飲食店の「撮影」禁止 プライバシー侵害だけじゃない “諸刃の剣”になるワケ
- オトナンサー |
飲食店に行くと、料理や店内の様子をスマホで撮影する人を見掛けることがあります。きれいに盛り付けられた料理やてんこ盛りの料理などを見ると、撮影したくなる人は多いと思います。
一方、最近は店内での撮影を禁止する飲食店も増えつつあるため、注意が必要です。そもそも、飲食店が店内での撮影を許可することで、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。飲食店が撮影を禁止する理由も含め、飲食店専門経営コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。
撮影が長引くと料理の味に影響
Q.そもそも、客が飲食店で撮影する行為は問題ないのでしょうか。
成田さん「店によっては料理や店内の撮影を禁止している場合があるため、撮影前に店側に撮影しても構わないかどうかを確認すれば問題ないでしょう。ただ、撮影許可が出ても、他のお客さまへの配慮やフラッシュをオフにするといった配慮が必要です。周囲の状況を確認しながら、店や他のお客さまの迷惑にならないように心掛けましょう」
Q.飲食店が店内での撮影を許可するメリット、デメリットについて、教えてください。
成田さん「飲食店が店内での撮影を許可する最大のメリットはやはり宣伝効果でしょう。お客さまがSNSやブログに店の料理や雰囲気が伝わる魅力的な写真を投稿することで、無料で宣伝されます。特にインスタグラムやXでの拡散力は大きく、新規顧客の獲得につながる可能性が高いでしょう。
しかし、これはネガティブな評価や写真も同様に拡散されるデメリットも併せ持ちます。飲食店経営者はリスクも考慮して慎重な判断が求められます」
Q.店内での撮影を禁止する飲食店がありますが、この場合、どのような理由が考えられるのでしょうか。
成田さん「飲食店が店内での撮影を禁止する理由はいくつか挙げられます。『撮影に時間がかかると料理の味が落ちたり、料理の温度が適温でなくなったりしてしまう』『撮影によって店内の雰囲気を壊したくない』『お客さまやスタッフのプライバシーの保護を重視したい』などです。先述のデメリット時のリスク管理を優先し、『ネガティブ評価の回避』もあると思います」
Q.飲食店が店内での撮影を許可するかどうかについて、専門家に相談するケースは増えているのでしょうか。
成田さん「SNSの普及により、デジタルマーケティングの影響力が大きくなり、この分野での『リスクマネジメント』や『ブランディング』についての問い合わせは増えていますね。
撮影を許可した場合のメリットを最大限に生かし、それに対する潜在的なデメリットをしっかりリスクマネジメントするために、自己流ではなく、飲食店専門コンサルタントなどの飲食店に特化した専門家の知見を聞いてみることも必要なリスク管理だと私は考えます」
オトナンサー編集部
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