「うちの夫にはない安心感」 中学の保護者会で出会った男性と不倫 41歳女性が3カ月で《失いかけたもの》
- オトナンサー |

PTAや保護者会で不倫しやすい理由とは?(画像はイメージ)
「PTAや保護者会で不倫なんて、ドラマの中だけでしょう?」
そう思いたい人は多いはずです。学校は公的で神聖な場で、そこに集まるのは「父親」「母親」という立場の大人たち。恋愛の火種とは、いちばん遠い場所に見えるからです。
しかし、私は夫婦仲相談の現場で、PTAや保護者会をきっかけに気持ちが揺れた人たちの声を、実際に聞いてきました。特にコロナ禍に増えたような気がしています。実際に、周囲にバレて転居せざるを得なくなった当事者の方々にも複数取材しました。
件数で語れる世界ではありませんが、「PTA不倫は実在するのか」と聞かれたら、答えはもちろんイエスです。今どきのPTAは、昔ながらの“みんなでべったり”ではない一方、少人数の役員や委員に負担が集中しやすく、連絡もデジタル化しているため、気の合う相手との距離が一気に縮まりやすいのが特徴です。
私はそこに、令和型の危うさがあると見ています。PTAの簡素化や任意加入への移行が進む一方で、平日昼間の活動や担い手不足は続いています。
個別指導の学習塾「明光義塾」を全国展開する明光ネットワークジャパンが2025年2月に実施した「PTAに関する意識調査」では、PTA役員経験者の46.3%が「やってよかった」と答える半面、約9割が負担を感じていることが明らかとなりました。また、役員を経験して良かったと思う要因として「保護者間のネットワークが広がった」(43.2%)が最多でした。
つまり、「やるべきことは多くてしんどいけれど充実感もある」「良しあしも経験できる」というのが今のPTAです。
戦友のような親密さが生まれやすい
不倫に走る理由は、単純に「恋愛したい気持ちがあったから」ではありません。むしろ逆です。最初は色恋感情などないのです。配布物の作成、打ち合わせ、行事準備、LINE連絡、放課後パトロール、簡単な打ち上げ会…。
そんな共同作業の中で、「一緒にやってくれて助かった」「私の不得意なことを手伝ってくれた」「この人、気が利く」という小さな感謝が積み重なり、戦友のような親密さが生まれるのです。家庭では“父”“母”として固定された役割で過ごしている人ほど、そのフワっとした仲良し承認が刺さります。
しかもPTAや保護者会で出会う相手は、生活圏が近いため、職場不倫よりも会いやすいのです。
子どもが帰るまでの短時間、買い物ついで、会議の後、塾などの送迎の前。長いデートではなく、「ちょっとだけ」が成立してしまいます。
実際に、私が当事者に取材をしたときも「自転車を押しながら家に帰る間でたわいない会話ができて楽しい」「打ち上げのあと、送ってもらった。15分でお互いのことが分かった」「会議の後、5分だけ立ち話すると、ワクワクした」という具体的な心情を聞き取りました。
私はこれが、PTA不倫の一番怖いところだと思っています。関係が始まるハードルがとても低いのです。最初はパパ友(ママ友)のような関係だったのが、次第に胸が高鳴るようになります。
「分かってくれるパパ」に心が寄った女性
38歳の吉田メイサ(仮名)さんは、小学校低学年の子どもがいます。雑貨店のパートと家事で毎日を回すだけで精一杯で、夫とは必要事項しか話さない生活が続いていました。そんな中、PTA役員を引き受けることになり、同じPTA役員の小山田さん(仮名、40歳)と接点が増えました。
小山田さんは、派手ではないけれど、実務に強いタイプ。資料作りも早いし、誰かが困っているとさっと気付いてフォローします。会議後、重い荷物を一緒に運びながらメイサさんが「なんか、家よりこっちの仕事をしている方が充実している」と笑うと、彼はこう返したそうです。
「吉田さん、いつもPTAの仕事を頑張っているよね。みんなが褒めているよ」
この一言で、胸の奥がじんわり熱くなったとメイサさんは言いました。
本当は家庭で欲しかった言葉を、学校で出会ったPTA仲間がくれたのです。その後、LINEの頻度が増え、内容も事務連絡から雑談へ。グループLINEから離脱して個別LINEに移行しました。
「今日の会議、もめそうだったのに、制してもらえて助かりました」
「いや、メイサさんがあそこで、お茶タイム提案したからさー、ナイスだよ」
そんなやりとりに、彼女は自分でも驚くほど浮き立っていきました。しかし、ここでメイサさんは私の夫婦仲相談所を訪れたのです。
「わたし、夫でない人に恋愛感情を持っています。この先が怖いです。どう距離を置けばいいですか」と。
私ははっきり言いました。
「不倫は絶対NG。あなたがいい気分なのは、彼自身への思いというより、“女性として見られた自分”“ねぎらわれた自分”です。夫は穏やかな気分にさせてくれないけど、この人は、それを埋めてくれたという感覚。夫の不足部分を他の人に求めようとしては危ないです。子どもの生活圏を壊しますよ」
そして、夫への不満、満たされていない気持ちは、今のうちに向き合って話しておかないと手遅れになると伝えました。特にけんかしているわけでもないので、今なら伝えやすいと。
