日本唯一「トレーラーバス」実は“自家用車”になっていた!? 乗りもの界の絶滅危惧種は「経験したことない乗り心地」 今どうなってる?
- 乗りものニュース |

東京都日の出町の有志が保有する、日本唯一のトレーラーバス「青春号」。動力車が客車部分を牽引する特殊なバスです。2023年に路線バスとしての定期運行を終了していますが、その後どうなったのでしょうか。
バス運行が終了し、地元有志が引き取り
東京都西部に位置する日の出町には、地域おこしに従事する乗りものがあります。蒸気機関車を模したトレーラーバス「青春号」です。
トレーラーバス「青春号」(安藤昌季撮影)
かつては、西東京バスがJR武蔵五日市駅と日の出町の「つるつる温泉」を結ぶ路線で定期運行していましたが、車両の老朽化や交換部品の確保が難しいこともあり、2023年3月に営業運行を終了しました。
その後、車両の引き取り手が募集され、全国から16組の応募があった中で地元日の出町の有志が引き取ることになりました。現在は「青春号を活用した町おこし隊」として、イベント参加などで「青春号」を活用しているとのこと。その現状を確かめに行きました。
「青春号」は、日本で唯一の“トレーラーバス”です。動力付きの前半部と、牽引(けんいん)される客車に分かれています。法律上は、前半部と客車は別の車両扱いで、ナンバープレートも別です。ちなみに「青春号」は蒸気機関車のような外見をしていることもあり、ナンバーは人気アニメ『銀河鉄道999』を意識した「999」番です。
ちなみに、トレーラーバスの旅客運送には「けん引二種」免許が必要でしたが、青春号の引退により、運転にけん引二種免許が必要な車両は、日本から消滅したと考えられます。
我が国におけるトレーラーバスの歴史は古く、1932(昭和7)年まで遡ります。当時の鉄道省(現・JR)が路線バスで貨客輸送を行うために、13人乗りのバストラクターを製造したのです。鉄道省のトレーラーバスは「前半部」も客席があり、多客期は「客車」を連結することで定員増加を図るという鉄道的な発想でした。
戦後は、進駐軍がGMC(ゼネラルモーターズ)の車両を都営バスに払い下げ、有休車両を牽引したことで親子バスと称するなど、一部で導入されました。しかし、1950(昭和25)年の火災事故もあり、その後は広まらず各車引退していきました。車体が2台つながったバスという意味では、現在の連節バスに近いかもしれませんが、動力車と客車の行き来はできませんでした(連節バスは牽引免許不要)。
それが復活した経緯は、1988(昭和63)年に始まった「ふるさと創生事業」です。国から各自治体に1億円を配布して地域おこしをするという事業で、東京都の離島で「トレーラーバスによる地域おこし」がなされたのです。
その後、「青春号」と名付けられたトレーラーバスが日の出町で運行され、好評を博したことから、2007(平成19)年に2代目「青春号」が導入されました。これが日本で唯一残る「青春号」です。
通常のバスとも鉄道とも違う、唯一無二の乗り心地
現在は事業用バスではなく、白ナンバーの「自家用車扱い」なので、営業運転には使えないそうです。なお、「青春号を活用した町おこし隊」では、同車向けに免許を取得し、車両の整備を自力で行う体制を整え「車検と保険代程度で維持できている」とのことです。
ただし「特注車両なので、部品一つ交換するのも大きな出費となり、イベント出展や物販だけでは、今後大規模改修が必要になった場合に費用が賄えない」とのことで、運用方法については課題がありそうです。
「青春号を活用した町おこし隊」にこれまでの活動を聞くと、「私たちは日の出町商工会青年部のOBとして、現役時代から青春号にかかわってきました。営業運行終了後、日の出町にプレゼンし、地元に止めることができたのです。現在では近隣自治体のお祭りや、近隣企業のイベントに月1~2回程度出展しており、とてもいい反応を頂いています。つるつる温泉ではキーホルダー、バス缶、ミニタオル、サンリオコラボグッズを販売しています」という話でした。
「町おこし隊」の厚意で、「青春号」に乗車できました。蒸気機関車風の牽引車と、鉄道車両のような客車部分は非常にインパクトがあり、「イベントに行くと、どこでも注目されます」とのこと。タイヤのホイールが蒸気機関車の動輪のようになっているなど、とても凝ったデザインが目を惹きます。
客車部分は連結部の大きな窓や座席部分の天窓によって、視界が開けています。内装はレトロ感があり、座席もなかなか立派なもので、製造費は8000万円とのことです。走行するとカーブの度にゆったりと車体が振られる感覚は、今までのバスとも鉄道車両とも違う、全く経験したことがない乗り心地でした。
動力車部分は、横揺れなどが全くなく、静かな乗り心地。客車部分とは天地の違いでした。運転席のモニターで客車内が見られるのは「青春号」ならではの設備と言えるでしょう。
唯一無二と言える「青春号」ですが、今後はどのような活躍をするのでしょうか。
「西多摩地区が団結して、観光やインバウンドに『青春号』を活用したいです。観光や産業の拠点『肝要の里』などの地域施設と絡めたイベントも考えています」とのこと。国内唯一のトレーラーバス。末永い活躍を願っています。
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