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「ちッ 新札も使えないだと…?」格安だけど“ご都合主義”すぎる路上の駐車設備、実は“一足飛び”の進化を遂げていた!?

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新紙幣が使えない「お上のサービス」

 2024年7月に行われた“新紙幣切り替え”から約1年半が経ち、買い物などでやりとりする現金に新紙幣が目立つようになりました。当初は旧札しか使えないケースも目立ちましたが、鉄道駅のきっぷ自動券売機などはもちろん、コインパーキングの精算機、街中にあるジュース自販機などは、ほぼ問題なく使えるようになってきています。

Large figure1 gallery11従来型のパーキング・チケット発給機の紙幣挿入口には「新紙幣は使用できません」とのステッカーが貼られる(植村祐介撮影)

 そうしたなか、“お上のサービス”なのに、新紙幣が使えないという困った事例が都内には残っていました。それは「時間制限駐車区間」、つまりパーキング・メーターやパーキング・チケットのうち、お札が使えるパーキング・チケットの発給機です。

 これら発給機のお札挿入口には黄色い「新紙幣は使用できません」というステッカーが貼られ、新紙幣発行から1年以上経っても、その利用を拒んでいるのです。

 そのため、クルマを止めて発給機で作動手数料を支払おうと思っても、財布にあるのは発給機が対応していない“新500円玉”と新紙幣だけ、ということも。やむなく近所のジュース自販機で、お札を崩した経験がある人もいるのではないでしょうか。

じわじわ増えている「神の新型機」

 ただここにきて都内の一部のパーキング・チケット発給機で、この問題が解決に向けて進んでいます。しかも「新紙幣に対応した」だけでなく、“一足飛びの進化”を遂げているのです。

 それはさまざまなキャッシュレス決済に対応した「新型パーキング・チケット発給機(以下、新型発給機)」の登場です。

 新型発給機の外観上の特徴は、前面に設けられたふたつの液晶ディスプレイです。上部の大型ディスプレイは、使い方のアナウンスなどが表示され、下の小さめのディスプレイはキャッシュレス決済で利用する決済手段を選択するインターフェイスとなっています。

 クルマを枠内に停めたあと、発給機のテンキーでナンバープレートの数字を入力するところまでの使い方は、従来型発給機と同じです。もし現金で作動手数料を支払う場合は、そのまま100円玉、500円玉、もしくは1000円札を発給機に入れ、チケットを受け取ればOKです。

「使えません」の表記があったカードも使えた!?

 使い方が異なるのは、キャッシュレスで作動手数料の決済を行う場合です。キャッシュレス決済では、ナンバープレートの数字を入力したあと、下の小さめのディスプレイで決済手段を選び、電子マネーであればディスプレイの下のセンサーにカードをタッチ、クレジットカードの場合はさらに下にある挿入口にクレジットカードを差し込むという流れとなります。

 実際に現地確認した発給機は、流通系では「WAON」「nanaco」「楽天Edy」「iD」「QUICPay」、交通系では「Suica」「PASMO」「PiTaPa」「Kitaca」「manaca」「TOICA」「ICOCA」「はやかけん」「nimoca」「SUGOCA」への対応が確認できました(PiTaPaについては、交通系としては「使えません」との表記があるものの、流通系のカテゴリで選択可能だった)。

 ちなみに警視庁によると、2024年度末時点で108基のキャッシュレス決済対応パーキング・チケット発給設備を設置し、2025年度はさらに74基を旧型機から更新するとしています。都内各所にまだ多く残る従来型の発給機が新型発給機に置き換われば、その利便性は大きく高まることになります。

実はまだまだ進化しそう!?

 さて、このように進化したパーキング・チケットですが、東京都の構造改革QOSアップグレード戦略「シン・トセイ3」では、この先さらなる進化がアナウンスされています。

Large figure2 gallery12パーキング・メーターの例。車両が停まっているのに「未納」のケースも目立つ(植村祐介撮影)

 それはパーキング・メーターやパーキング・チケットをネットワーク化し満空情報を配信するというものです。同戦略の資料によると、キャッシュレス化とネットワーク化は、今回のパーキング・チケット発給機の更新を端緒とし、今後はパーキング・メーターにも広げるとしています。

 ふだん都内でパーキング・メーターやパーキング・チケットを使っていれば感じる人もいるかもしれませんが、近年、巡回する料金収受員が明らかに減っており、それにともない時間超過や料金未納のまま利用する車両が増えています。

 すでに民間のコインパーキングでは、入口のゲートや車止め(フラップ)を廃止し、監視カメラで駐車時間や料金支払いの状況を確認するシステムの導入が広がっています。

 将来的にはパーキング・メーターやパーキング・チケットも、ナンバーの読み取りにも対応した監視カメラをAIと組み合わせ、人に頼らずに運用状況を確認し、不正駐車に対応する仕組みへと切り替わっていくのではないでしょうか。

 なお警察当局は、パーキング・メーターやパーキング・チケットに支払うお金は「駐車料金ではなく、設備の維持管理に必要な費用となる『手数料』」としています。もしこうしたDXで維持管理費用の削減が可能になるのであれば、現在ほぼ一律の「60分300円(もしくは20分あたり100円)」の料金の値下げを検討してほしいものです。

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