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40年前の欧州フライト 今との違いは? いろいろ寒すぎ冷戦下のソ連 伝説の経由地アンカレッジ

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  • 乗りものニュース
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1980年の長距離国際線は、旅客機の性能も国際情勢も大きく現在とは違いました。ヨーロッパ研修旅行ツアーで見てきた、経由地のメッカ「アンカレッジ」や共産国ソ連のモスクワ空港の様子などを振り返ります。

イギリスの飛行機でソ連に立ち寄る…!

 1980(昭和55)年に「欧州の航空事情を垣間見る」というテーマで、大学の航空工学関係の研修旅行がありました。その時のスケジュールはまさに弾丸トラベル。3週間程度で、日本からアラスカのアンカレッジ経由でイギリスに行き欧州をめぐったのち、再びイギリスへ戻り、モスクワ経由で日本へ戻るという旅程だったと記憶しています。

 この当時の旅客機は、2021年現在のような航続性能を持っておらず、長距離国際線の直行便が飛び交う時代ではありませんでしたし、国際情勢も民主主義国家と共産主義国家が対立する冷戦の時代でした。そのときのフライトは、現代と異なるところが多々あったように思います。

Large 210615 74 01 ブリティッシュ・エアウェイズのボーイング747(画像:simon butler[CC BY2.0〈https://bit.ly/3pUGUgk〉])。

 現在の成田空港、新東京国際空港からロンドンへは、ブリティッシュ・エアウェイズの「ジャンボ・ジェット」ボーイング747で向かいました。実は筆者(種山雅夫、元航空科学博物館展示部長 学芸員)が国際線に乗ったのはこのとき初めてでした。

 この当時、「クラシック・ジャンボ」と呼ばれた在来型ボーイング747では、このルートは直行できませんでした。そのため、アンカレッジを経由し、ロンドン・ヒースロー空港に降り立ちました。この当時、アンカレッジは日本発着の長距離国際線における「経由地のメッカ」とも呼べる場所でした。ヨーロッパ、北米~日本線も、ここでいったん給油をしていたのです。いま思えば、貴重な経験ができたと思います。

 1980年代初頭のアンカレッジ周辺は、周辺に何もない、まさに「極北の僻地」という感じの場所でした。ただ、出発地や到着地の時間帯の関係から便が集中することがあるそうで、降り立った時間帯は賑やかでした。欧州、太平洋航路の一大中継基地として存在感に対し、周辺の閑散とした雰囲気に、大きなギャップがあったことを覚えています。

 目的地のヨーロッパでは、航空機メーカーの工場見学、各国の航空博物館での見学、そしてファンボロー航空宇宙ショーの見学を経験しました。ロンドン・ヒースロー空港では格納庫見学があり、整備しているブリティッシュ・エアウェイズの超音速旅客機「コンコルド」の機内やコックピットまで見学させてもらったこと、ブルジェ空港移設前のフランス航空宇宙博物館の規模や航空の歴史の網羅性に感銘を受けたことなどを覚えています。

 ちなみに、コンコルドのコックピットは、747クラシックと同じようなアナログ計器が並ぶ計器盤で、V字型の操縦ハンドルとマッハ計が燦然と輝いていました。客室は、国産ターボプロップ機YS-11と同じくらいの広さだったと記憶しています。

数々の貴重な経験、最後はモスクワに立ち寄る!

 帰りはブリティッシュ・エアウェイズのボーイング707で、ロンドン・ヒースロー空港から新東京国際空港に向いました。この便では途中で、給油のためソビエト連邦(現ロシア)のモスクワを経由するのです。つまり、西側であるイギリスの旅客機で、「鉄のカーテン」の向こう側である、東側のソ連へ降りることになるわけです。

 トランジット(乗り継ぎ)のため、いったんモスクワの空港に降り立ったとき、筆者の気のせいなのかもしれませんが、独特の冷えた雰囲気があったことを記憶しています。用をたすべく化粧室に入ったとき、ドアのカギがかからず扉の下部が開放されている、不慣れな「ヨーロッパスタイル」であることも相まって、「警備員に職務質問されたらどうしよう」「このまま捕まったら帰れないかもしれない」と思わせる雰囲気があり、“雉を撃つ”のもひと苦労です。空港の景色を楽しむ余裕は全くありませんでした。

 モスクワであたふたとシップに戻り、日本へ帰ったわけですが、新潟らしき土地が見えたときには、やっと帰れたという(いろいろな意味での)安心感に浸ったことを覚えています。ちなみに、当時のソ連の空港はとても撮影できる雰囲気ではありませんでしたし、JAL(日本航空)が公開している現地情報によると、現在も、ロシアの空港での写真撮影は禁じられているようです。

Large 210615 74 02 アンカレッジ国際空港のウェルカムサイン。かつて日本在住の人にとっては、アラスカへの玄関口であると共に、欧米各国へのそれでもあった(写真出典:americanspirit/123RF)。

 このツアーに参加したことで、希望にあふれて明日からの学業に努めるというより、諸外国、特に欧米の航空産業の実情を目の当たりにして、しばらくは我が国の置かれた状況と比較してあまりにも寂しく感じられ、茫然としていたことを想い出します。

 そのおかげで、日本で航空関係の博物館に関わりたいと考えるようになったので、少なくとも人生の岐路に立ったということでしょうか。

【シートもなにもかもが昔!】動画でみる「超初期の747、機内の様子」

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