SNS「もう行かない」…飲食店が“外国人店員”増やすと客足遠のく? 業界が直面する「人材不足」解消の難しさ
- オトナンサー |

近年、ファミリーレストランや牛丼店などで外国人スタッフが働いているのをよく見掛けます。飲食業界では人手不足が問題となっており、飲食店の中には人材不足解消のために外国人を積極的に採用する店舗もあるようですが、SNS上では「日本人より外国人の店員さんの方が仕事ができる人が多いように感じます」「外国人店員さんの方が愛想も礼儀も良かったりする」「日本語通じない外国人店員が増えてきた」「外国人を雇っている飲食店には行かない」など、さまざまな声が上がっています。
飲食店が外国人を雇用すると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。外国人の雇用により、本当に人材不足解消につながるのでしょうか。飲食店専門経営コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。
「外国人スタッフが多いと客離れが起きる」とは言えない
Q.近年、飲食店で外国人スタッフが働いているのを見掛けることが多くなりました。飲食店が外国人を採用するメリット、デメリットについて教えてください。ネット上では「外国人店員を増やすと客足が遠のく」という内容の情報もありますが、本当なのでしょうか。
成田さん「近年の人手不足を背景に、飲食店でも外国人スタッフを採用する動きが広がっています。ただし、採用するメリット、デメリットがあります。メリットは、人材不足の解消はもちろんですが、外国人留学生や技能実習生は働く意欲が強く、真面目に仕事に取り組むスタッフも多いです。また、今の時代の『多様性』という部分にもマッチしています。
デメリットは、外国人スタッフによって日本語能力に差があり、注文ミスや来店客とのトラブルにつながる可能性があります。また、文化の違いなどで来店客に不安を抱かせたり、指導に時間がかかったりする可能性があります。
『外国人店員を増やすと客足が遠のく』という情報については、和食店などのように業態によって多少は影響が出る場合もありますが、一概に『外国人スタッフが多いと客離れが起きる』とは言えません。接客の質をしっかり維持している店舗では、外国人スタッフが多くても売り上げや客足に影響がないケースも多いです。外国人スタッフをうまく生かすには、やはり採用後の研修やフォロー体制が重要と言えるでしょう」
Q.人材不足解消のために外国人を積極的に採用する飲食店もありますが、外国人を雇用することで、本当に人材不足解消につながるのでしょうか。
成田さん「外国人を雇用することは、一時的には人材不足解消につながります。特に、深夜や早朝、土日祝日など、日本人が集まりにくいシフトを埋められる点や、留学生や技能実習生が真面目に勤務する傾向にある点は大きな強みです。短期的には『シフトの穴を埋める』という意味で、人材不足解消の効果が期待できます。
ただし、長期的に見ると課題も多いです。留学生は就労時間に制限があり、フルタイムで働ける人材ではないため、慢性的な人材不足を根本的に解決するには限界があります。また、日本語能力や文化の違いにより、教育に時間がかかるケースも多いです。さらに、契約期間や在留資格の問題から長期雇用が難しい場合もあり、結果的に『常に新人を教育し続ける』状態になる店舗も少なくありません。
従って、外国人の採用は人手不足を一時的に緩和するのに有効な手段ですが、根本的な人材不足の解消につながるとは言えません。外国人スタッフが一時的な人数確保ではなく、長期雇用が可能な状態であれば、教育次第で人材不足解消につながるでしょう」
Q.客側にとって、飲食店に外国人スタッフが在籍しているメリット、デメリットはあるのでしょうか。
成田さん「飲食店に外国人スタッフがいることは、客にとってそれぞれメリットとデメリットがあります。メリットとしては、外国人観光客や在留外国人にとって、母国語や英語で対応ができることは安心感につながります。また、外国人スタッフとの会話や接客を『異文化体験』として楽しむ客層もいます。
デメリットとしては、日本語が十分に通じない場合、日本人客の中には注文が正しく伝わるか不安に感じる客もいます。また、文化の違いから、日本人客が慣れ親しんだ『おもてなし』と異なる接客スタイルになることもあり、違和感を覚える人もいます。外国人スタッフが日本語や日本流の接客をしっかり理解できていれば、客側にとって、外国人スタッフの存在はメリットになり得ますが、不十分だとデメリットであると言えるでしょう」
Q.今後、飲食店が外国人を雇用するにあたって、どのような取り組みが求められるのでしょうか。
成田さん「今後、飲食店が外国人スタッフを雇用する際、一時的な人手不足の解消で終わらせるのではなく店の売り上げにつなげたい場合、外国人用の教育マニュアルや労働環境の整備などの仕組みづくりが不可欠です。
例えば、『接客に必要な日本語や専門用語を学べる仕組みを教育システムを導入する』『接客マナーや店舗独自のルールを分かりやすく伝えるために、写真や動画を活用する』『日本人スタッフが文化の違いを理解し、互いに尊重し合える環境を作る』『名札に”日本語勉強中”と表記したり、外国人スタッフを日本人スタッフがサポートする体制を整えたりするなど、客の不安を軽減させる手法を導入する』などです。
このような取り組みができれば、外国人スタッフの雇用は単なる人材不足対策ではなく、店舗の多様性や販路拡大にもつながっていくと私は考えます」
オトナンサー編集部
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