ネット転送だと「48時間以上!?」大容量データは“新幹線でのアナログ輸送”が最強! 通販最大手も実施するサービスとは
- 乗りものニュース |

ネット時代に残る「大容量データ転送」の悩み
インターネットが普及し、大容量のデータ通信も当たり前になりました。軽いデータならメール添付やクラウドサービスで手軽に共有できますが、高速インターネットが普及した現代でも、いまだに解決できない課題が存在します。それが「サイズの極端に大きなデータを転送する」という問題です。
東北新幹線「はやぶさ」(画像:PIXTA)。
近年は高画質な動画や3Dモデルなど、取り扱うデータが大きくなる傾向にあります。数GB(ギガバイト)程度ならまだしも、数十GBを超えると転送量も時間も大幅に増加します。一般ユーザーがやり取りするデータの上限はそのあたりですが、業務用の測量データなどでは、数TB(テラバイト)に達することもあります。
これだけのデータサイズになると、インターネット回線を使ったデータ通信は難しくなります。回線の帯域を長時間・大容量で占有した場合、転送速度が落ちたり、通信の接続が不安定になったりする事態が発生するためです。データを即日で届けたいのに、到着に数日掛かり、その間ずっと接続し続けなければならない運用は、効率の面から見て良いものとは言えません。
例として、1Gbpsのインターネット回線(ベストエフォート型)を契約し、VPN(仮想の専用帯域)を200Mbps分確保していたとします。4TBのデータを送る場合、200Mbpsの回線を最高速度でフルに使ったとしても48時間掛かります。他の通信ができないと不便なため、回線の使用率を10%程度に絞ると、単純計算で10倍近い時間が掛かることになります。
カギは「鉄道」? アナログ輸送だからこそのメリット
では、そのような大容量データをどうやって先方に届けたら良いのでしょうか。その選択肢として選ばれているのが、なんと「鉄道」です。
荷物専用新幹線に改装された実績のあるE3系「つばさ」(画像:JR東日本)。
鉄道は区間こそ定まっていますが、速達性と定時性に優れた交通手段です。必要なデータを記録したディスクを持ち込み、目的地まで物理的に輸送する方法は、一見アナログに見えますが、実は極めて効率的な転送手段となります。インターネット回線が低速だった時代はもちろん、現在でもその有効性が見られます。近年は耐衝撃性に優れたポータブルSSDなども普及しており、回線の占有を避ける意味でも有効な手段です。
特に列車の運行が安定している新幹線などの高速鉄道であれば、その効率の良さは言うまでもありません。インターネット上でも「新幹線に大容量のディスクを持ち込んで、物理的に輸送した」というエピソードが見られます。時間とコストを天秤にかけ、物理的に運ぶという選択が取られるのは、そう珍しいケースではないようです。
実際、この種の業務用サービスは存在します。代表的なのはAmazonが提供する「Amazon Snowball Edge」です。これは物理的にデータ移送を行うサービスで、インターネットに接続されていない環境などから、輸送車両を用いて迅速にデータをデータセンターへ運ぶことができます。また、少量のデータをやり取りする場合には、SSDをバイク便で目的地に運んでもらうといった話も見られます。
JR各社でも、法人向けの「はこビュン」のように、鉄道ネットワークを活用した荷物輸送サービスを実施しています。これは直接的にデータ輸送を目的としたものではありませんが、高速物流ネットワークとして新幹線を活用する事例は増えています。
一見非効率に見えるかもしれない物理的な方法でのデータ輸送ですが、実はデジタルよりもアナログのほうが効率的な珍しい事例と言えるのかもしれません。
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