「なんでここが“阪神高速”なの?」 わずか3.8km「最短路線」の使いみち “つながってない”=下りれば超便利!?
- 乗りものニュース |

他路線から“隔絶”状態のはぐれ者 阪神高速「西大阪線」
近畿圏に約260kmの路線網を構成する阪神高速。そのなかで“はぐれ者”ともいえる謎めいた路線が「17号西大阪線」でしょう。
17号西大阪線の安治川入口。国道43号の高架区間が「ここから先は有料」というような形となる(乗りものニュース編集部撮影)
西大阪線は5号堺線と接続する「南開JCT」から「安治川」出入口までの3.8kmで、阪神高速では最短の路線です。大阪エリアの阪神高速各線の多くは、都心の1号環状線から放射状に延びていて、堺線も環状線へ通じていますが、その途中から分岐する形の西大阪線は、環状線とつながっていません。堺線を堺方面から利用しない限り、阪神高速の他路線からは一度下りて乗り継がないと、たどり着けないのです。
その実態は、大阪と神戸を結ぶ国道43号の大阪市内における有料区間のような位置づけです。しかし、安治川出口から先も国道43号の高架部は兵庫県境付近まで続くので、「有料・無料区間の区分けがよく分からない……」とは同乗者の弁。
それでも、この堺線~西大阪線~国道43号ルートは、かなり便利です。
国道43号は府県境部で大阪都心から3号神戸線の高架が合流し、兵庫県内は国道が地上、神戸線が高架という構成になります。その南側には5号湾岸線が並行しますが、湾岸線は六甲アイランドで途切れ、3号線は神戸市内で「都市高速ワースト1位」といわれるほど渋滞します。
広域ネットワークではこの2路線が重要な役割を担いますが、大阪市内の西大阪線~国道43号は、その中間を進み、高架でスイスイと大阪市街を抜けることができます。
特に、尼崎市内から大阪方面へ向かう場合は、市内に神戸線の大阪方面の入口がない(西宮市内の武庫川が最寄り)ため、湾岸線までわざわざ南下するよりも、国道43号から西大阪線に乗る方がラクな場合があります。
さらに便利なのが、堺線「住之江」出入口と6号大和川線「鉄砲」出入口の「乗り継ぎ」です。
湾岸線と近畿道・西名阪道方面を東西に結ぶ路線として2021年に開通した大和川線は、地下を通るため、堺線とは交差しているもののJCTがありません。しかし、この2つの出入口は大和川を挟んでほぼ向かい合っていて、橋を渡るだけで連絡が可能。夜間(22~翌6時)には、いちど下りて両路線を行き来しても阪神高速を連続走行した扱いにしてくれる「乗り継ぎ割引」も設定されています。乗り継げば、西大阪線―堺線ルートが奈良や和歌山方面への広域ネットワークとして機能を発揮します。
なぜ西大阪線が「阪神高速」なの?
では、ここまで特殊な西大阪線はなぜできたのでしょうか。阪神高速は次のように話します。
西大阪線が15号堺線に合流する南開JCTの料金所(乗りものニュース編集部撮影)
「17号西大阪線は1969(昭和44)年3月に供用しており、阪神高速の中でもかなり古い路線です。もともと、17号西大阪線の沿線である大阪市港区、大正区、西成区あたりは川で分断されており、大阪府や大阪市はこの区間における円滑な交通を確保するため、道路整備を進める必要がありました。
このとき、兵庫県側から大阪市に伸びてきていた国道43号、当時の名称で『第二阪神国道』をそのまま国道として大阪市港区から西成区方面に伸ばす予定を、既に発足していた『阪神高速道路公団』が整備する都市高速道路網の一部として道路公団が建設することで、早期開通が可能と判断され、国と道路公団とが施工することとなりました」
つまり、もともとが阪神高速の広域ネットワークを担う位置づけではなく、あくまで「国道43号の有料区間」という、スポット的な有料道路として成立したわけです。
なお、尼崎方面からは前出の通り堺線にも直通できますが、南開JCT手前の北津守で下りれば、地上で新今宮・阿倍野・天王寺方面へ向かうことができます。西大阪線内(北津守―安治川)だけを走行する場合には「西大阪線末端区間割引」が適用され、夜間(22~翌6時)ならば100円(ETC軽自動車等・普通車・中型車)に設定されているのも嬉しいところ。
こうしたこともあってか、「西大阪線は国道43号のバイパスとしての利用と、堺線へ直接乗り入れる利用に分かれますが、バイパスとしてご利用いただく方の割合がやや多い状況」(阪神高速)とのこと。なお、西大阪線も堺線も延伸の予定はないというので、これからも“知る人ぞ知るルート”として使われそうです。
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