【婚活】カフェでケーキを“半分こ”したら交際終了…42歳男性が落ちた“価値観の違い”の落とし穴
- オトナンサー |

婚活では価値観の違いで「交際終了」になるケースも珍しくない
婚活でも恋愛でも、「相性がいい人と出会いたい」という言葉をよく聞きます。しかし、相性とは単に趣味や価値観が合うことだけではありません。同じ出来事を経験した時に、どのように感じ、どんな感情を共有できるかという部分に“波長”が表れます。
結婚相談所を運営する仲人である筆者は、これまで多くのカップルを見てきました。同じような出来事を経験しても、それをきっかけに距離が縮まるカップルもいれば、逆に気持ちが離れてしまうカップルもいます。その違いは、どこにあるのでしょうか。
それは、日常の何気ない瞬間を、同じ温度で受け止められるかが関係していると思います。その“受け取る感覚のズレ”にこそ、相性は表れるのです。同じような事象を経験したのに、交際が長続きするカップルと、途中で気持ちが離れていくカップルの事例を見ていきながら、日常の何気ない瞬間を、同じ温度で受け止められるかどうかについて、考えていきましょう。
1個の食べ物を分け合った時の感覚は
現在、真剣交際中のひさおさん(41歳・仮名)は、交際相手のみわさん(37歳・仮名)と、都内のお寺巡りデートをしていました。午後から待ち合わせをし、散策を楽しんだ後は、予約していたレストランで夕食を食べる予定でした。
お寺へと続く参道には、小さな食べ歩きのお店が並んでいます。その中に、揚げたてのカレーパンを売る店がありました。スパイスの香りが漂い、思わず足を止めた2人。
「すごくいいにおいだね」
みわさんが笑うと、ひさおさんも「揚げたてって反則だよね」と笑いました。
ただ、2人にはこの後ディナーの予定があります。
「でも、この後ご飯だしね。今食べたら入らなくなるね、残念」
そう言ったみわさんに、ひさおさんは「じゃあ、1個だけ買って、半分こする?」と提案しました。
「それいいわね」
そうして買った1個のカレーパンを、みわさんが丁寧に半分に割り、「はい」と自然に手渡してくれました。その瞬間、ひさおさんは、とても幸せな気持ちになったと言います。
“ああ、この人となら、こういう時間を積み重ねていけるかもしれない”
高級レストランでもなければ、特別なプレゼントがあったわけでもありません。ただ、1個のカレーパンを自然に分け合えたことに、2人の距離が近づいた感覚があったのです。
一方で、似たような出来事が、まったく逆の結果につながったケースもあります。
やすおさん(42歳・仮名)は、仮交際に入ったばかりのあつこさん(39歳・仮名)と、初デートで有名パティシエのカフェを訪れました。
時間は午後1時過ぎ。お互いにランチを済ませてからの集合でした。
メニューを見ていたあつこさんが、「桜ケーキ、今日で終わりなんですね。おなかいっぱいじゃなかったら食べたかったな」と言いました。
すると、やすおさんが、「じゃあ、1個頼んで半分ずつ食べませんか?」と提案。やすおさんはケーキを頼み、運ばれてきたケーキをフォークで半分に分け、自分の分はコーヒーのソーサーに移し、残りを自然なしぐさであつこさんの前に置きました。
その場では、あつこさんも笑顔でした。ところが翌日、相談所を通じて「交際終了」の連絡が届きます。
理由は、「いい大人が有名なカフェで1個のケーキを分け合うのが恥ずかしかった。周囲から、男性がケチだと思われそうで嫌だった」というものでした。
どちらも、“1個の食べ物を2人で分け合う”という同じ出来事です。けれど、一方は「距離が縮まった」と感じ、一方は「気持ちが冷めた」と感じました。
もちろん、状況の違いはあります。カレーパンは食べ歩きの空気感があり、ケーキは有名店のカフェという人目のある空間だったこと。真剣交際中の安心感と、まだ距離のある初デートだったこと。そうした背景も影響したでしょう。
ただ、それ以上に大きいのは、“同じ出来事をどう感じるか”という感覚の違いです。誰かにとっては、「一緒に楽しめた」という親密さの象徴でも、別の誰かにとっては、「節約っぽくて気になる」という違和感になります。
恋愛や結婚において大切なのは、正解が一致することではありません。同じ出来事に触れた時、「何だか心地いいね」と感じる温度感が近いこと。それこそが、“波長が合う”ということなのだと思うのです。
