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海自の「全然使えない輸送機」ついに後継機選定へ なぜ“安物買いの銭失い”をしてしまったのか?

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  • 乗りものニュース
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防衛装備庁が海上自衛隊のC-130R輸送機の後継機選定に向けた情報提供の募集を開始しました。導入から日が浅い同機ですが、その背景には「安物買いの銭失い」とも言える深刻な事情がありました。

後継機選定は空自C-130H…ではなく海自C-130R

 防衛装備庁が2025年9月、固定翼輸送機の整備の方向性を検討するための情報提供企業の募集を行いました。これは航空自衛隊と海上自衛隊が運用している固定翼輸送機の維持整備という意味ではなく、募集公告に「固定翼輸送機の代替案分析」を実施するにあたって必要な情報を企業から募集すると明記されています。つまり、既存の固定翼輸送機を“後継する航空機”の情報を募集することを意味しています。

Large figure1 gallery6海上自衛隊のC-130R輸送機(画像:海上自衛隊)。

 筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はこの告知を見て、老朽化が進んでいる航空自衛隊のC-130H輸送機の後継機を選定するための情報提供の募集かと早合点してしまったのですが、告知の末尾には担当窓口が防衛装備庁の「プロジェクト管理部 海上担当官」と書かれています。これは、海上自衛隊が運用しているC-130R輸送機の後継機選定に関する情報提供の募集です。

 航空自衛隊のC-130H輸送機は1980年代から導入されてきましたが、海上自衛隊のC-130R輸送機は2010年代から運用が始まったものです。現在6機運用しており、主に海上自衛隊が管理する硫黄島や南鳥島など離島の基地に装備や食料、人員などを輸送するために使用されています。

 C-130Rの入手前、海上自衛隊は離島の基地などへの輸送に、国産旅客機YS-11の人員貨物混載型輸送機であるYS-11M/YS-11M-Aを使用していました。これらは本来の任務のほか、大規模災害発生時の救援物資の輸送などにも使用され、2011年に発生した東日本大震災でも救援物資の輸送に活躍しました。

 しかし、その際の酷使でYS-11M/YS-11M-Aは残されていた機体の運用寿命が尽きてしまったことから、後継機としてC-130Rが導入されることになったと、防衛省・海上自衛隊は説明しています。

稼働率は「非常に低い」

 航空自衛隊のC-130Hは新造機を導入していますが、海上自衛隊のC-130Rはアメリカ海兵隊を退役後、アメリカ海軍が保管していた中古のKC-130R空中給油輸送機を再生する形で導入されました。

 2025年4月10日付の「日テレニュース」(日本テレビ)は政府関係者への取材で、C-130Rが故障や不具合などで1機も飛行できない期間が長く、稼働率は「非常に低い」と報じています。

 その最大の原因は「機体の古さにある」とも日テレニュースは報じています。KC-130Rは2005年から2008年に退役していますが、既にその時点で機齢が30年を超えていました。モスボール保管をされていた時間が長かったため、飛行時間はそれほど長くはなかったようなのですが、このような中古機を購入して大丈夫なのか?という声は、導入当時から存在していました。

なぜ中古機を買ったの?

 筆者も海上自衛隊がC-130Rの維持整備に苦労しているとは聞いていましたが、日テレニュースは「飛べる機体を1~2機にするだけで大変な苦労をしている状況」だと報じており、筆者の想像を超えていたというのが、正直な感想です。

Large figure2 gallery7航空自衛隊のC-130H輸送機(画像:航空自衛隊)。

 海上自衛隊が新造のC-130ではなく、中古のC-130Rを購入した理由は二つあります。一つは航空自衛隊が2011年の時点で機齢が20年以上に達していたC-130Hを使用し続けている一方で、海上自衛隊が新造機を購入することは、自衛隊の組織論理上、難しかったものと思われます。

 もう一つの理由は、価格の安さにあります。その時々の為替レートによって異なるのですが、航空自衛隊はC-130Hを1機あたり約250~300億円で購入しているのに対し、C-130Rは6機(改造費用と諸経費込み)で約150億円という破格でした。

 外国から中古の防衛装備品を購入すること自体は、世界的に見れば珍しい話ではないのですが、日テレニュースは「機内装備の経年劣化により現場からは『直しきれない』という悲鳴があがっている」とも報じており、維持整備に要する費用もかなり高額のようです。

 この結果を見れば、海上自衛隊は「安物買いの銭失い」をしてしまったと言わざるを得ないでしょう。

 実のところ海上自衛隊は東日本大震災の発生する数年前から、中古のC-130の導入を模索していました。生産数の多いC-130には、自動車で言えば「メーカー純正中古車」のような中古機が存在しています。

 このため海上自衛隊はC-130のメーカーであるロッキードマーティンに「メーカー純正中古C-130」の購入を打診したのですが、海上自衛隊の提示した購入金額があまりにも低すぎて、ロッキードマーティンから断られたという話を筆者は聞いています。

後継機に求められるもの

 海上自衛隊がそこまでしてC-130を入手しようとした最大の動機は、当時、海賊対策のため護衛艦2隻とP-3C哨戒機2機を派遣していたジブチ(アフリカ)への物資や人員の輸送を、航空自衛隊などの手を煩わすことなく、円滑に進めたいことにありました。

 ジブチの基地の持つ価値は依然として高いのですが、当時に比べれば護衛艦の派遣隻数とP-3Cの派遣機数は減少しており、C-130ほどの機体規模の輸送機の必要性は低減しています。

 こうした状況も勘案して、C-130Rの後継機を導入するのであれば、今度は「安物買いの銭失い」にならない、適切な輸送機を導入して欲しいと筆者は思います。

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