陸自の「無人車両」今から“開発”するの!? 迫るタイムリミット 技術的にも“海外製をそのまま導入”がベストなワケ
- 乗りものニュース |

防衛装備庁が陸自向けの汎用小型UGV(無人車両)の取得方法と、開発を検討するための情報を提供する企業を募集しています。すでに海外製品を試験してデータを取っていますが、そのまま導入しないのでしょうか。
導入タイムリミット迫るなか「情報提供」を 陸自UGV
防衛装備庁は2025年6月6日、汎用小型UGV(無人車両)の取得方法と、開発を検討するための情報を提供する企業の募集を行いました。
防衛省が試験用に購入したUGV「テーミス」(竹内 修撮影)
これは陸上自衛隊の普通科部隊や機甲化部隊などに配備するUGVを海外メーカーから購入する場合と、国内で開発する場合の二つの手法を防衛省・陸上自衛隊が検討するために、必要な情報の提供を企業に求めたものです。
募集要項によれば、防衛装備庁は3タイプのUGVの導入を構想しているようです。
ひとつは、普通科部隊に配備して、敵の脅威度の高い地域で継続的に直接火力で敵の車両や歩兵を撃破するとともに、部隊の間隙(スキマ)に配置して敵の侵攻を阻止するために用いる「汎用小型UGV(攻撃型)」。
2つ目は、偵察部隊などに配備して、敵の脅威下で安全かつ効率的に広域の警戒監視を行うとともに、状況に応じて敵部隊の情報を収集する「汎用小型UGV(偵察型)」。
3つ目は、普通科部隊や施設科部隊等に配備して、部隊が必要とする補給品を効率的に補給する「汎用小型UGV(分隊支援型)」です。
陸上自衛隊へのUGV導入は、岸田文雄内閣が2022年6月に発表した経済財政運営と改革の基本方針2022、いわゆる「骨太の方針」の中で、5年以内に防衛力を抜本的に強化する方針を打ち出したことを受け、この方針を実現するための方策の一つとして防衛省が進めている「無人アセット防衛能力」構築の一環として行われるものです。
無人アセット防衛能力は「総合ミサイル防衛能力」や「スタンド・オフ防衛能力」などによる抑止が機能せず、万が一侵攻を受けた際に、無人装備品(アセット)を活用して人的損耗を抑えつつ、非対称な戦い方により侵攻を阻止・排除することを目的としています。
海外製をそのまま使えばいいじゃない…?
「無人アセット防衛能力」を含めた防衛力抜本的強化の重点項目は、前にも述べたように「5年以内」という時間的制限が課せられており、該当する防衛装備品は早期の戦力化が求められています。
ウクライナの慈善団体に提供された「テーミス」。戦線の支援に導入されている(画像:ミルレム・ロボティクス)
このため、UGVに関しては参考品としてエストニアのミルレム・ロボティクスが開発した、履帯(キャタピラ)で走行する装軌式の「テーミス」と、ドイツのラインメタルのカナダ法人ラインメタルカナダが開発した、タイヤで走行する装輪式の「ミッションマスターSP」を参考品として購入し、部隊で運用試験を行いながらデータを蓄積しています。そのデータと、今回企業に求めた情報などを基に、最適なUGVを導き出していくという手法が採用されています。
冒頭に述べたUGVの取得方法に関しては、テーミスとミッションマスターSPの試験結果が良好であれば、そのまま輸入するなりライセンス国産するのが、早期にUGVを戦力化する最も簡単な方法だと思います。
一方、国内開発という手法を採用した場合、ベースとなる車両や、電波を用いた遠隔操作システムは、国内メーカーでもそれほど開発に苦労はしないでしょう。
ただ、日本の防衛に携わる企業の多くは、防衛省から委託を受けて同省から支出された予算で技術開発を行います。不整地を走行する自律走行システムや、「汎用小型UGV(分隊支援型)」で求められている、行軍する部隊に随伴する、いわゆる「フォローミー」技術のような専ら軍事用UGVに求められる技術を早期に開発することは、難しいのではないかと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
その技術、いまから開発するの?
MIFIKはもともと、テーミスと同社の戦闘用中型UGV「Type-X」用に開発されたものですが、航空機の「フライ・バイ・ワイヤ」から転用した、電線を伝わる電気信号を使用して車両を制御する「ドライブ・バイ・ワイヤ」技術を使って既存の車両と制御システムを統合する、モジュール式のハードウェアとソフトウェアから構成されたキットです。
ドライブ・バイ・ワイヤ技術はトヨタなど日本の大手自動車メーカーでも研究されており、一部の技術は市販の乗用車で実用化されています。こうした技術を持つ自動車メーカーが防衛産業に本格的に進出してくるのであれば、また話は違ってくるのかもしれません。しかし現状、防衛産業に携わる国内企業の製造する製品は概ね利益率が低く、大手自動車メーカーには進出するメリットが乏しいため、本格的に進出してくる可能性は低いと筆者は思います。
おそらく長い開発期と潤沢な資金があれば、現在防衛産業に携っている国内企業でも、十分な性能を持つUGVを開発できると筆者は思いますが、「5年以内」という時間的な制約のあるUGVなどの整備に関しては、純国産に固執せず。ミルレム・ロボティクスのような海外企業とのコラボレーションも視野に入れていくべきだとも思います。
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