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昔からあった「見た目そっくりでも別形式」 ちょっと懐かしい小田急と西武の場合

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以前、「見た目そっくりでも別形式の鉄道車両」を紹介しました。実のところ、そのような車両は昔から各鉄道会社に存在しています。今回は小田急電鉄と西武鉄道で使われていた懐かしの「そっくり電車」を紹介します。

どうして形式が違うのか?

 そもそも、「そっくり電車」はどうしてできたのでしょうか? ここで紹介する電車は高度経済成長期に製造されたものです。経済成長期の西武鉄道や小田急電鉄では、通勤・通学の利用者が爆発的に増え、輸送力を増強するべく大量の電車を用意する必要がありました。しかし、大手私鉄といえども資金が潤沢ではなく、できるだけコストを抑えた電車が製造されたのです。また、製造過程で新技術を導入して改良を重ねたこともあり、見た目は同じなのに、違う形式を名乗る結果になっています。

Large 210813 same 01小田急電鉄5200形電車(左)と初代4000形電車(右)(伊藤真悟撮影)。

 ここでは、懐かしの「そっくり電車」と、その違いを紹介していきます。

小田急2600形・4000形(初代)・5000形(初代)・5200形

 小田急の2600形電車は1964(昭和39)年に登場した本格的な車体長20mの4扉車で、この車両の車体とデザインが後の車両にも引き継がれ、1966(昭和41)年登場の初代4000形電車、1969(昭和44)年登場の初代5000形電車、1978(昭和53)年登場の5200形電車に波及しました。

Large 210813 same 02小田急電鉄2600形電車。初代4000形とともに前面窓部分が窪んでいる(伊藤真悟撮影)。

 5200形は初代5000形の改良型で、4両編成だった初代5000形の6両編成版に当たります。形式は5000形のままなのですが、改良点が多いため、便宜上、5200形と呼び分けられています。

 これらの車両は基本的なデザインが揃っていて、前面の貫通扉には行先表示器があり、前照灯は貫通路の上に2灯備えていました。この姿は高度経済成長期の小田急で標準的なものでした。

Large 210813 same 03小田急電鉄旧5000形。前面窓部分の窪みはない(伊藤真悟撮影)。

 2600形と初代4000形では前面の窓に窪みがあり、初代5000形と5200形では窪みがありません。また、初代4000形は、2600形の車体に流用品の走行機器を組み合わせた車両でした。初代4000形では電動車の台車を中心にディスクブレーキを採用し、ブレーキ用のディスクが目立っていました。

 冷房装置を搭載したのは初代5000形の増備車からで、後に2600形などでも冷房が搭載されます。初代4000形では、冷房化と合わせて走行機器を交換、吊り掛け駆動方式かカルダン駆動方式となりました。2600形では冷房装置を1両あたり5台搭載していましたが、初代4000形では4台搭載した点も異なっていました。

 側面の窓では2600形と初代4000形、初代5000形が2段サッシだったのに対して、5200形では一段下降窓を採用してスッキリとした見た目に特徴がありました。2600形と初代4000形は2004(平成16)年までに引退・廃車となったほか、初代5000形と5200形は2012(平成24)年までに引退・廃車となりました。5200形では末期に4両編成に短縮された編成もありました。

西武鉄道551系と601系

 西武鉄道551系電車は1961(昭和36)年に登場した通勤車両で、601系電車は551系の改良形として1963(昭和38)年に登場しました。いわゆる「赤電」の一族で、ベージュと赤のツートンカラーに塗られて使用されていました。現在、西武鉄道では、この「赤電」と呼ばれる昔の車体色を復刻した新101系電車が多摩湖線や多摩川線などを走っています。

Large 210813 same 04西武鉄道551系電車(左)と601系電車の先頭車クハ1601形を改番したクハ1651形(右)(伊藤真悟撮影)。

 ふたつの形式で最も違うところは、551系では吊掛駆動方式を採用したのに対して、601系ではカルダン駆動方式を採用したことです。

 吊り掛け駆動方式では、車軸にモーターがのしかかり、車軸に付いた歯車へモーターの力を直接伝える方式でした。一方、カルダン駆動では、モーターと歯車の間に継手を備え、モーターは台車側に設置されています。この結果、線路からの衝撃がモーターに伝わりにくい構造となっています。この構造によって、小型で高出力・高回転のモーターを設計することが可能となったのです。

