ETC大規模障害の混乱を拡げた“ある判断”あきらかに 対応策は「表示器に目隠し」って?
- 乗りものニュース |

中央道、東名、新東名などの高速道路の広い範囲で発生したETCシステム障害。応急復旧まで38時間を要した中で、約96万人の利用者に影響を与えたとされる理由の一端がわかってきました。
エラー表示が頻発することで、レーン内の衝突を心配
2025年4月6日、中央道、東名、新東名などの高速道路で広範囲に発生したETCシステム障害。応急復旧まで38時間を要した中で、約96万人の利用者に影響を与えたとされる理由の一端がわかってきました。道路を管理するNEXCO中日本は、4月22日に開催された検討会後、なるべく早い時期に国土交通省へ説明をする方針です。
大規模障害のさなかの中央道 三鷹本線料金所。「このカードは使えません」とのエラー表示が出ている。後日決済を求めることで閉鎖レーンも開放して渋滞を解消した。4月6日11時頃(中島みなみ撮影)
高速道路会社が想定するETC障害の対応は、個別の車両におけるカードの入れ忘れなどによる通信不良で、はシステム障害により同時に多くの車両が通信不良を起こすことは、まったく考えていませんでした。
NEXCO中日本の最も大きな判断ミスは、同時多発的に料金所で起きているETC決済の不成立に対して、ETC通信の電源を遮断する判断を下してしまったことです。
6日0時から発生した約38時間のシステム障害時の利用台数を、前週の通常期と比較すると約96万台。通常期の現金車を除くと、約92万台が影響を受けたと仮定されます。
障害後の会見などでNEXCO中日本が公表した、ウェブサイトで後日決済をしたETC車は数万台にとどまったとされます。ただ、今回のETCシステム障害は当初、完全にシステムがダウンして、すべてのETC車で決済ができなくなっていたわけではありませんでした。一部の車両は正常に決済を終えることができました。
そうしたなか、ETC車でカードが正常であるにも関わらず、「このカードは使えません」という決済エラーが出てしまう事象が頻発していました。不規則にエラーが発生することで、NEXCO中日本はレーン内で追突事故が発生するなどの可能性を心配し、ETC通信を遮断する決断に踏み切ったのです。
それでも料金決済を優先した
ETC通信を遮断すると料金所でのエラー表示はなくなるので、システム障害を原因とする衝突事故は回避できますが、ETC専用レーンはまったく使えなくなります。それと同時に、料金請求に必要な通行履歴がまったく取得できなくなるので、利用車は一般レーン(有人レーン)に殺到することになります。
4月9日に会見したNEXCO中日本の縄田 正社長(中島みなみ撮影)
いまやほとんどの料金所で、一般レーンは1レーンほどしかありません。日曜日の日中に利用車が増える中で渋滞が伸び続ける上に、大規模システム障害でも、収受員がETCカードの番号を控えるなどの通常対応をし続けたために、さらに混乱を助長しました。障害発生から約13時間後、ETCレーンの開閉バーを開放して、単なる“門”とすることで渋滞を解消しました。
ただ、通行履歴が取得できなくなったことで、新たに後日決済というイレギュラーな対応を利用者に求めることになりました。
もしETC通信を遮断しなければ、すべてのETC車の通行履歴を残すことができます。その中には正常に決済できる車両もあります。未決済の車両があっても後日、通行履歴に基づき、高速道路会社が通行料金をクレジットカードから引き落とす(決済する)ことが可能です。影響を最小限にする余地はあったのです。
今回のようなケースでは、車載器を搭載しない車両がETCレーンを通過した時と同じように、通過車両を管理する別のシステムを使って、利用車の履歴をたどっていくしかありません。
示された「当面の対応案」
そのため4月22日に開催された「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」第2回では、大規模システム障害の当面の対応が提案されました。
まず、大規模システム障害を「同一時間帯に複数の料金所で、ETCレーンに障害が発生する状態」と定義し、同一エリアの複数料金所で、1か所あたり異常停止車両が30分間に10台発生した場合に、障害体制へと切り替えます。
そこで広域的なシステム障害が疑われた場合には、料金所で渋滞を発生させないよう、速やかに出口料金所の開閉バーを開放。入口料金所では、エラー表示が出ることに備えて、表示画面にカバーをして衝突事故を防止するとともに、ETC通信を維持し続けることで、通常時と同じETCによる料金徴収を行うことが盛り込まれました。
NEXCO中日本は、これまでに開催された2回の危機管理検討委員会の内容を盛り込んで、これまでの経緯と対策をまとめて、今週中にも国土交通省への報告を行う予定です。
大規模システム障害に対応する危機管理マニュアルの策定、供用約款の見直しは、6月をめどとして検討委員会での議論をさらに進めます。
実は損している?
ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。
ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。
運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?
簡単無料登録はこちらYOUの気持ち聞かせてよ!
いいね | ![]() |
|
---|---|---|
ムカムカ | ![]() |
|
悲しい | ![]() |
|
ふ〜ん | ![]() |
