どうせ読むならポイント貯めない?

フェリーで日本唯一の「24時間運航」41年の歴史に幕! しかし「24時間待機」は継続中!? 一体なぜなのか

4,157 YOU
  • 乗りものニュース
  • |

41年で幕を下ろした「日本唯一」

 2025年11月16日に噴火が発生したばかりの活火山・桜島(鹿児島市)のふもとにある桜島港と、鹿児島港を結ぶのが「桜島フェリー」です。この航路が2025年9月30日をもって「日本唯一」の看板を下ろしました。

Large figure1 gallery12桜島港に係留された桜島フェリーの「第二桜島丸(サクラフェアリー)」(大塚圭一郎撮影)

 住民のライフラインであり、観光客にも愛用されている桜島フェリーは「安全・快適24時間運航」を標榜する日本唯一の24時間営業のフェリーでしたが、10月1日以降は0時から3時台の計8便を廃止しました。1984年から約41年間続いてきた24時間営業に幕を下ろしたのです。

 かつては「ドル箱」と呼ばれた桜島フェリーですが、鹿児島市によると2014年12月の東九州自動車道の延伸や大隅縦貫道開通に伴う利用減などが響き、2024年度は10年連続の赤字となり、累積赤字が約28億6000万円まで膨らみました。2022年の鹿児島港降客数は113万1341人と、2018年(170万9319人)の約3分の2の水準に落ち込みました。

 このため経費削減策を進めており、24時間運航を取りやめたことで年間約3100万円の経費削減を見込みます。

 ただ、桜島フェリーで鹿児島港と桜島港を往復してきた筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)は、24時間運航を終えた2025年10月以降も休止時間中のフェリーの船内は“臨戦態勢”を続けていることを知りました。

運賃は「後払い」です!

 鹿児島市の公営企業、鹿児島船舶事業が運航する桜島フェリーは10月1日以降、始発は桜島港発が4時、鹿児島港発が4時半、最終は桜島港発が23時、鹿児島港発が23時半となりました。平日に94便、土休日に104便を運航しており、平日の日中は20分おき、土休日は朝から13時台までが20分おき、14時から18時台は15分おきにそれぞれ出発しています。運賃は大人250円、子ども130円です。

 鹿児島港フェリーターミナルの2階の乗降口の周辺には券売機も、切符売り場も見当たりません。乗船口を見ると、上部に「鹿児島→桜島運賃は後払いです そのままご乗船ください」と大きく記されていました。

 筆者と同じように“いちげんさん”は当惑するようで、他に「運賃は桜島についてからお支払いください」と記載した看板と、「切符はございません 運賃精算は桜島側で!」と書いた立て看板も置いていました。

待ち受けていたのは「SES」

 桜島フェリーは4隻を運航しており、鹿児島港で乗り込んだのは2011年に就航した電気推進船「桜島丸(サクラエンジェル)」です。

Large figure2 gallery13鹿児島港フェリーターミナルの乗船口。「運賃は後払いです」などと大きく表示している(大塚圭一郎撮影)

 電気推進船は従来のディーゼル機関を主推進機関とする内燃機関船と比べて二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOX)の排出量を削減して環境負荷を低減し、省エネルギー化したのが売りです。客室内での騒音や振動を抑えているのも利点で、国土交通省肝いりの次世代内航船「スーパーエコシップ」(SES)です。

 船名に付いている「サクラエンジェル」は、桜島フェリーのマスコットキャラクターの名前です。広島県江田島市の中谷造船(現・中谷造船海運)が建造した1330総トン、長さ57.36m、幅13.50mの船で、旅客定員が657名、車両積載能力は乗用車で約63台です。

 この船はディーゼル発電機関で発電した電気で推進モーターを回して進みます。搭載したディーゼル発電機関3台のうち通常は2台を駆動し、強風時などには3台全てを使います。

 また、プロペラを備えるポッドが回転する「二軸反転式ポッド推進器」を船首と船尾に1台ずつ採用し、舵を省いたことも特色です。舵を使った船では不可能だった真横方向への移動も可能になるなど操縦性能が高まりました。燃費性能も改善し、同規模の従来船と比べて時間当たりの燃料消費量を約18%減らしています。

 船内はバリアフリー化しており、エレベーターを船体中央に配置することで車いすやベビーカーの利用者らもクルマを駐車する車両甲板から客室までスムーズに移動できます。全ての客室出入り口に自動ドアを採り入れ、通路と客室との段差をなくし、多目的トイレには赤ちゃんのおむつを交換するためのベビーベッドもあります。

アレを食べないわけにはいかない!

