スポーツ選手が「骨折」抱えたまま大会に強行出場…美談にされるけど本当に大丈夫? リスクを整形外科医に聞く
- オトナンサー |

ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(五輪)のスノーボード男子ハーフパイプ予選、平野歩夢選手の2回目(2月11日、時事通信フォト)
ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(五輪)のスノーボード男子ハーフパイプ予選が2月11日(現地時間)に行われ、五輪2連覇を狙う平野歩夢選手が7位で予選を通過し、決勝進出を決めました。報道によると、平野選手は1月にスイスで開催されたワールドカップ(W杯)で激しく転倒し、骨盤の右腸骨や鼻骨などを骨折しましたが、帰国後にリハビリに励み、今回の五輪に出場したとのことで、SNS上では「(骨折しているのに)すごい」「(強行出場を)美談にしないで」「無理をしないでほしい」など、さまざまな声が上がっています。
このようにスポーツ選手が骨折後、完治しないまま大会に出場するケースが美談として取り上げられることがありますが、本当に問題ないのでしょうか。骨折を負ったまま大会に強行出場するリスクや、出場時に必要な処置などについて、みかわ整形外科クリニック(大阪市平野区)理事長で整形外科医の三河聡志さんに聞きました。
適切に処置をしないと重症化のリスクも
Q.五輪の出場予定選手が大会前に骨折後、そのまま強行出場することがありますが、こうした行為は問題ないのでしょうか。骨に与える影響も含めて、教えてください。
三河さん「五輪やワールドカップなどの国際大会において、出場予定の選手が骨折を負いながらも強行出場するケースが見られます。こうした行為が医学的に問題ないかどうかは、骨折の部位や程度、安定性によって大きく異なりますが、原則としては相応のリスクを伴う行為と言えます。
そもそも骨折とは、骨の連続性が破綻した状態を指します。完全骨折、不全骨折、疲労骨折、転位の有無、関節内骨折かどうかによって病態は大きく異なります。
骨の位置が本来の位置からずれた状態にあることを『転位』と言います。転位のない安定型骨折や初期の疲労骨折であれば、適切な固定と負荷管理のもとで限定的に競技継続が検討されるケースもあります。しかし、転位を伴う骨折や不安定型骨折、関節内骨折の場合、大会出場は原則として推奨されません。
骨折部に荷重や衝撃が繰り返し加わると、骨片の転位が進行し、骨がくっつく『骨癒合』が遅れる可能性があります。骨の治癒が通常よりも遅れる『遷延治癒』や、骨折した箇所がくっつかない『偽関節』が形成される状態に至ると、最終的に手術が必要となることも少なくありません。
また、周囲の筋肉や腱(けん)、靱帯(じんたい)、神経、血管といった軟部組織への二次的損傷を引き起こす危険もあります。特に関節内骨折の場合、軟骨損傷や関節面の不整により、将来的に変形性関節症の原因となることがあります。短期的には大会参加が可能であっても、体の機能に長期的な影響を及ぼす可能性を十分に考慮する必要があります」
Q.スポーツ選手が骨折しても大会の出場を検討する場合、どのような処置が必要なのでしょうか。
三河さん「スポーツ選手が骨折後、大会に出場するかどうかを検討する場合、まず正確な診断が不可欠です。単純X線検査のみならず、必要に応じてCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像法)を用い、骨折型、転位の有無、関節内進展の有無、安定性を評価します。
その上で、骨折部の安定化処置を行います。ギプス固定やシーネ(副え木)固定、テーピングによる補強のほか、状況によってはスクリューやプレートによる内固定術を行い、術後に保護具を装着した上で大会参加を認めるケースもあります。さらに、荷重制限の可否や競技動作への影響を詳細に検討し、過度な負荷がかからないよう調整することが重要です。
鎮痛薬の使用は可能ですが、痛みは体からの重要な警告信号でもあります。そのため、過度な鎮痛薬の使用は状態悪化の見逃しにつながる可能性があり、慎重な管理が求められます。また、将来的な合併症や機能障害の可能性について十分に説明し、選手本人の理解と同意を得ることが不可欠です」
Q.もしスポーツ選手が骨折後、適切な処置をせずに大会に出場した場合、どのようなリスクがありますか。
三河さん「スポーツ選手が適切な診断を受けず、適切な固定を行わないまま大会に強行出場した場合、骨折の完全転位化や粉砕骨折への進行、神経血管損傷、さらには壊死や神経まひを起こす『コンパートメント症候群』といった重篤な合併症を招く危険があります。
例えば、もし下肢の骨折時に無処置で荷重を継続した場合、骨癒合不全や偽関節となり、結果として治療期間が長期化し、選手生命に重大な影響を及ぼすこともあります。若年であっても骨の治癒には生物学上、一定の時間が必要であり、精神力のみで回復が促進されることはありません。
骨折後の大会への強行出場は、『安定型かつ厳密な管理下でのみ限定的に可能な場合がある』というのが現実です。競技成績という短期的目標と、将来にわたる身体機能の維持という長期的視点を慎重に比較検討し、医学的根拠に基づいた判断を行うことが重要です」
オトナンサー編集部
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