ネガティブイメージから憧れの対象へ 「オタク」が市民権を勝ち取るまでの長く険しい平成30年史
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オタクが「ネガティブ」イメージだった頃
ご存じの通り、「オタク」という言葉はかつて主にネガティブな意味合いで使われてきました。
たとえば中学高校なら、クラスの中心的存在では決してなく、どちらかといえばあまり全体になじめない面々こそがオタク。彼らは好きなアニメなどについて熱く語り合い、その盛り上がる様子を周囲の人たちはやや冷ややかな目で見つめる――。そんなイメージが世間では一般的でした。

休日はオタクの聖地・秋葉原に集合、服装はパンツインしたチェックシャツでアニメグッズを探す。1970年代に始まったコミックマーケット(コミケ)では、1か所に大勢のオタクたちが集まり、自分たちの好きなアニメなどを基にした漫画同人誌を売買する姿に驚いた人も少なくないでしょう。
また、昭和から平成へと変わる1988(昭和63)~1998(平成元)年には「宮崎勤事件」が発生。東京と埼玉で4人の幼女が犠牲になった事件の犯人が大量のアニメなどのビデオを所持していたという報道は、日本中のお茶の間に衝撃を与えました。
この事件がオタクという言葉に負のイメージを植えつけた大きな要因であるのは間違いありません。
しかし時は流れ、オタクが「オタクである」ことだけをもって否定される時代はもはや過ぎ去ったように思われます。
「好き」を表明するのは恥ずかしくない
平成の終わり頃から、テレビ番組などでタレント中川翔子さんや芸人ケンドーコバヤシさんなど一見オタクに見えない有名人が、それまでオタク的とされてきたアニメを面白おかしく、しかし真剣に語るようになりました。
彼らが紹介したアニメなどを知らなかった人たちもその面白さを発見、これをきっかけに“ディープなアニメ”を見ることに少しずつ抵抗がなくなった人も多くいます。

2005(平成17)年のユーキャン流行語大賞では「萌え~」がノミネート。オタク用語とされてきた単語が普段の会話でも使われるようになったことにより、世間の“オタクアレルギー”を和らげることにつながっていきました。
どんなジャンルであれ自分の「好き」を大声で言うことに恥ずかしさを感じる必要はないというムードが社会に醸成され、いわゆる「クラスで目立つ人」たちもまた「オタク」を公言するようになります。
2019年のコミケは4日間で73万人が来場、コミケ史上最高の来場者数を記録しました。これは、それまでオタクと公言できなかった人たちが自らをオタクと認められるようになったことを示す、ひとつの物差しと言えるかもしれません。
現在、オタク(ヲタク)はアニメや漫画だけにとどまらず、新大久保には韓国ドラマや韓流アイドルのオタクが、銀座や新宿の百貨店にはコスメオタクや美容オタクが集まるようになり、オタクの幅は格段に広がりました。
若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」などが2020年4~5月に行ったアンケート調査(15~24歳の女性8201人対象)では、実に67%の女性が「自分には『○○ヲタ』と言えるものがある」と回答しています。
オタクはすでに、若い世代を中心に十分な市民権を得ているのです。
「偏愛」はカッコいい、という風潮
それにしても、あらためてオタクとは何なのでしょうか。
以前であればアニメや漫画などのコンテンツを偏愛する人たち、と説明することもできたのでしょうが、より突き詰めて考えれば、自分の好きな1ジャンル・1作品・1対象者をどこまでも追求する姿勢そのものを指す、と解釈することも可能です。
「偏愛」とは本来、ある物や人だけを偏って愛する、つまり中立性や公平性を欠くといったマイナスの意味も含んでいる言葉。
しかし昨今では「カッコいいオトナは、自分だけのこだわりを持って」いる(朝日新聞デジタル &M「偏愛人語」)というように、こだわりや自分らしさなどポジティブな意味で使われるようになっており、この変化は「オタク」という言葉のそれとも重なります。

そうした変化の一要因には、TwitterやインスタグラムなどSNSの発達が「オタク」のハードルをぐっと下げたということも挙げられます。
実際のリアルな友人間だけでなく、SNS上でも自分がオタクであるということを公表する。自分の「好き」を今まで以上に主張できるようになったことで、自分と似た趣向の人と出会うことも容易になっていきました。
最近ではテレビやネットの生配信映像を見ながらTwitterを開く人も多いでしょう。番組の内容などについてリアルタイムでツイートすることで、番組をひとりで見ていても、まるで皆と一緒に見ているかのような感覚を楽しむことができます。
普段忙しくて趣味の集まりに参加しづらい人でも、簡単にオタク同士つながれるようになったのです。
楽しみを無限大化する方法
つい先日、私と同じ20代半ばの友人が「昔、実はオタクをうらやましいと思っていた」と明かしました。ひとつのことをとことん追求する姿、周りに流されずに好きを貫く姿勢に感銘を受けていた、自分は何かに対してそこまでの熱量を発揮してこなかった――、と。
アニメオタクにとって、アニメは見て終わり、ではありません。彼らはキャラクターが登場した場所を巡ったり(聖地巡礼)、グッズを集めたりして、さらにそれを仲間同士で楽しそうに話し合います。

ひとつの物事でも捉え方や考え方を変えれば、楽しみ方が無限大に広がっていくのだということを、教えてくれたのは彼らでした。
近年、SNSが発達したことで、情報はあふれ、そしてありふれました。情報を得るのに苦労しないし、新たな発見が簡単に見つけられる一方で、アンテナがいろんなところに向いてしまったり、情報過多になったりすることにより自分を見失うことも時にはあるでしょう。
そんなとき、自分の中に「オタク」を持つ。すると、譲れないもの、ぶれないものを忘れずに持っていられるのかもしれません。
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