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キワモノ過ぎたSUV「オシャレじゃない! 荷物載らない! 力もない!」ただ珍車すぎて価格高騰って本当?

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  • 乗りものニュース
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「アルト」や「ワゴンR」など、大ヒットを飛ばす傑作車を生みだした自動車会社のスズキが販売していた激レア車が「X-90」です。ユーザーも使い方が想像できなかった珍車は、なぜ登場したのでしょうか。

三振or特大ホームラン? 個性的すぎる企業「スズキ」

 あまりにも独創的かつ他に類を見ない個性を持ちながらも、異なるさまざまな要素を盛り込んだ結果、開発テーマがわかりづらく、ユーザーが使い方を想像できなかったのがスズキ「X-90」でした。その結果は商業的に大失敗。今回はそんなスズキの珍車を紹介します。

Large figure1 gallery61993年の『第30回東京モーターショー』にスズキが出展したコンセプトカーが好評だったことを受けて1995年10月に市販化された「X-90」(写真は北米仕様)。

 昔からバイクファンのあいだでは、国内四大バイクメーカーを指して、それぞれ「技術のホンダ」「芸術のヤマハ」「漢のカワサキ」「変態のスズキ」と呼んでいました。これらはホンダの時計のように精密なエンジン、ヤマハの楽器のような繊細なマシン、カワサキの万人受けではないものの個性的な味のあるマシン、スズキの斬新な製品開発を各々評した言葉です。

 こうして並べると、スズキについては「変態」という単語が引っかかるかもしれませんが、とうぜん褒め言葉です。なぜこのように言われるのかは、スズキが斬新なアイデアによるユニークな商品企画、他社に先駆けて最先端技術を導入するものの、商業的には残念な結果に終わることが多いからでしょう。

 スズキの製品開発は、それまで世の中に存在しなかったものをカタチにすることが多く、市場のニーズに上手くハマれば大成功を収め、以後の業界標準となることも珍しくはありません。しかし、逆にハズれてしまうと一時は話題になるもののまったく売れず、人知れずフェードアウトということになるようです。

 すなわち、三振か特大ホームランかの二者択一。そうしたホームランバッター的な豪快な社風がスズキの持ち味と言えるでしょう。

 こうしたスズキの製品開発はオートバイに限った話ではありません。四輪車においても、そのようなスズキの姿勢が色濃く現れることが少なくないのです。その成功例が「アルト47万円」のCMコピーで一斉を風靡した1979年登場の初代「アルト」であり、軽トールワゴンの草分け的存在になった1993年登場の初代「ワゴンR」です。

斬新すぎて意味不明すぎた2シーターSUV

 その一方で、あえなく空振り三振したのが、7年間のあいだにわずか2万7000台弱しか生産されなかった「カプチーノ」や、ハイブリッド車も設定された革新的な2シーター軽自動車の「ツイン」、国際派の高級セダンとして登場しながら鳴かず飛ばずに終わった「キザシ」でしょう。しかし、これらのクルマは商業的には成功とは言えなかったものの、そのインパクトの大きさから今なお人々の記憶に残り続けています。

Large figure2 gallery7初代スズキ「ワゴンR」。大ヒットを放ち、軽自動車に「トールワゴン」という新ジャンルを構築した。

 そのような「記録よりも記憶に残るスズキ車」のなかでも、とりわけ印象深かったクルマが、1995年10月にデビューした「X-90」でしょう。1.6リッター直列4気筒エンジンの心臓が与えられ、初代「エスクード」のラダーフレームを流用した小型SUVながらも、上屋に載せられるのは、独立したトランクを持つノッチバッククーペボディ。しかも、スポーツカーのような2シーターで、おまけにオープンエアを満喫できるTバールーフを標準装備するという奇抜なものでした。

 SUVとしてアウトドアなどのレジャーで使うには人も荷物も載らないし、オシャレな街乗り車として使うには本格的なCCV(クロス・カントリー・ヴィークル)に用いるようなラダーフレーム構造と4WDシステムがオーバースペックな上に、乗り心地の面でも不利になります。

 オープンドライブを楽しむには車重ゆえに軽快感が足らず、それではSUVらしくオフロード性能に優れるのかというと、丸みを帯びたボディは車両感覚を掴みづらく、G16型エンジンはやや力不足を感じるという、全てにおいて中途半端なクルマでした。

 要するに一種のファンカーなのでしょうが、方向性の異なるさまざまな要素を盛り込んだ「よくばりセット」状態のため、開発テーマがわかりづらく、一体どのようなシチュエーションを想定して楽しんだらよいのか、使い方がまったく想像できないクルマに仕上がっていました。

商業的には大失敗! でも再評価の機運も

 なぜ、このようなクルマが販売されたかと言えば、それは多くのユーザーが発売を望んだからです。もともと「X-90」は、1993年に開催された『第30回東京モーターショー』のためのコンセプトカーとして製作されました。

Large figure3 gallery8スズキ「X-90」の日本仕様。同車は1995年10月から1999年1月までの3年半の間に国内市場では1348台が販売された。

 出展時は市販化の予定はなかったものの、発表されると「デザインがかわいい」「ユニークで個性的」「ぜひ市販化してほしい」との声が多数寄せられたことから、当時のRVブームを追い風としてスズキは発売に踏み切ります。

 ところが、いざリリースしてみると136~149万8000円という、SUVにしては比較的リーズナブルな新車価格だったにも関わらず、販売はまるで振るいませんでした。スズキは海外市場に活路を求めて北米や欧州、オーストラリアにも輸出しましたが、コンセプトのユニークさこそ評価されたものの、実売には結びつきませんでした。

 結局、3年3か月の販売期間中に生産された「X-90」の台数は、国内向けが1348台、海外市場を合わせても総計1万2000台に満たない数で、商業的には大失敗に終わったのです。スズキは市場からの熱烈なラブコールを受けて発売したのに、ユーザーの無責任な「買う買う詐欺」に騙され、開発費すらロクに回収できないほどの商業的な失敗を被ったと言えるでしょう。

 しかし、そのような「X-90」にも根強いファンがつくところが、スズキ車たるゆえんです。熱狂的な「鈴菌感染者」が現在でも大切に所有しているケースが少なくないようです。

 ちなみに、かつては「30万円でもいらん」と言われていた「X-90」ですが、近年その希少性とユニークな個性が再評価されて、中古車相場は高騰しており、高い車両になると300万円を超えることもある模様です。

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