過干渉な毒親?常に頭上で監視「ヘリコプターペアレント」に育てられた人が悩む5つの特徴
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“ヘリコプターペアレント”と言う言葉を聞いたことはありますか。モンスターペアレントに似た響きのため、マイナスなイメージを思い浮かべる方も多いかもしれませんね。今回はヘリコプターペアレントかどうかのチェックリストや子どもに及ぼす悪影響についてお伝えします。
(記事監修:臨床心理士 井澤多恵/うららか相談室)
ヘリコプターペアレントとは
ヘリコプターペアレント(Helicopter Parent)とは、ヘリコプターが上空から監視するように、子どもについてまわり監視する親のこと。
1969年に出版されたHaim Ginott博士の著作「Between Parent & Teenager」の中で紹介された「母親が僕の上をヘリコプターのようにホバリングしている」という10代の子供の発言をもとに、発達心理学者や教育関係者が「Helicopter Parent」という用語を用いるようになりました。
日本人はヘリコプターペアレントになりやすい?
ヘリコプターペアレントはもともとアメリカで注目され始めた問題で、子どもが自立すべき時期にもかかわらず親が干渉を続けることです。最近では、年齢にかかわらず親の過干渉や過保護についてそういわれることもあります。
日本でも、幼い頃からの過干渉や過保護な親のことをヘリコプターペアレントと言い、問題視され始めています。と言うのも、日本人は真面目できめ細やか、完璧主義の人が多く、特に子育てにおいてはその特性を発揮しやすいため、過保護や過干渉になりやすいと考えられているのです。
モンスターペアレントと何が違う?
ヘリコプターペアレントよりもよく知られており耳慣れた、モンスターペアレントという言葉がありますよね。
ヘリコプターペアレントとモンスターペアレントは、どちらも子どもを大切に思う親の過干渉からくる問題ですが、ヘリコプターペアレントが子どもへのかかわり方や過度な見守り(例:子どものデートについていく)なのに対し、モンスターペアレントは子どもを守るため、子どもの周囲の人に理不尽な要求をする(例:子どもが風邪をひいたので発表会を延期してほしいと学校に訴える)という違いがあります。
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関連記事:「いい子症候群」の将来的リスクとは?10のチェックリストと親がすべき&避けるべき行動【心理カウンセラー監修】
ヘリコプターペアレントが子どもに及ぼす5つの悪影響
ヘリコプターペアレントは、子どもの育ちにどのような影響を与えるのでしょうか。ヘリコプターペアレントに育てられた子どもにありがちな特徴を5つ紹介します。
1. 自分では何も解決できない
ヘリコプターペアレントによって、幼い頃に直面すべきだった問題や失敗を経験していないことで、問題が起こったときの対処が自分ではできない可能性があります。
たとえば、仕事で進め方がわからないことがあった場合、「自分で調べる」「先輩に相談する」「同僚にお願いする」などさまざまな解決法がありますよね。しかし、困ったことが起こったときいつも親に気づいてもらい解決してもらっていた場合、このように、問題に向き合い解決していく方法を学ぶ機会を失ってしまいます。
2. 自己肯定感が低い
ヘリコプターペアレントは、怪我や失敗を子どもにできるだけさせないようにするという特徴があります。子どもが怪我や失敗をしないように、環境を整えるだけでなく、「危ないからダメ」と過度に制限をしたり「そんなやり方をしたら失敗するからこうしなさい」などと子どもの考えを否定したりすることもあります。子どもを思う余り、コントロールしようとしてしまうのですが、裏を返せばこれは、子どものことを信頼していないということ。子どもは自分の考えを否定されたり、親に信頼されていないと感じたりする場面が多く、自己肯定感の低下に繋がります。
3. 自分で判断できない・自分の判断に自信をもてない
なんでも親に決められており、自分で決断してこなかった場合、成功しても失敗しても責任は親にありますよね。そのため、自分で判断し責任を負う経験が失われます。大人になっても、自分で決断できず他人に委ねたり、自分の判断に自信をもてず不安になったりする可能性があります。
4. 指示待ち人間になってしまう
いつも親の言うとおりに物事を進めてきたため、自分で考えて行動するという経験が乏しいです。そのため、誰かが指示をしてくれるまで行動できない”指示待ち人間”になってしまう可能性があります。
5. 思考がネガティブ
ヘリコプターペアレントは、子どもができるだけ傷つかないよう、失敗しないようにと考えており、子どもが失敗しそうな道を選ぼうとすると、否定して親の思った道へ誘導します。そのため、子どもは自分の意見や考えが否定される機会も多く、「考えてもどうせだめだ」とネガティブ思考になったり、他人の顔色をうかがって行動したりする傾向があります。
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関連記事:HSCとはどんな子供?4つの特徴と23のチェックリスト【心理カウンセラー解説】
ヘリコプターペアレントかを判断するチェックリスト
