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京王井の頭線 渋谷駅を出るとトンネル連続 何をくぐる? 意外と知られぬふたつの理由

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  • 乗りものニュース
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渋谷駅から京王井の頭線に乗ると、発車してすぐトンネルが連続します。地上の高架駅から一変、山岳路線のような感じになりますが、いったい上には何があるのでしょうか。地形以外にも理由がありました。

谷底の渋谷から外へ出るためにはトンネルが必要

 京王井の頭線は、渋谷駅を出発すると、いきなりトンネルに入ります。都内有数の繁華街である渋谷の町を出たら、まるで山岳路線のように、次の神泉駅をはさんで渋谷トンネルと神泉トンネルが連続します。これは渋谷特有の地形によるものですが、意外と知られていない江戸時代の歴史も関係しています。

Large 200507 inoka 01京王井の頭線渋谷トンネルの神泉駅側坑口(2017年、内田宗治撮影)。

 渋谷を地形の点から述べてみましょう。

 まず、この付近のJR山手線についてです。恵比寿~渋谷~原宿間では、南北に伸びる渋谷川の谷に沿って線路が続いています。線路はずっと谷の中にあるので、地形の凸凹は少なく、車窓を見ていても谷を実感しません。いつも山手線で渋谷を訪れる人は、渋谷駅が谷底にあるといわれてもピンときにくいでしょう。

 渋谷駅に集まってくる鉄道路線は、最も新しく開通した東京メトロ副都心線(2008年渋谷駅開業)を除き、山手線とおおむね直交しています。地形でいえば、渋谷川の谷の両側に続く丘の横腹を突く形です。

 次に、2013(平成25)年まで渋谷駅が地上にあった東急東横線(1927年同開業)も、渋谷駅を発車した後、代官山でトンネルに入り、中目黒駅の手前で地上に出て目黒川の谷へ抜けていました。

 そして東京メトロ銀座線(1938年同開業)の場合、標高約30mある青山方面の丘の地下を走っていたのに、渋谷の谷にぶつかった所で、地上に顔を出してしまいます。しかもそのホームは高架の山手線ホームよりさらに高い場所です。まさに渋谷の谷の深さを感じさせてくれる所です。

 井の頭線の例も含めて、谷底の渋谷駅から谷の外に出るのに、トンネルが必要なわけです。

京王井の頭線ふたつのトンネル 何をくぐっているのか

 井の頭線の渋谷付近のトンネルも、東横線のかつての代官山のトンネルも、渋谷川と目黒川との分水嶺を貫くもので、山岳地帯の峠のトンネルのミニ版といった性格です。渋谷駅に降った雨は渋谷川へと流れ、その後、古川へ名前を変え広尾や麻布十番を経て、浜松町付近で海に注ぎます。一方、渋谷を出てふたつめの神泉トンネルの先に降った雨は、目黒川に注ぎ五反田を経て、京急新馬場駅の先で海に出ます。

Large 200507 inoka 02線路をまたいで横切る道路が三田上水跡。神泉トンネルの駒場東大前駅側坑口(2013年、内田宗治撮影)。

 井の頭線のトンネルのもうひとつの特徴は、神泉トンネルの上を三田上水が横切っている点です。三田上水は江戸時代に造られたもので、玉川上水から枝分かれする水路のひとつです。いずれも江戸の町に飲料水などをもたらすために造られました。

 1653年に完成した玉川上水は、奥多摩の入口にあたる羽村で多摩川から取水し、四谷大木戸(現・四谷四丁目交差点付近)まで約43kmに及ぶものです。三田上水は現在の京王線笹塚駅付近で玉川上水から取水し、現在の港区高輪や三田方面へと水を導く水路で、1660年代半ばの完成です。そうした由緒ある歴史的遺構が、神泉トンネルの上にあるわけです。

 鉄道の歴史に目を向けると、特に明治時代、江戸時代の上水(飲料水用)、用水(農業用)の下に鉄道トンネルがいくつも造られています。現在の山手線目黒駅の場所にも、かつて長さ約37mの永峯トンネルがあり、こちらも上を三田上水が横切っていました。同トンネルは1885(明治18)年竣工、関東で初めての鉄道トンネルでしたが、1918(大正7)年、山手線が複々線化される際に撤去されていて、残念ながら2020年現在、その痕跡はまったく残っていません。

鉄道より高い所を流れた上水 その理由とは

 なぜ周囲より高い所に、江戸時代の上水、用水路が通っているかというと、こうした水路は当時としては高度な測量技術のもと、周囲より低い谷ではなく、周囲より高い尾根伝いを通るようにルート設計されているためです。電動ポンプなどない時代、水はいったん低い所に流れてしまったら、その先、高い所に流れていかないので、高さを維持しながら流したいためです。

Large 200507 inoka 03駒場野公園(目黒区)内の水田。かつて三田上水沿いに水田が点在した(2015年、内田宗治撮影)。

 JR中央線の信濃町~四ツ谷間には御所トンネルという名のトンネルがいまもありますが、それとは別に四谷トンネルという名のトンネルが、現在の四ツ谷駅の地(新四谷見附橋が架かる場所)にありました。長さ約26m、1894(明治27)年開通時のものです。このトンネルの上にも、玉川上水の終点である四谷大木戸から皇居半蔵門方面への水路が設けられていました。

 さらに例を挙げれば、日本で最初に造られた鉄道トンネルは、水路をくぐるものでした。現在の神戸市内を走るJR東海道本線 住吉~六甲道間で、1874(明治7)年に造られた石屋川トンネル(現存せず)です。

 たとえば渋谷トンネルの場合、坑口付近は地盤を直接掘る開削工法、中間部は硬い地盤を掘る山岳工法横穴式などで掘削されています。神泉トンネルは上を三田上水が通っていなければ、切り通しとなったか、もっと短いトンネルとなったかいずれかと思われます。井の頭線のトンネルは、江戸時代の歴史を思い出させてくれる場所でもあるわけです。

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