「都心の駅ホームに三脚ズラッ」←今回は問題ありません! 鉄道ファンの「聖地」イベント 成功の秘訣とは?
- 乗りものニュース |

東京メトロとはとバスが終電後の新富町駅構内を利用して、車両撮影会「ミッドナイト新富町☆彡」を開催。営業運転時は絶対できない参加者の要望に応じるなど、濃い内容でした。
撮影会前から和やかな雰囲気に
東京メトロとはとバスは2025年2月8日(土)終電後、有楽町線の新富町駅(中央区)で、車両撮影会「ミッドナイト新富町☆彡」を開催しました。半蔵門線用の18000系電車と有楽町線用の17000系電車を、駅構内とトンネル内に停車させ、参加者の要望に応じて行先表示や停止位置を変えながら撮影を楽しむというものです。
東京メトロ有楽町線の新富町駅に停車する半蔵門線用18000系電車(2025年2月9日、大藤碩哉撮影)
なお、参加者が集合したのは撮影会開始の1時間半ほど前。場所は新富町駅前にある、はとバス直営の銀座キャピタルホテルです。ここでは参加者へのオリエンテーションが行われ、半蔵門線の運転士である青木直也さんと、車掌の佐藤雄紀さんが登壇しました。今回の撮影会は現役の乗務員が発案したものだといい、有楽町線に半蔵門線の車両がやって来たのも「本イベントのため」だと話しました。
また、参加者と登壇者とのフリートークでは、2030年代半ばの開業を目指す豊住線に関する話題も。枝川(江東区)に住んでいるという参加者の男性が「早期開業を望みます」と発言すると、「工事は着々と進んでいます」と答えがあり、会場は笑いに包まれました。
日付が変わった午前1時過ぎ、終電も去り撮影会用の車両の準備ができたとして、いよいよ駅へ移動です。電源が落とされた自動改札を抜けホームへ降りると、参加者は思い思いに三脚や脚立を並べ始めました。普段はこれらを立てるのはご法度ですが、今回は営業運転終了後ということで特別に認められました。青木運転士と佐藤車掌も自前のカメラを構えます。
普段は絶対できないリクエストも
東京メトロの各線は、それぞれラインカラーが決まっており、有楽町線はゴールドです。駅名標やホームドアなどもゴールドに統一されているなか、やって来たのはパープルの半蔵門線用18000系。行先表示は「試運転」でした。
18000系が新富町駅に停車する様子を狙う参加者。今回に限り、三脚や脚立の使用、点字ブロック外側での撮影も許可された(2025年2月9日、大藤碩哉撮影)
静まりかえった駅構内に、シャッター音だけが鳴り響きます。なお、この車両は18000系の中でも最新の編成(18112編成)であり、東京メトロによると従来車と比べ、座席袖仕切りの形状など車内インテリアや、制御装置などのメーカーが変更されているとのことでした。
「臨時」を表示した18000系は、続いて新木場方のトンネルへ。やや左へカーブした下り坂に停車すると、参加者の要望に応え、「急行 青山一丁目」「急行 水天宮前」「各停 半蔵門」など様々な行先を表示していきました。
やがて池袋方面には17000系が姿を見せました。18000系と並ぶと、こちらも様々な行先を表示。なお、この撮影会ならではの光景だったのが、参加者が停止位置についても1m単位で要望できたこと。「あと2m、18000系を前に」などと声が上がるたび、トンネル内には「ヒュウウゥゥ…」という車両がブレーキを緩める音がこだましました。
※ ※ ※
撮影会は午前4時に終了しました。なぜ、新富町駅で撮影会を実施したのかについて、東京メトロは「この駅は中柱がない構造のため車両が撮影しやすく、鉄道ファンからは『聖地』と呼ばれているので設定いたしました」と話していました。
今回はそのような「聖地」に他路線の車両が来るという、間違いなくプレミア感満載のイベントでした。
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