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「線路で街が分断」を、立体交差でもなく踏切でもなくズバっと解決した方法とは? 常識を覆す“割り切ったターミナル駅”に

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「焼物の街」の顔を大胆にも“分断”

 九州旅行の折、伊万里焼のギャラリーがあるというので立ち寄ったのが、佐賀県の伊万里駅です。JR筑肥線の終点にして、第三セクターの松浦鉄道西九州線が乗り入れています。

Large figure1 gallery14松浦鉄道の伊万里駅(筆者撮影)

 ギャラリーの横には松浦鉄道のホームがあります。ここは松浦鉄道の途中駅ですが運転系統は伊万里で分断されており、頭端式のホームになっています。ただ、乗換駅のはずなのにJRの車両などは一切見えません。

「筑肥線はどこですか?」--駅のスタッフにたずねると、「道路向かいのあの建物です! 2階のデッキで移ってください」とのこと。

 道路向かいにも同じような建物があり、行ってみると確かに頭端式のホームに筑肥線の黄色い気動車が停まっていました。こちらでは「松浦鉄道どっちですかね?」「向こうです、向こう!」と、同じようなやり取りを目にしました。

 ここは道路を挟んでJRと松浦鉄道の駅舎が向かいあっており、道路をまたぐデッキでつながっています。線路は分断され、つながっていません。乗換には必ずデッキを歩いて2つの駅を行き来しなければならないのは、なんとも割り切った発想のようにも思えますが、実はこの「双子駅舎」のような構造、全国的にも珍しいそうです。

 松浦鉄道はJR松浦線を引き継いだ第三セクターで、国鉄時代は博多~佐世保間を筑肥線・松浦線・佐世保線経由で結ぶ急行「平戸」など、筑肥線と松浦線を列車が直通していました。松浦線の三セク化後は直通がなくなったとはいえ、それをあえて分断した理由は、「道路を通すため」でした。

 現在の双子の駅舎が誕生した2002年当時の塚部芳和市長に取材した西日本新聞の記事によると、伊万里駅は市街地を南北に分断し、表玄関である北側と、駅南側の開発格差が大きく、線路をまたぐ道路を通すのが長年の課題だったといいます。

 古い航空写真を見ると、かつての伊万里駅は大きく、駅南側は貨物ヤードが広がっていました。この再開発も一体的に行ううえで、高架による立体交差だと周辺の土地を有効利用できない、踏切だと渋滞が起こる、ならば線路を分断しよう――と、市職員だった塚部氏が周囲の反対のなか実現させたそうです。

 その都市計画道路「伊万里駅前線」が中心を南北に貫く伊万里駅前は、駅前ロータリーなどは北側にあるものの、確かに「北口」「南口」というような感覚がなく、開発された街が連続的に広がっているような印象を受けます。ロードサイドの2つの駅舎を結ぶ道路上のデッキは、航空写真で見ると、分断された線路をつないでいるようにも見えるから不思議です。

 街を分断した鉄道に対し、現在は駅南側を東西に通る国道202号バイパスが伊万里の主要な都市間アクセスを担っています。なお現在、自動車専用道である西九州道の一部「伊万里道路」が駅の北側で建設中で、伊万里市街に最も近い伊万里中IC(仮称)ができるため、今後さらに広域アクセスは変化しそうです。

※誤字を修正しました(7/19)

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