日曜夕方に“憂鬱感”に襲われる…物事の受け止め方に問題あり？　すぐに実践できる“効果的な対処法”とは【心理カウンセラー解説】

　日曜日の夕方になると、何となく憂鬱（ゆううつ）になるということはありませんか。多くの人が抱くこの感情にはいくつかの原因があるようです。なぜ日曜日の夕方に憂鬱になってしまうのでしょうか。原因や効果的な対処方法などについて、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。

「平日が来る」ことへのプレッシャーを感じている可能性も

Q.そもそも、日曜日の夕方になると憂鬱感に襲われる人がいますが、主にどのような原因が考えられるのでしょうか。心理学的な観点で教えてください。

うるかすさん「まずは、やはり『平日が来ること』への純粋なプレッシャーでしょう。特に『しなければならないこと』へのプレッシャーや義務感を人より感じやすい傾向があると、月曜日が来ることを、より憂鬱に感じてしまうかもしれません。また、『会社でしっかり役割を果たさなくては』『人前で失敗してはいけない』といった強い役割意識や、対人関係での緊張感も関係します。

少し抽象的な話になりますが、『自由で楽しい時間が終わる』ことへの『喪失感』や『漠然とした不安感』も原因となることがあります。これは、自由で楽しい時間から日常に戻る『分離』に対する不安かもしれません。例えば、小さい頃に『自分の大切なものが目の前からなくなる』といった体験をし、その感情が無意識に刺激され、仕事のプレッシャーとは別に『日曜日の夕方になると、不安を感じる』という人もいると思います。

また、1日の終わりという、社会的な活動を終えてリラックスした瞬間に、今まで抑えていた不安感がふっと湧き出てくるというパターンもあるでしょう。そうした場合は、深いテーマの不安を抱えていると考えられます。

そして、『何かが終わっていくことに対する焦り』や、『もっと成果を出さなければ自分の価値がないのでは』『このままでは不十分だ』といった無条件で自分を肯定できない考え方がある場合も、夕方に気持ちが沈んでしまうと言えます」

Q.日曜日の夕方に憂鬱感に襲われた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。対処法はありますか。

うるかすさん「まずは物事の受け止め方を変えてみましょう。『役割をきちんと果たさなければ』『もっと成果を上げなければ』『このままでは不十分』といった思いから憂鬱になっている場合、その憂鬱感は、裏を返せば『責任感の強さ』『物事をよくしたい向上心』の表れといえます。

次に、仕事へのプレッシャーとは別に不安がある場合は、『終わり』『分離』『孤独』といったものに結び付いている可能性があります。無理のない範囲で気持ちをノートに書き出してみるのもよい方法です。文字にすることで、自分と向き合う、有効な方法になります。

あとは、SNSを含めちょっとしたつながりでも構いません。誰かとのつながりを感じる活動を取り入れると孤独感が和らぎ、視点を切り替えることにつながるので有効かなと思います」

Q.もし日曜日の夕方の憂鬱な状態が改善されない場合、医療機関を受診した方がよいのでしょうか。理由も含めて、教えてください。

うるかすさん「改善されない場合は、ぜひ受診をお勧めします。軽度の不眠や食欲不振、抑うつ感も、長引くと日常生活に支障が出始めます。軽い抑うつ感の背景には、根深い不安が存在する可能性があります。さらに、受診を先延ばしにすると、病院にかかることさえおっくうになるかもしれません。

薬の特徴は即効性があることです。症状がある程度続いている場合は『気のせい』と放置せず、悪化させる前に病院で診てもらうのがよいですね」

＊　＊　＊

　日曜日の夕方の憂鬱感が、仕事に対するプレッシャーや義務感の強さから来ているという点は、多くの人が共感できると思います。「誰かとのつながり」を少しでも持つことが視点を切り替え、気持ちを楽にする効果的な方法というのも、非常に参考になりますね。さっそく実践してみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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