「ストレス」が“肌のかゆみ”を引き起こす!? 皮膚科医に聞いて分かったメカニズム、覚えておきたい対処法
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寒い時期は皮膚が乾燥し、かゆみが生じる傾向にあります。一方、ネット上では「ストレスを感じると皮膚がかゆくなる」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。ストレスと皮膚のかゆみの関係性のほか、かゆみが出た場合の対処法などについて、たかはし皮膚科クリニック(兵庫県尼崎市)院長で皮膚科医の高橋謙さんに聞きました。
ストレスでかゆみのもととなる「ヒスタミン」が放出
Q.そもそも、皮膚がかゆくなる原因について、教えてください。例えば、皮膚の乾燥以外ではどのような原因が考えられるのでしょうか。
高橋さん「皮膚の乾燥以外だと、まず皮膚病が原因となっているものが挙げられます。かゆみが出るものとして、日常的によく遭遇するものはじんましんやアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、尋常性乾癬(かんせん)、皮脂欠乏性湿疹などが挙げられます。尋常性乾癬はかゆみを伴わないケースも多いです。
ただし、これらは赤みや膨れ、かさつきなどを伴うものが多く、皮膚病だと認識しやすいです。例外的に、見た目に異常がないかゆみを伴う病気として、皮膚そう痒(よう)症というものがあります。
そのほか、かゆみが出やすい体質の人がストレス負荷などによりかゆみが出てくることもあります。かゆみが出やすい体質の人は主にアトピー素因があるケースが多く、自身が肌が弱いことを自覚しているケースがほとんどです。
アトピー素因があるというのを簡単に言うと、アトピー性皮膚炎を発症しやすい体質のことです。具体的にはアレルギー性鼻炎を持っている人のほか、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎の既往歴がある、または現在も治療中の人が該当します。
血縁関係にある人にアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎の持病があれば、その体質である可能性が高くなります」
Q.ストレスで皮膚がかゆくなるのはなぜなのでしょうか。
高橋さん「ストレス負荷がかかると交感神経が優位になる状態が続き、自律神経のバランスが崩れるからです。それに伴い、免疫系の一端を担っている肥満細胞からヒスタミンという、かゆみのもととなる物質が放出され、かゆみを感じるようになるのです。
そのほかにもかゆみを誘発する物質もあり、これらも関与している可能性があります。またストレス負荷にさらされることで皮膚のバリアー機能が低下することもあり、皮膚に隙間ができて、そこから刺激が入ることでかゆみが出やすくなることも考えられます」
Q.ストレスで皮膚がかゆくなる場合、体のどの部位がかゆくなりやすいのでしょうか。また、皮膚のかゆみの原因がストレスなのか、ストレス以外のものなのかを見分けるポイントはあるのでしょうか。
高橋さん「ストレス負荷に伴うかゆみの出やすさに特定の部位はないように思います。ただし、先述の皮膚病に伴うかゆみに関しては病変部分にかゆみが出てきます。また人によって、皮膚病によってかゆみの出やすい部分には違いがあり、一概にここにかゆみが出やすいとは言い切れません。
ただし、ドラッグストアなどでフケ、かゆみ用のシャンプーが売られているように、頭皮にかゆみが出やすい傾向はあるかもしれません。
頭皮にかゆみが出やすい原因として考えられるのは汗をかきやすいことです。ストレス負荷により、交感神経が優位になると汗が出てきます。頭部は特に汗をかきやすい部分でもあり、かゆみが出やすい体質の人、特に頭にかゆみが出やすい人であれば、汗をかいたときにそれが刺激になって、かゆみにつながる可能性は高いといえます。
そのほか、男性の頭皮は皮脂が多いのですが、頭皮には皮脂を好むマラセチアというカビの一種が存在しています。マラセチアがその皮脂を分解することで、かゆみのもとが産生され、かゆみが出てくるというメカニズムもあります。
また汗の関連で考えると、脇や股(外陰部を含む)にもかゆみや湿疹が出やすく、外来でも多く見掛けます。そのため、これらの部位もストレス負荷でかゆみが出やすい可能性があります。
ただし、汗をかいてかゆみが出やすいということは皮膚のバリアー機能が低下し、汗が刺激になりやすい状態があることが考えられ、その程度によっては病的な可能性があります。単なるストレス負荷によるかゆみなのか、あるいは皮膚のバリアー機能の低下を含め、皮膚病に関連したものなのかは皮膚の状態で鑑別が可能です。
かいてしまう前の皮膚が正常な状態であれば、単なるストレス性のかゆみか、または皮膚そう痒症だと考えられますが、かいてしまう前に皮膚のかさつきや軽度の赤みなどがあれば、皮膚病が原因であると考えられます。皮膚病を原因としたかゆみは、入浴後に赤みをはっきり確認できるケースが多いです」
かゆみが出たら患部を冷やすこと
Q.ストレスを感じることで皮膚がかゆくなる場合、どのように対処すればよいのでしょうか。薬を使う目安も含めて、教えてください。
高橋さん「まずはストレス負荷がかからないようにしましょう。そしてかゆみの患部を冷やしてください。保冷剤をタオルなどで包んでかゆみの患部を冷やすと良いでしょう。直接、保冷剤などを当てると患部が冷え過ぎるのと、冷え過ぎの後に血管拡張が起こり、かえってかゆみが悪化する可能性があるため、注意してください。
薬を使う目安としてはまず、見た目で判断ができます。先述のかさつきや赤みがしっかり認められれば病的であり、治療の対象となります。次に皮膚炎が生じていなくてもかゆみの自覚が強く、生活上障害がある、例えば、仕事や勉強に集中できないといったことがあれば、抗アレルギー剤の服用など治療の対象となります。また非ステロイド系の外用剤、いわゆるかゆみ止めの使用も有効です。何らかの形で対処したいと感じるような強い症状があることが治療の目安となります」
オトナンサー編集部
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