 筆者が客室先頭の展望席に腰かけると、正面の窓の先に桜島を望めました。騒音を抑えているため、動き出しても直ちには気づかず、桜島が近づいてくるうちに、約15分後で桜島港フェリーターミナルへ着きました。

Large figure3 gallery14桜島フェリーの電気推進船「桜島丸(サクラエンジェル)」(大塚圭一郎撮影)

 乗降口は3階にあり、下船して運賃を支払います。交通系ICカードやタッチ決済対応のクレジットカードなどの決済も可能です。

 桜島や火山のことを学べる科学博物館「桜島ビジターセンター」を見学後、桜島港に戻りました。鹿児島港からの船は運賃後払い方式でしたが、今度は乗船前に支払う運賃先払い方式です。

 停泊していたのは1999年就航と桜島フェリーが運航する中で最も古い「第十六櫻島丸(ドルフィンライナー)」です。その名が示す通り、地元の住民によると「錦江湾(鹿児島湾)を航海中に泳ぐイルカの姿が見えることもある」そうです。香川県三豊市にあった讃岐造船鉄工所(2009年に破産手続き開始決定を受けて倒産)が建造した997総トンの内燃機関船で、長さ54.02m、幅13.40m。旅客定員は736人で、車両積載能力は乗用車で約64台です。

 乗船するや直行したのは、桜島フェリーの「名物」となっている客室内にあるうどん店「やぶ金」です。やぶ金うどん(500円)を注文すると、あっという間に提供されました。これは乗船時間が15分と短いため「船旅で食べきれるように注文後すぐに出来上がるようにしている」とのことです。味はあっさりとしており、卓上の七味唐辛子を少し加えて楽しみました。

最終便運行後のフェリーに実は人影が!

 24時間運航を終えた桜島フェリーのダイヤで、筆者が気になったのは桜島港の始発が鹿児島港より早く、最終は鹿児島港から桜島港へ向かう便だという点です。これには明確な理由がありました。

Large figure4 gallery15桜島の噴火から身を守るためにヘルメットをかぶって登下校する小学生のイメージ(桜島ビジターセンターで大塚圭一郎撮影)

 桜島フェリーは、鹿児島市中心部への陸上アクセスが劣る桜島地区の住民の緊急事態対応の役割を担っています。最終便の運航後に1隻が桜島港に停泊し、船内には船長ら乗員7人が待機しているのです。

 何もなければそのまま鹿児島港行きの始発を担当しますが、もしも救急車による病院への急病人搬送といった救急事態が起きた場合には臨時で出動して鹿児島港へ向かいます。救急事態に備えて電話受付の1人、桜島、鹿児島両港の機械を操作するための各1人も待機しているため、計10人が日々スタンバイしていることになります。

 桜島が大規模噴火を起こした場合、フェリーは桜島地区の住民の避難手段にもなります。桜島は1914(大正3)年、58人の死者・行方不明者を出す大噴火がありました。

 そこで、桜島地区の旧・西桜島村は1934年に桜島フェリーのルーツとなる船舶事業に乗り出します。鹿児島市によると「村民の生活・通学航路として集落の船14隻を買収し、村営の船舶事業として統一ある運航を開始した」とのことです。1944年には自動車運搬も開始しました。

 西桜島村は桜島町となった後、2004年には鹿児島市と合併し、鹿児島市船舶事業が運航を担いました。

 桜島ビジターセンターには、桜島の小学生が噴火から身を守るためにヘルメットをかぶって登下校していることが紹介されていました。噴火や救急事態に備えた“臨戦態勢”は桜島の周辺に浸透しており、24時間運航の歴史に幕を閉じてもなお「24時間待機」を継続している桜島フェリーも決して例外ではないことを強く認識しました。

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!