 両形式とも外観のデザインはよく似ています。前面のデザインは大きな窓をふたつ組み合わせた姿で、1950年代に流行したいわゆる「湘南型」でした。特に551系や601系では2つの窓の間を細くした姿が特徴で、後に登場した車両にも引き継がれました。

 しかし、見た目の違いで一番目立つのはパンタグラフを搭載する場所です。551系は先頭車が電動車でしたが、601系では中間車が電動車になったことから、551系は先頭車、601系では中間車にパンタグラフが搭載されています。

 続いて紹介する701系の一部が4両編成から6両編成とした関連で、601系の中間車が後に701系として取り込まれて冷房化などが行われました。その一方で、先頭車は大半が廃車となっていますが、残された先頭車6両はクハ1651形と名乗り、451系電車のクモハ451形と2両の編成を組んでいました。

その後、451系の廃車によりクハ1651形は3両が廃車。残った3両は551系のクモハ551形と編成を組み、551系のペアとなる先頭車として活用されたのです。

 551系とクハ1651形は1988(昭和63)年までに、601系は701系に組み込まれた中間車が1992(平成4)年までに廃車となっています。

西武鉄道701系・801系・旧101系

 西武鉄道の101系電車は現在も走っていますが、西武線で現役の車両は新101系と呼ばれる改良型のグループで、101系登場時のグループとはデザインが異なっています。

 701系・801系・旧101系の3形式は、外観がよく似た車両として知られています。この3形式が同時に存在した頃は、車体側面の違いと車体塗装の違いで区別することができました。

 701系・801系・旧101系は同じ前面デザインで、先述の551系と601系のデザインを基に、前面窓の上に行先表示器を備えたほか、前面を強化するべく前面窓の下にステンレスの板が付いていました。

Large 210813 same 05西武鉄道801系電車(左)と701系電車(右)。車体側面の雨樋の高さに違いがある(伊藤真悟撮影)。

 701系は1963(昭和38)年、801系は1968(昭和43)年に登場。旧101系は1969(昭和44)年の西武秩父線の開業に際して登場しました。701系と801系は赤電の車体色で登場したのに対して、101系はウォームグレーとレモンイエローのツートンカラーで登場しました。また、701系と801系では中間車でコイルばね台車を使用していた一方で、旧101系は空気ばね台車使用するという違いもありまでした。

 さらに車体側面にも違いがありました。701系では雨樋の位置が低かったのですが、801系と101系は雨樋の位置が高くなり、車両基地の洗車機で効率よく洗えるように配慮されたのでした。

 701系と801系は相互に連結できましたが、101系(新・旧とも)は701系や801系とは原則として連結することができませんでした。その理由は、西武秩父線の勾配区間に対応するべく、抑速ブレーキを新たに採用したからです。

 その後、701系や801系は冷房化改造とあわせて101系と同じレモンイエローの車体色に変更。ドア部分は101系と同じステンレスの銀色となりましたが、レモンイエロー1色の塗装となったため、連結の可否の区別も可能となっていました。

 ところが、後になって701系などとの連結対応工事を施した101系(新・旧とも)が登場。車体色こそツートンカラーのままでしたが、先頭部にある電気連結器カバーの色を黄色として、701系列との連結可能なことを示していました。

Large 210813 same 06 西武鉄道新宿線系統で使われた旧101系電車。密着連結器の下にある電気連結器のカバーを黄色に塗装し、701系列との連結対応車であることを識別した(伊藤真悟撮影)。

 701系と801系は1997(平成9)年までに引退し、その後は101系がツートンカラーをやめて、レモンイエロー1色に塗り替えられています。なお、旧101系は多摩川線での活躍を最後として2010(平成22)年に引退しています。

※ ※ ※

 以上のように、小田急電鉄、西武鉄道の車両とも、形式によって細かな違いがありましたが、コツを掴めば一目で区別することができたのです。

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