「忘年会」参加後、職場内で“インフル”流行し感染 勤務先への賠償請求は認められる?【弁護士解説】
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毎年12月になると、多くの職場で忘年会が行われます。ただ、今年はインフルエンザが大流行しており、会社によっては忘年会を中止するケースもあるようです。SNS上では「インフルエンザが流行しており、職場の忘年会が中止になった」という声のほか、「忘年会シーズンだけど、中止も検討した方がいいのでは?」「忘年会に行きたくない」などの声が上がっています。
もし忘年会に参加後、職場内でインフルエンザに感染する人が続出した場合、会社側や忘年会を主催した人が法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。また、忘年会に出席後、インフルエンザに感染した人が会社に損害賠償を請求したり、労災申請をしたりすることは法律上、認められるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士が解説します。
「安全配慮義務」に違反した場合は損害賠償責任が生じる

会社は社員に対して、安全で健康的な職場環境を提供する「安全配慮義務」(労働契約法5条)を負っています。そのため、強制参加、自由参加を問わず、会社が企画・実施した忘年会であり、「会社が衛生管理や十分な予防措置を怠った」「体調不良者に出勤を強要した」など、会社が「安全配慮義務」に違反していたと認められる場合であれば、会社は安全配慮義務違反により、感染した社員に対して損害賠償責任を負う可能性があるでしょう。しかしそれ以外の場合には、基本的には会社が感染した社員に対して損害賠償責任を負う可能性は低いでしょう。
感染させた参加者の法的責任はどうでしょうか。インフルエンザは通常、誰が誰に感染させたのかを特定することが極めて困難で、因果関係が証明不可能なので、特定の参加者が他の参加者に対し、損害賠償責任を負うことは基本的にないでしょう。
先述の内容と重なりますが、職場内の管理者が忘年会を企画・実施しており、「衛生管理や十分な予防措置を怠った」「体調不良者に出勤を強要した」など、会社が「安全配慮義務」に違反していたと認められる場合は、会社が「使用者責任」を問われる可能性があります。実際、会社の忘年会における同僚の暴力によるけがについて、会社の使用者責任を認めた裁判例(2018年1月22日、東京地裁)があります。
職場内でインフルエンザの集団感染が発生すれば、業務に支障が出ることが通常予想できるため、忘年会を管理者が主催する場合には集団感染が発生しないよう、衛生管理や予防措置を十分に実施する義務があります。
忘年会の参加後にインフルエンザに感染し、労災を申請したいと仮定します。この場合、忘年会などの懇親会が「業務」に当たるかどうかが焦点となります。懇親会は原則として、「業務」に当たりませんが、例外的に「(1)懇親会が会社主催」「(2)強制参加」「(3)会社が費用負担」「(4)残業代や手当を支給している場合」の4点を満たす場合、事業主の支配・管理下にあったとして、懇親会が「業務」に当たるとされる場合があります。
オトナンサー編集部
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