もし「道路陥没」で住宅損壊、断水が起きたら…賠償請求は可能? 弁護士に聞いた“対応策”
- オトナンサー |
埼玉県八潮市の県道交差点で1月28日、道路が陥没し、走行中の大型トラック1台が地中に転落する事故が発生しました。陥没した道路の下には下水道管が通っていて、陥没は下水道管の破損が原因とみられています。
この陥没事故の影響で、埼玉県は地盤が崩落する危険があるとして、現場付近の住宅の住民に対し、避難を要請しました。また、同県は現場に流れ込む下水の量を減らすため、県東部の12市町の約120万人に対して節水を呼び掛けるなど、多くの人の日常生活に支障が出ています。
もしも道路の陥没が発生したときに住宅の損壊や断水、停電などが発生し、何らかの損害を受けたり、生活に支障が出たりした場合、自治体や水道事業者などに賠償を請求できるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の弁護士・佐藤みのりさんが解説します。
事故原因や損害の範囲の検討が必要
まず、今回の埼玉県八潮市の道路陥没事故では、現場に流れ込む下水の量を減らすため、同県の大野元裕知事が県東部の12市町の約120万人に対して節水を呼び掛けました。ただ、あくまで自主的な協力を求めているものであり、誰に対しても、節水による何らかの法的責任を追及することはできないでしょう。
もし道路の陥没事故が発生し、現場周辺の建物の損壊や断水、停電などが起きた場合、その原因が誰にあるのかによって、法的責任を追及できる相手が変わると考えられます。例えば、下水道管などの水道施設の管理を漫然と放置していたことにより、老朽化が原因で道路が陥没するとともに、断水してしまったというようなケースが発生した場合、水道事業者の法的責任が認められる可能性があります。
水道事業者は、「災害その他正当な理由があってやむを得ない場合」には給水を停止することができるとされていますが(水道法15条2項ただし書き)、正当な理由が認められない限り、断水すれば債務不履行になり、損害賠償責任を負うと考えられます。
道路の陥没がきっかけで建物の損壊や断水、停電などが起こり、何らかの損害が生じた場合には、損害発生の直接的な原因がどこにあるのか、損害の範囲はどこまでなのかなど、ケースに応じてさまざまな検討が必要になります。
そのため、道路の陥没事故が原因で何らかの被害に遭い、法的責任を追及したい場合は、弁護士に相談する必要があるでしょう。実際に、損害賠償請求が認められるかどうかはケースによりますが、請求相手などを検討した上で、賠償請求することは可能です。
道路陥没に関する賠償請求の事案を紹介します。過去にはバイクで市道を移動していた人が、道路上に開いていた大きな穴にはまって転倒し、けがをしたとして、市に対し損害賠償を請求した事案があります。
この事案では、主に過失割合が争われました。裁判所は、道路の状況や天候などさまざまな事情を考慮し、バイクの運転手が道路の陥没を発見し、回避することは比較的容易であったと評価。そして、穴を回避しなかった運転手側の過失を4割としました。一方、市に対する損害賠償請求は認められました(京都地方裁判所2019年1月30日判決)
オトナンサー編集部
実は損している?
ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。
ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。
運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?
簡単無料登録はこちらYOUの気持ち聞かせてよ!
いいね | ||
---|---|---|
ムカムカ | ||
悲しい | ||
ふ〜ん |