子どもを思うあまり、ヘリコプターペアレントやその予備軍となってしまうママやパパも、そんなに少なくないかもしれません。チェックリストを確認し、自分がヘリコプターペアレントの特徴に当てはまっているかを振り返ってみてください。
✅ 子どもが困っていたら助けを求められなくても助ける
✅ 子どもが失敗したり傷ついたりしないように先回りする
✅ 身の回りのことを自分でやらせるのはかわいそうだからやってあげる
✅ 友達とのトラブルは間に入って解決している
✅ 子どもが決めるのは難しいので親が選んだり判断したりしている
✅ 待てない・せっかちだ
✅ 子どもに限らず尽くすタイプだ
✅ 子どもが困っていたら助けを求められなくても助ける
一見子ども思いに思えますが、困ったときにすぐ助けることで「助けを求める」「自分で解決する」という経験を奪ってしまいます。
✅ 子どもが失敗したり傷ついたりしないように先回りする
優しさからくる行動ですが、子どもを失敗やつらいことから遠ざけることは、本当の優しさにはなりません。幼い頃に失敗をし乗り越える経験を重ねることが大切です。
✅ 身の回りのことを自分でやらせるのはかわいそうだからやってあげる
自分でやろうとしているのに、上手くできずかわいそうだからと言って親がやるのはよくありません。また、この子にはできないと決めつけて初めからやらせようとしないのも、成長の機会を奪うことになります。
✅ 友達とのトラブルは間に入って解決している
親に解決してもらうのが当たり前にならないように気をつけましょう。幼い子どもであっても、親が勝手に解決するのではなく、親がサポートして一緒に解決するように意識するといいですよ。
✅ 子どもが決めるのは難しいので親が選んだり判断したりしている
子どもに決めさせたら失敗するかも、という心配から親が決めてしまっていませんか。自分で決めて責任をもつという大切な機会を奪うことになります。
✅ 待てない・せっかち
子どもが何かをしたり、決断したりするのには時間がかかります。待てないタイプのママやパパは、ついついささっとやってしまいがち。子どもの行動や判断をゆったりと構えて待つという気持ちがもてるといいですね。
✅ 子どもに限らず尽くすタイプだ
尽くすタイプの親御さん、いますね。好きでやっているかもしれませんが、過干渉や過保護に繋がることも。
ヘリコプターペアレント回避のための4つのポイント
ヘリコプターペアレントにならないために、意識しておくといいポイントを4つ紹介します。
1. 子どもを信じる
子どもを信じて任せる機会もつくりましょう。子どもを一人の個として尊重し大切にすることにも繋がります。失敗したとしてもそこから学ぶことができますし、成功すれば子どもの自信や自己肯定感アップになります。
2. 子どもの意思を尊重する
子どもに選ばせたり裁量を持たせたりすることを大切にしましょう。アドバイスもしすぎないことが大切です。幼い子なら、まず2択から選ばせることから始めてもいいですね。そして、ポイントは、子どもが決めたことに文句を言わず受け入れること。ささいなことでも、自分で決めるという経験を重ねることで、ゆくゆくは選択肢がなくても決められる力がつくでしょう。
3. 子どもと距離をとる
見守ることも大切ですが、見守りすぎていると、ついつい口を出してしまうことも。家の中など安全なところでは、子どもから離れて別のことをしてみては? 物理的な距離が離れることで、心の距離も取れ、自分の子育てを客観的に見られるかもしれません。
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関連記事:「放任主義」の5つのメリットで親も子も笑顔に! ほったらかし育児とは何が違う?【教えて保育士さん】
4. 自分を大切にする
子どものことばかり考えているのは、もうヘリコプターペアレント予備軍かも。いつまでも子どもと一心同体でいるのはよくありません。親が自分自身を大切にすることは、子どもを大切にすることにも繋がりますよ。
5. 親自身が失敗を恐れない
親自身が失敗を恐れてばかりいると、「子どもが失敗したらどうしよう」「嫌な思いをしてほしくない」と、子どもをマイナスな出来事から遠ざけてしまうかも。目の前のことがマイナスに思えても、長い目で見ると子どもにとってはプラスになることも多いです。親自身が不安になりすぎないようにしましょう。
まとめ
ヘリコプターペアレントかどうかの線引きって、難しいですよね。子どもを大切に思い、真面目に育児と向き合うからこそ、過保護や過干渉になってしまう可能性があります。チェックリストを利用し、ぜひご自身の子育てを振り返る機会をつくってみてはいかがでしょうか。客観的にみることで気づくこともあるかもしれませんよ。力を抜いて、子育てを楽しめるといいですね。
(文:mamaco/監修:井澤多恵 先生)
※画像はイメージです
この記事の執筆者
mamaco(元保育士・幼稚園教諭)
この記事の監修者
臨床心理士
井澤多恵 先生
学校、病院、職場内の相談窓口、DVシェルターなど様々な分野で相談経験を持つ。スクールカウンセラーとして発達障害、不登校、引きこもり等の相談や、心身症を抱える子どもとその家族へのカウンセリングを行なってきた。
現在、うららか相談室にてビデオ・電話によるオンラインカウンセリングを受付中。
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