特別支援学級は「大学受験も就職も不利」と考える障害児の親…「わが子を通常学級へ」の願いは本当に正しいのか
- オトナンサー |

幼稚園、保育園を卒園して小学校に行くとき、就学先で特別支援学級(支援級)を選んだ場合、6年間、通常学級の教科書に沿った授業を受けられないことになる。そうなると中学から通常学級に行くのは、学力的についていくのがなかなか難しい。結果、中学は支援級を選択せざるを得なくなる。すると、普通高校の受験のための内申点をもらうのが難しいため、受験は難しくなる――。
中学を卒業後、行き着くのは特別支援学校高等部。しかし、「特別支援学校高等部は正式な高校ではないので、大学受験ができないのではないか。そうなると就職にも不利になるのではないか」と考え(実際には大学受験資格はあります)、将来の進路のために、知的障害がある程度あっても、小学校入学時から通常学級で突き進もうと考える親御さんもいます。
障害がある子の就職…企業に求められる人材とは
私には、現在24歳の知的障害を伴う自閉症の息子がいます。息子は小学校1〜2年生は特別支援学校(当時の名称は養護学校)、小学校3年生から中学校卒業まで特別支援学級に在籍していました。高校は義務教育ではありませんから、特別支援学級がないため、特別支援学校高等部に入学しました。
同じ障害児を育てるママ友の中には、「特別支援学校高等部を卒業すると中卒扱いになる」と気にしている人もいました。実際、就職する際はどのように記載すればよいかというと、特別支援学校高等部を卒業すると、学歴としては、履歴書に「特別支援学校高等部卒」と記入する形になります。
息子が特別支援学校高等部に通っていた頃、卒業後の進路を検討するため、障害がある子の就職についてのセミナーに参加したことがあります。そのとき、登壇者の人事の方がこうおっしゃっていました。
「これができる、あれができるではなく、素直に『分かりません』『苦手なので助けてください』と言える人が長く勤めています。質問することを恥ずかしいと思ったり、プライドだけが高くて、注意を受けるとふてくされてしまったりすると、対応がなかなか難しいです」
この話を聞いて、自分の学力や能力、適性に合った小学校、中学校、高等部に行った方が劣等感を抱かず、障害受容ができ、自信を持って就職活動に臨めると思いました。
「障害の程度に応じて進路を選ぶ」大切さ
息子は、高等部卒業後の進路先として、就労移行支援事業所を希望しました。その事業所は、わが家の住民票がある区とは違う自治体にありました。
学校での個人面談日に、私は担任から「区外の事業所について詳しくなかったので、ご希望の就労移行支援事業所へ見学に行ってきました。見学をしなくては、本日の面談で話ができないと思いましたので」と言われました。
「え、見に行ってくださったんですか。先生、お忙しい中、わざわざ息子のために足を運んでくださりありがとうございます!」
「進級希望先は保護者の方が直接交渉するよりも、学校長の名前でまず実習希望を依頼した方が、先方の心象もいいことが多いです。仮に実習できたとしても、実習後、内定が出なかったら次の策として、区内の実習先で◯◯と△△がありますので…」
このようにどんどん決めてくれます。最後に、担任から「お母さま、今日はお忙しい中、お越しくださってありがとうございました」と言われました。
私は、心の中で「それはこっちのセリフです。先生方、いろいろと考えてくださり、ありがとう」と頭を下げました。
このことを、普通科高校に知的障害のある子どもを通わせている知人に話すと、「過保護すぎる学校」と言われました。でも、私は「過保護でもいい。親の力ではできないことを学校側が交渉してくれているのだから」と思いました。
地元の公立中学の特別支援学級で、息子と同じクラスだったお子さんが、普通科高校へ進学した際、その子のお母さまが卒業後のことを悩んでいました。私が就労移行支援事業所の説明をすると、「それ何?」との返答。「障害のある生徒が少ない学校に在籍していると、情報が入らないんだな」と感じ、改めて恵まれた環境をありがたく思ったものです。
息子は就労移行支援事業所に3年間通い、その後、「就労定着支援」を受けています。就労が定着し、継続できるように、利用していた就労移行支援事業所の人が月1回、会社を訪問して様子を見てくれる福祉サービスです。月額3000円の負担で、3年半利用できます。
学歴にこだわるのではなく、制度やサービスをうまく利用し、安心・安定して働けるように小学校入学時から考えることが大切だと思います。
知り合いで、特別支援学校高等部を卒業後、企業に就労して10年目の人がいます。苦手を知り、できないことは周りの人に頼って質問しています。言われた仕事をきちんとこなし、注意や指摘をされても素直に受け取り、働いています。
「普通の学校に行った方が伸びるのではないか……」と漠然と考えるのではなく、子どもの障害の程度に応じて進路を選ぶことが、安定した就労のためにも大切だと思います。
子育て本著者・講演家 立石美津子
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