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スバルが主力工場を「トヨタ流」に改造! ガソリン車もEVも「止めない、時間を無駄にしない」で世界に打って出る

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エンジン車とEV、どのくらいの比率で作る?

 BEV(バッテリー式電気自動車)へのシフトが世界的に叫ばれ、ここ数年で電動化が急速に進んだ昨今の自動車業界ですが、現実問題として、市場ではエンジンを搭載したクルマも必要とされています。メーカーは電動車の生産体制を整えつつ、ハイブリッド車(HV)を含めた従来的なエンジン搭載モデルの生産も続けていくことを迫られています。

Large figure1 gallery1スバル矢島工場で生産される「トレイルシーカー」など(画像:スバル)

 そこで各社とも直面しているのが、「完全な電動車をどれくらいの比率で生産していくか」という問題。BEVとエンジン搭載車それぞれのニーズが、今後どれほどの割合で推移していくのかは、自動車ジャーナリストやメディアはもちろん、メーカー自身にも正確な予測は困難です。

 BEV専用の生産ラインを構築するのには莫大な設備投資が必要となりますが、市場の動向を読み間違えれば、それらが無駄な投資となるリスクがあります。特に生産拠点の数が少ない中小規模のメーカーにとっては、需要の変化へフレキシブルに対応していける生産体制を敷くことが、必須でクリアすべきハードルとなっているのです。

 日本のスバルも、こうした課題に取り組むメーカーのひとつです。今回は群馬県太田市の矢島工場で始まった、同社で初となるエンジン車とEVの「混流生産」に関する取り組みを、実際の工場の様子とともに紹介します。

 矢島工場は1960年代に稼働を開始した歴史のある工場で、これまでも多種多様なモデルを生産してきた、スバルの歴史を語るうえで外すことのできない拠点です。いまも「クロストレック」や「アウトバック」(現行型は海外専売モデル)といった基幹車種を生産する、国内の主力工場として知られています。

 そんな矢島工場は、スバルで初の試みとなるエンジン車とBEVの混流生産に向けて、2025年8月から2026年1月にかけて稼働を停止し、生産設備の改修が実施されました。スバルは工場や生産ラインを、電動車用とエンジン車用で別々に整備するのではなく、ひとつの生産ラインで同時に生産していくことにしたのです。

 そして、改修完了後の2026年2月からはBEVモデルの「トレイルシーカー」と、その兄弟車種であるトヨタ「bZ4Xツーリング」の生産がスタート。2026年夏からは「フォレスター」もそれらと同じラインで生産されるようになりました。

EV独自の行程でエンジン車の作業もやる!

 今回の生産設備の改修における最大のトピックは、バッテリー生産ラインの新設です。これまでプレス工程を行っていた建屋を改修し、ラインを置き換えました。

Large figure2 gallery2矢島工場にはバッテリーの生産ラインも新設された(画像:スバル)

 スバルにとってはエンジン車とEVの混流生産だけでなく、バッテリーの生産も初めてのこと。そこで生まれ変わった矢島工場では、このラインをはじめ、各所に提携先であるトヨタの知見が取り入れられています。

 スバルによると、各種のコスト削減はもちろん、車体の基準や組み付け工程もトヨタ流に合わせた部分が多くあるとのこと。このような大掛かりな変更には、生産ロボットなどのハードウェアの根本的な刷新が必要です。

 それに加えて、今回は生産ロボットを制御するソフトウェア側の対応も積極的に行ったといいます。これは将来的に、少ないコストで生産体制の変更を行っていくためのノウハウを蓄えるため、意図的にトライした取り組みだそうです。

 実際にクルマが生産されているライン上では、混流生産ならではの特徴的な光景も目の当たりにしました。ラインの途中には、エンジン搭載車のマフラーを装着するための設備が配置されている一方で、BEVが充電検査をするポイントでは、エンジン車のエンジンルーム内のチェックや、補器類を動かすバッテリーの取り付けが行えるように組み込まれています。

 そもそもエンジン車とBEVでは、パワートレインの成り立ちがまったく異なるため、生産に必要な工程や設備も各部に差が出てくるのですが、これらを見ると生産ラインを可能な限り止めることなく、時間を無駄にしないようにする工夫が随所に施されていると感じました。

 ちなみに、スバルは2027年以降に群馬県大泉町で新工場の稼働を予定していますが、ここでは矢島工場で得た知見を基に、ソフトウェアアップデートやAI技術の投入がさらに積極的に行われるとのこと。矢島工場以上に、デジタル技術を駆使した効率的かつフレキシブルな工場になるそうです。

 自動車生産の現場は、今後もハードウェア面での投資を抑えつつ、需要の変化に臨機応変な対応ができる柔軟さを獲得することが求められていくでしょう。

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