彼女は泣いていましたが、数日後、彼との個別LINEを消し、役員内の連絡も必要最低限に切り替えました。後日、「あのとき止めてもらってよかったです。私は恋に落ちかけていたんじゃなく、気持ちが乾いていただけでした」と話してくれました。
“仕事ができるパパ”に救われたくなった女性
41歳のリオさん(仮名)は中学校の保護者会で委員を務めていました。夫は多忙で学校行事にまったく無関心。子どもの進路の話をしても、「任せるよ」の一言で終わるタイプ。リオさんは、教育は大事なことなのに、ずっと置き去りにされている寂しさがありました。
そんなとき、会議で一緒になったのが、コミュ力抜群の営業気質の片倉さん(仮名、44歳)でした。学校との連絡調整も上手で、保護者への説明もプレゼンみたいにすらすらとこなし、文句が出そうな場面をさらりと収めます。リオさんは「うちの夫にはない安心感」を感じたといいます。
会議後に3人で残り、資料を作成したあと、「おなかすいたからファミレスで食べて帰ろう」という流れに。うち1人が、子どもの塾のお迎えがあると言うので2人でファミレスへ。
「ワイン、300円なら一杯だけ飲みましょう。いつものねぎらいってことで」
お酒が入り、学校の話からプライベートな雑談になり、昔好きなタイプはどんな人だったかなどの大人の会話も弾みました。
その会話が、危険な入り口でした。次回以降の会合のときも、皆の目を盗んで2人で家路につくようになったのです。そして、SNSのDMで、「今日、手作りケーキあげていたでしょ、僕も食べたいなあ」「筋トレしているんですね。マッチョですね」などPTAとは関係ない交流が続きます。
そして、片倉さんは、リオさんをドライブに誘いました。郊外型大型ホームセンターに保護者会で使う事務用品を買いに行くという理由で。
「半休取るので3時間だけドライブしましょうよ」
そのドライブがリオさんには、楽し過ぎたのです。夫とはもう何年もデートらしいことはしていませんでした。ホットドッグを食べたり、テイクアウトしたコーヒーで乾杯したり、何気ない男女の触れ合いに胸がときめきました。
この関係が3カ月続き、ついにラブホテルに誘われてしまいます。そして4度関係を持った後で、リオさんが夫婦仲相談所に相談に来られました。「彼と一緒になりたい。離婚を見据えているので、円満離婚のアドバイスがほしい」と。
私はリオさんに「今の状況ではだめ!」と言いました。
「学校は恋愛市場じゃない。不貞はもちろん最低の行為。一歩譲って、体の関係になったくらいで離婚するとか考えないで。甘い! 相手の環境、家族のことも想像して」
私は話を続けました。
「ここで壊れるのは2つの夫婦だけじゃない。子どもの居場所、親としての信用、地域での顔、その全部です」
リオさんは黙り込みました。
その後、彼女から何の音沙汰もありませんでしたが、ある日、「うちの実家の母が倒れたとき、夫が献身的に支えてくれました。わたし、ばかでした。優しい人だったのに、見落としてしまっていました」「片倉さんに救われたかっただけでした。家庭の空洞を、外で埋めようとしていました」と連絡がありました。
不倫がバレたときに壊れるのは夫婦だけではない
PTA不倫、保護者会不倫が厄介なのは、職場不倫以上に“子どもの生活圏”と重なっていることです。夫婦げんかや慰謝料の問題だけで終わりません。学校行事、送迎、受験、部活、保護者同士のつながり全部に影を落とします。
表向きは周囲が見て見ぬふりをすることもあるでしょう。水面下では確実に信用が削られます。子どもは大人が思う以上に空気を読みます。「何となく家が変」「お母さん、あの人の話ばかりする」「お父さんがピリピリしている」という違和感は、ちゃんと伝わります。
さらに、もし配偶者に発覚すれば、法的な問題にも発展し得ます。一般に、不貞を理由とする慰謝料は、離婚しない場合で50万~150万円程度、離婚に至る場合で100万~200万円程度が一つの目安とされています。
また、厚生労働省の2024年人口動態統計によると離婚件数は18万5895組で、前年より2081組増え、2年連続の増加となりました。夫婦が壊れる引き金は1つではありませんが、不倫がその導火線になるケースは珍しくありません。
PTAや保護者会で心が動くこと自体は、人間だからあるのは仕方がありません。でも、心が動いたことと、関係を進めることはまったく別です。
相手にときめいたのではなく、「分かってもらえた」「役に立てた」「女性として、男性として見てもらえた」という感覚に酔っているだけのことも多いのです。
ならば、やるべきことは不倫ではありません。視線の先を不倫相手からパートナーに切り替えてください。夫婦の会話を立て直すのが先決であり、自分の人生の潤いを、家庭外の秘密に頼らず取り戻すことです。
先述のメイサさんも、リオさんも、踏みとどまりました。大人の理性は、”ときめき”に勝てます。
しかし、修復不能なほど夫婦関係がこじれていたら、PTA不倫に沼はまりし、信用を失う人へと変貌してしまいます。まずは自分の夫や妻を見つめ直し、何が足りないのか、関係がこじれる前に向き合ってみるのです。
「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美
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