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子どもがいじめ被害…加害者の“出席停止”を求められる? わが子を守る正しい法的手続きを弁護士が解説

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子どもが「学校でいじめを受けた」と訴えた場合、どう対応する?(画像はイメージ)
子どもが「学校でいじめを受けた」と訴えた場合、どう対応する?(画像はイメージ)

子どもが「学校でいじめを受けた」と訴えた場合、どう対応する?(画像はイメージ)子どもが「学校でいじめを受けた」と訴えた場合、どう対応する?(画像はイメージ)

 9月になり、多くの学校では新学期が始まりました。ただ、中にはいじめなどをきっかけに不登校になってしまう子どもも珍しくありません。

 もしわが子がいじめに遭ってしまった場合、加害者の「出席停止」を求めたり、学校側の法的責任を追及したりすることは可能なのでしょうか。いじめに関する法的手続き、損害賠償請求の正しい進め方や、子どもの安全を守るための「接近禁止命令」の適用の実情とその効力について、弁護士の永島徹さんに聞きました。

学校へは「内容証明郵便」で調査を求める

Q.もし新学期が始まった後に子どもがいじめを訴えた際、親が学校に対して法的に調査を求める方法はありますか。

永島さん「いじめに関しては、『いじめ防止対策推進法』という法律に基づいて、学校や教育委員会に対して調査を打診することが考えられます。

ただ単に口頭で申し入れると『言った、言わない』が発生する可能性があるため、被害の事実を書面にまとめた上で、それを提出するという方法が考えられます。

提出にあたっては、内容証明郵便を使ってしっかりと記録を残す形で送るのが確実でしょう。もしご自身で作成された書面の有効性が不安な場合は、送る前に弁護士に相談してもよいかと思います」

Q.学校側が「いじめの事実はない」と不誠実な対応を取った場合、弁護士に依頼することでどのような対応を期待できるのでしょうか。

永島さん「弁護士がついた場合に関しては、弁護士から自治体や教育委員会に働きかけるということが考えられます。通常であれば対応してくれるはずですが、それでも対応を渋られる、拒否されるといった場合については、民事訴訟を視野に入れて交渉していくことになるでしょう」

裁判所による「接近禁止命令」はなぜハードルが高いのか?

Q.子どもの安全を守るため、学校や加害者側に対して法的な「接近禁止」や「損害賠償」は請求できるのでしょうか。

永島さん「はい、加害者本人や親権者、対応を行った学校に対して『接近禁止』や『損害賠償』を請求することは、理論上は可能だと考えられます。ただし、接近禁止に関しては、いじめ特有の接近禁止を定めた法律がないことや、加害者の学習権の兼ね合いもあり、極端な暴力事案などを除けば非常にハードルが高いのが現実です。

法的な理屈としては、憲法13条の趣旨に基づく人格権や民法上の不法行為、そして民事保全法23条2項などを根拠に、接近禁止命令を求めることが考えられますが、裁判所では保全の必要性(著しい損害や急迫の危険)が厳格に審査されることになるため、この手続きを利用するのは少しハードルが高いのかな、という印象です。

具体的に裁判所で接近禁止の仮処分が認められ得る例外的なケースとしては、大きく2つの条件がそろうケースが考えられます。

1つ目は、加害者からの暴行や恐喝などがエスカレートしており、放置すれば被害児童の生命、身体に重大な危険が切迫していることです。

2つ目は、学校側が全く隔離措置に応じない、あるいは加害者が学校の指導を無視して被害児童を待ち伏せするなど、『学校の対応だけではどうしても安全を確保できない状況(補充性)』であることです。単なる悪口や仲間外れといったレベルではなく、犯罪行為に等しい暴力があり、かつ学校の自浄作用が機能していないような極端な事案に限られると考えられます。

これら2つの条件がそろうケースはまれで、さらに、実際に接近禁止命令が出された場合にどのように実効性を担保するかという問題もあり、実務的には、裁判所を介した接近禁止を利用するケースはほとんどないかと思います。そのため実務上は、裁判所ではなく学校や教育委員会に対してアプローチすることが多いです。

学校教育法35条やいじめ防止対策推進法26条において、他の児童に被害を及ぼす加害者に対して、教育委員会は『出席停止』を命じることができると定められています。

弁護士が介入した場合、この法律を根拠として『直ちに加害者の出席停止措置またはそれに準ずる隔離措置を取るべき』と学校や教育委員会に強く要求することが考えられます。

これが受け入れられれば、正式な出席停止には至らずとも『加害者を別室登校にする』『登下校の時間やルートを完全に分ける』といった厳格なルールを学校側に約束させ、事実上の接近禁止状態を作り出して子どもの安全を確保することが可能です。

また、被害者と加害者、あるいは学校を間に挟んで交渉し、その中でクラスを別にするなど、再発防止策について当事者・学校間で合意を締結し、その合意に基づいて、被害者と加害者を接触させないようにすることも考えられます」

* * *

 親や教師の裁量で対処しきれない事案に対しては、「いじめ防止対策推進法」を根拠として学校や教育委員会へ書面で調査を働きかけるのが第一歩です。不誠実な対応が見られた場合には弁護士を通じて交渉・訴訟を進めるのも手ですが、裁判所による「接近禁止命令」をいじめに適用するのは実務上のハードルが高いことから、基本的には「出席停止」「隔離」などの対処を学校や教育委員会へ求めていく形になるでしょう。

オトナンサー編集部

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