旅行先でトラブルが起きた時にどう感じるか
「旅行に行くと、その人の本性が見える」と言われることがあります。
確かに旅行は、予定変更やハプニングがつきものです。だからこそ、予想外の出来事が起きた時に、相手がどんな反応をするのか、そして自分がそれをどう受け止めるのかが見えてきます。
実際、同じようなトラブルを経験しても、「忘れられない思い出になった」と笑い合えるカップルもいれば、「もうこの人とは合わない」と気持ちが冷めてしまうカップルもいます。
現在、真剣交際中のたかしさん(43歳・仮名)と、えりさん(38歳・仮名)は、箱根へ日帰り旅行に出かけました。
交際4カ月。そろそろ結婚後の生活感も見えてくる時期です。2人は朝からロマンスカーに乗り、観光を楽しみながら観光スポットへ向かう予定でした。
ところが、その日は週末ということもあり、高速道路で事故渋滞が発生。乗る予定だったバスが大幅に遅れ、さらに途中で大雨まで降り始めました。ようやく着いた観光地では、楽しみにしていた遊覧船も運休。
「うそ、全部タイミング悪いね」
たかしさんが苦笑すると、えりさんは空を見上げながら、「ここまでくると逆に面白いね」と笑いました。
2人は予定を変更し、たまたま見つけた昔ながらの甘味処へ入りました。窓の外の雨を見ながら、温かいぜんざいを食べ、「こういう旅も悪くないね」と話したそうです。
その後も、びしょぬれになりながら土産物店を回り、「こんな大雨の旅行、一生忘れないかも」と2人は笑い合ったのです。
後日、たかしさんはこう話していました。
「予定通りにいかなかったのに、不思議とすごく楽しかったんです。えりさんが、“今ある状況を楽しもう”としてくれる人だったから、一緒にいて安心しました」
その数週間後に、たかしさんはえりさんにプロポーズをし、2人は成婚退会しました。
一方で、似たような出来事が、交際終了につながったケースもあります。
こうじさん(45歳・仮名)は、仮交際中のゆかさん(40歳・仮名)と、神社仏閣巡りの日帰り旅行に出かけました。
人気のレストランを予約し、神社仏閣巡りをする予定でしたが、連休中ということもあり、想像以上の人混み。電車も遅延し、予約時間に間に合わなくなってしまいました。
こうじさんは、急いでレストランに連絡を入れましたが、予約はキャンセル扱いに。
「せっかく予約してたのに……」
ゆかさんは、明らかに不機嫌そうな表情になりました。
こうじさんが、「まあ、旅行ってこういうこともあるよ。別のお店探そうか」と声をかけても、「ちゃんと調べていれば、こうならなかったんじゃないですか?」と返ってきます。
その後も、どこへ行っても混雑していて、ゆかさんの不満は増していきました。
「段取りが悪い1日でしたね」
帰り際、にこりともせずゆかさんにそう言われた時、こうじさんは、“ああ、この人とは、一緒に生活しても息が詰まるかもしれない”と感じたそうです。
「交際は難しいかな」と感じていたら、お互いにそうだったようで、翌日、ゆかさんの相談室から、交際終了が届きました。
波長が合う、合わないに正解はないが…
もちろん、どちらが正しい、間違っているという話ではありません。旅行では、「せっかくなら完璧に楽しみたい」と思う人もいれば、「予定外も含めて楽しみたい」と思う人もいます。
大切なのは、その感覚が近いかどうかです。
トラブルが起きた時に、「最悪だった」と感じるのか、「後で笑える思い出になりそう」と思えるのか、その“受け止め方”にはその人の価値観や人生観が表れます。
結婚生活も同じです。思い通りにならないことは、必ず起きます。電車の遅延も、子どもの発熱も、仕事の予定変更もあるでしょう。
そんな時、「なんでこうなるの」と責め合うのか、それとも「まあ、こんな日もあるよね」と笑い合えるのか。
恋愛や結婚における相性は、趣味や条件の一致だけでは測れません。同じ出来事に直面した時、どのように感じ、どう受け止めるのか。その感覚の近さに、“波長”が表れます。ハプニングを笑い合えるのか、不満として積み重なるのか。
日常の小さな出来事への反応には、その人の価値観や人生観がにじみ出てくるものです。だからこそ、一緒にいて「自然体でいられるか」は、幸せな関係を築く上での、とても大切な相性になると思います。
仲人・ライター 鎌田れい
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