛隊の支援船を受け入れています。

Large figure2 gallery6航空自衛隊の人員捜索犬での救出活動の様子(画像:航空自衛隊西部航空方面隊司令部)

 この八代港に、10年前との明確な違いが表れています。2016年の熊本地震では、八代港などに通常の貨物船と自衛隊、海上保安庁の支援船が集中し、港が混雑して港湾利用者との調整に支障が出ました。これを踏まえて港湾法が改正され、2017年7月、非常災害時に港湾管理者の要請を受けて国が港湾施設の管理や岸壁の利用調整を行える制度がつくられました。

 その制度が今回、同じ八代港で使われました。国土交通省によると、熊本県の要請を受けて8月3日から八代港の施設の一部を国が管理し、同日9時から岸壁の利用調整を始めています。

 一方、人数の比較は簡単ではありません。自衛隊の派遣規模は7月28日の3600人から29日に約4600人、30日に約5100人へと増え、8月7日の資料でも約5100人態勢で、飲料水の輸送や29か所での給水、入浴支援などが続いています。

 平成28年熊本地震では、最大時で約2万6000人、航空機132機、船15隻まで規模が広がりました。ただしそれは、4月14日に続いて16日にも最大震度7の地震が起き、全国から部隊が集まった結果です。数字の大小だけで備えの厚さを測ることはできません。

 要請を待たずに動くこと、海と空を組み合わせて物資を届けること。2016年にも護衛艦「ひゅうが」に集めた物資をヘリコプターで被災地へ運んでおり、どちらも10年前から続く自衛隊の姿です。

 10年間で確かに変わったのは、あのとき八代港で見つかった課題が制度になり、同じ港で実際に動いたこと。人数には表れないところに、10年分の備えが積み上がっていました。

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