姉妹艦ってなに? なぜ兄弟艦ではないのか? 人間じゃありえない数も“一人っ娘”もいます
- 乗りものニュース |

艦艇では同型として同じ設計で建造されたものを「姉妹艦」と呼びます。この姉妹艦の定義や、“姉妹数”が多い艦はどれくらいになるのでしょうか。
姉妹艦ってそもそもなに?
艦艇では同型として同じ設計で建造されたものを「姉妹艦」と呼びます。これは、民間船の場合も共通しており「姉妹船」という表現が使われます。確かに同一の設計で作られた艦艇は姿かたちが似ていますし、またその名前も共通のテーマをもって付けられることから、「姉妹」という扱いになっています。
現在続々と姉妹艦が建造されている「もがみ」型護衛艦(画像:海上自衛隊)
ではなぜ「兄弟」艦ではなく「姉妹」艦なのでしょうか。それは、ヨーロッパの言語に由来があります。ヨーロッパの多くの言語では「男性名詞」「女性名詞」といったように、男女の区別があり、「船」という名詞は女性名詞に当たります。そこで、同型に設計された艦艇は「シスターシップ(姉妹艦)」と呼ばれているという訳です。同型艦を揃える利点としては整備コストの圧縮や、速度や装備が同じなので作戦行動が取りやすいなどの利点があります。ただ、新型の装備などを搭載しにくい、一気に老朽化してしまう可能性があるといったデメリットもあります。
ロシアなど例外もありますが、基本的に同じコンセプトで作られた1番艦の名前が「〇級駆逐艦」「〇型護衛艦」といったぐあいに、その種類の艦艇を総称する際の呼び名となります。ただ、兵装の更新が早い第二次大戦中や電子戦などハイテク兵器の進化が著しい現在では、艦艇とはいえ、共通するのはベースの設計だけで、搭載装備などがまったくの別物である場合も多くあるようです。しかしそうした艦も多くの場合で同型艦として数えられており、そのために膨大数の姉妹が生まれている艦もあります。
この姉妹艦、世界一多くの姉妹がいる艦艇はどんな艦なのでしょうか。
歴史上最も姉妹が多かった艦とされているのが第二次世界大戦中の1942年から1944年にかけて建造された、アメリカの駆逐艦である「フレッチャー」級。なんと175隻の同型艦を持った艦でした。あまりに作りすぎたため、戦後は西欧や南米国家のほか、日本の海上自衛隊にも提供され、“養子”に出した数も桁違いの艦になります。
同級はすべて退役していますが、2025年現在もかなりの姉妹を抱える艦があります。アメリカ海軍の「アーレイ・バーク」級ミサイル駆逐艦で、現役のなかでは世界で一番姉妹の多い艦になります。
「アーレイ・バーク」級ミサイル駆逐艦は、1991年に就役した「アーレイ・バーク」を1番艦として、その後次々と同型艦が作られていきました。
2025年現在、74番艦の「ジャック・H・ルーカス」までが就役していますから、現在のところ74人姉妹であるといえます。しかも、まだまだ建造は継続中で、98人姉妹になる予定までは計画されているようですから、驚きです。
実は「アーレイ・バーク」級に関しては後継艦の計画が出ていましたが、さまざまな問題から、同級の建造続行が決定し、「妹」たちが生まれ続ける一方で、初期のころの「姉」たちは、アップグレードが施されながら活躍を続けています。
海上自衛隊で一番姉妹が多いのは?
海上自衛隊の護衛艦での隻数の多い姉妹艦といえば、海上自衛隊発足間もない頃、アメリカから供与された護衛艦「くす」型があげられます。「くす」型護衛艦は、もともとアメリカ海軍の「タコマ」級フリゲートで96隻が建造されました。
74番艦まで建造されている「アーレイ・バーク」級ミサイル駆逐艦(画像:アメリカ海軍)
そのうち18隻が海上自衛隊へと貸与され、「くす」型護衛艦として、日本近海の防衛に当たり、1977年に全隻が退役するまで活躍しました。
さて、現在の海上自衛隊護衛艦で一番、数の多い姉妹艦といえば最新鋭のFFM、「もがみ」型護衛艦です。
「ひゅうが」や「いずも」といった大型護衛艦の建造から一転、近海防衛向けの小型護衛艦として建造が進められた「もがみ」型は、現在、10番艦の「ながら」まで進水しており、今後11、12番艦まで就役する予定です。これは今まで海上自衛隊のワークホースとして活躍してきた「むらさめ」型の9隻を上回る隻数となります。
さらに、「もがみ」型12隻の後は、「もがみ」型をバージョンアップした新型FFMも12隻の建造が予定されており、今後もこの「もがみ」姉妹たちが中心となって日本近海を中心に防衛に当たることが見込まれています。
こうした慣例に関連して、艦艇を擬人化したゲームなどの流行の影響で、最近は同型艦のない艦艇を「一人っ子艦」と呼ぶこともあります。
一人っ子艦の多さに関しては、旧日本海軍はかなり有名で、大戦中の艦だけでも「鳳翔」「龍驤」「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」「大鳳」「龍鳳」「海鷹」「神鷹」「信濃」「伊吹」などの各空母のほか、軽巡洋艦では「夕張」「大淀」、駆逐艦では「島風」が該当します。
また外国の一人っ子艦を見ると、現在ではフランスの原子力空母「シャルル・ド・ゴール」なども有名です。しかし、現在の一人っ子艦については、独自技術や革新的な設計を採用できるというメリットがあります。しかし、一方で大規模な修理で長期離脱する際に代わりがいない、そもそも簡易的な修理中でも任務に穴があく可能性があるといった問題もあり、必ずしも良い選択とは言えません。
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