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もうすぐJR最古参!? 37年選手のハイパーでスーパーな特急形車両 今も“十分現役”のワケ

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  • 乗りものニュース
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JR九州がJRグループとして最初に投入した特急形電車が、783系「ハイパーサルーン」です。185系電車が引退したあとは、JRグループで現役最古参の電車ともいえます。どのような特徴を持っているのでしょうか。

旧態依然の国鉄特急形からの脱却

 JR九州が運用している783系電車は、JRグループで最初に新造された特急形電車です。国鉄時代最後に登場した185系電車が引退したことで、今後、JRの特急形電車では最古参となります。

Large figure1 gallery2JR九州の783系特急形電車(安藤昌季撮影)

 783系の始まりは1986(昭和61)年のこと。当時の特急列車の主力だった485系電車は、内装の基本設計が1958(昭和33)年に製造された国鉄初の特急形電車である151系を踏襲したもので、リニューアルするにしても限度がありました。また、当時視野に置かれていた最高130km/h運転に対しても、鉄道運転規則で当時求められていた600m以内での停車ができないなど、性能上、不十分でした。

 こうしたことから、国鉄末期に当時の新技術を投入して高速性能を向上させるとともに、接客設備も改善して、高速バスや自家用車に対抗するという計画が始まります。JR九州の看板特急になるため、車両愛称として「ペガサス」「HIMIKO」なども検討されましたが、最終的には「ハイパーサルーン」に決まりました。

 783系は、211系近郊形電車などにも採用された「軽量ステンレス車体」を採用し、消費電力も415系近郊形電車と比較して63%に抑えています。台車は205系通勤形電車のものを改良し、ブレーキシステムの性能向上によりJRの在来線特急で初めて最高130km/hに対応しました。

 車体断面を幅広の211系にそろえたことで、従来の特急形電車よりも車内空間を広く取れました。側窓は、グリーン車で70%、普通車で35%もサイズを拡大。さらに床自体をかさ上げして、眺望性を向上させました。

 先頭車両の前面窓には50度の傾斜角度を付け、客室との仕切りをガラス張りにすることで、前面展望にも配慮しました。最近では「前面展望可能に見えて、座席に座ると全然前が見えない」新型特急形電車が複数登場していますが、783系はそのようなことはなく「座席に座って、遠くまで前面展望が楽しめる」設計でした。

画期的な室内構成

 また、様々な需要に対応するために、各車両の中央にデッキがあることも特徴でした。1車両をA室とB室に分け、A室がグリーン席、B室が普通席とか、一つの車両で指定席と自由席、喫煙席と禁煙席に分けるといった設定がしやすくなったわけです。ただし、乗り心地の良い車両中央部をデッキにする構造は、後の車両にはあまり受け継がれませんでした。

 新世代の特急形電車と感じさせたのは、広い側窓や客室構造だけではなく、豪華な接客設備にもありました。

 グリーン車は座席前後間隔120cmの1+2列配置で、485系の116cm・2+2列よりもずっと豪華でした。肘掛けにマルチステレオ機能、座席背面に3インチの液晶テレビを備えていました。さらに赤い制服の客室乗務員「ハイパーレディ」も乗務したのです。

 普通車も座席前後間隔96cmで、485系より5cm広く、フットレストを備えた回転式リクライニングシートでした。さらに第二次車からは普通車にもマルチステレオ設備が装備されました。

 また、二次車から一部車両のB室に供食設備の「カフェテリア」を設置し、電子レンジを使用した販売も行われました。それ以外にも、カード式の公衆電話や飲料自動販売機も設置され、在来線特急としては画期的でした。

 こうした新機軸を投入した783系は、JRグループ発足翌年の1988(昭和63)年から博多~熊本・水前寺・西鹿児島(現・鹿児島中央)間の特急「有明」に投入されます。西鹿児島行きの速達型は「スーパー有明」(後に「ハイパー有明」)と列車名が分けられ、「スーパーひたち」「スーパーはくと」などの「スーパー」が付く列車名の先駆けとなりました。

 また、水前寺発着便が非電化区間の豊肥本線に乗り入れるために、DE10形ディーゼル機関車と、電源車となる車掌車を専用塗装で連結して、乗り入れたことも意欲的な施策でした。

複数回のリニューアルを経た現在は?

 783系は1989(平成元)年にはカフェテリア営業開始、長崎本線特急「かもめ」に投入。1990(平成2)年に130km/h運転開始、日豊本線特急「にちりん」に投入と活躍範囲を広げます。この時期にはJRグループを代表する特急形電車でした。

 しかし、個室やビュッフェを備えるなど、斬新で豪華な新型787系特急形電車が1992(平成4)年に登場。「ハイパー有明」の列車名も「つばめ」になりました。画期的だった783系は相対的に見劣りすると見なされ、乗客は新型の787系特急を選ぶようになったのです。同年、カフェテリアの営業は中止され、翌1993(平成5)年には普通車のフットレストと、オーディオ・テレビの撤去も開始されました。

 そして1994(平成6)年から、787系をデザインした工業デザイナー・水戸岡鋭治氏により、リニューアルが行われます。登場から6年しか経っていない特急形電車がリニューアルされるのは極めて異例なことでした。

 2000(平成12)年と、2017(平成27)年にもリニューアルが行われ、中間車への運転台設置、普通車の座席交換なども行われて、現在に至ります。

 783系は廃車が始まっていますが、現在でも特急「きらめき」「みどり」「ハウステンボス」「かささぎ」で活躍を見せています。

 787系に近付けるリニューアルが行われたとはいえ、37年間も第一線で活躍できるのは、「今までにない特急形電車を実現する」という国鉄とJR九州の意志がもたらした、クオリティの高い基本設計があってのことだといえます。広い側窓やゆったりとした座席(特にグリーン車)は、最新の特急形電車にも見劣りしないものです。末永い活躍を願う次第です。

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